6789 ローランド ディー.ジー.の業績について考察してみた

6789 ローランド ディー.ジー.の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1981年5月大阪府にて7944ローランドの関連会社としてアムデック株式会社設立。1983年6月ローランド ディー.ジー.株式会社に商号変更。1985年1月ベルギーに子会社設立。以降続々と海外子会社を設立。1995年10月世界初のカラープリント・カッター「PNC-5000」を販売開始。2000年10月東証二部上場、2002年3月東証一部に変更業務用大型プリンター等のメーカー

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は、米投資ファンドのTAIYO HANEI FUND,L.P.で保有割合7.05%。保有割合5位のTAIYO FUND L.P.と合わせると10.52%。ステートストリート銀行が6.74%で続き、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、海外金融機関、元同社代表取締役社長兼会長の冨岡昌弘氏、ローランド ディー.ジー.社員持株会、ノルウェー政府などが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は7名(社内3名、社外4名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役の上井敏治氏は5301東海カーボンの理事を務めた後、同社入社。エリック・キースメーカース氏は海外企業で財務アドバイザーを経験後、ベルギーの同社海外現地法人にCFOとして入社した。また社外取締役のブライアン・K・ヘイウッド氏は同社大株主タイヨウファンドのCEOである。

代表取締役の経歴

取締役社長の田部耕平氏は1977年8月生まれ。立命館大学卒業後、同社には2000年4月同社入社。執行役員などを経て、2018年3月に取締役就任、2020年3月より現職を務める

報告セグメント

「コンピュータ周辺機器の製造販売」の単一報告セグメント2021年3月第1四半期売上高10,298百万円の品目別構成比はプリンター31.4%、プロッタ3.3%、工作機械14.5%、サプライ31.5%、その他19.3%。地域別の売上高構成比は、日本11.4%、北米30.1%、欧州36.3%、アジア7.0%、その他15.2%だった。利益の内訳開示は無い。

事業モデル

サイン(屋外看板)市場向けのプリンター、プロッタ、工作機械等や歯科技工にかかる機器の製造販売を行う。同社グループ製品の開発は主にサイン市場向けを同社、歯科技工向けを子会社のDGSHAPE株式会社で行う。製造は主に同社およびタイの子会社Roland Digital group(Thailand)Ltd.が担当、開発から生産までをデジタルデータで直結し、開発期間の短縮など効率化を図っている。販売は同社およびDGSHAPE株式会社が担当し、国内は契約販売店を通じて、海外は同社の海外販売子会社6社および契約販売店を通じて行っている。
同社が主力とするサイン市場は成熟化と大手企業の参入により価格競争が激化している。また環境配慮の観点から非低溶剤インクへの切り替えが進むことが予想される。同社はそうした切り替え需要への対応を強化するほか、生産拠点集約などによる効率化、依然市場拡大が見込まれる新興国市場開拓、小売業向け製品の展開等により成長を目指す。

2020年12月期(2020年度)決算説明会 資料

歯科技工にかかる環境は、現在同社が主力とするマシンの市場規模で400億円、年成長率10%を想定している。今後デジタル領域に進出していく他、歯科技工所向けのみならず歯科クリニック向けにも対象を広げていく。
2020年12月期(2020年度)決算説明会 資料

競合他社

産業用インクジェットプリンタの大手6638ミマキエンジニアリング(2021年3月期売上高48,722百万円)、業務用大判インクジェットプリンタの大手7999MUTOHホールディングス(同14,151百万円)、大判型に特化したプリンタメーカー6416桂川電機(同5,575百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社18社が存在する。主な連結子会社として歯科技工関連の製品の開発および販売を行うDGSHAPE株式会社、製品の製造を行うタイのRoland Digital Group(Thailand) Ltd.が挙げられる。

強み・弱み

世界200以上の国、地域に広がる販売網、高品質、高効率を両立した「D-Shop」と呼ぶ生産方式が同社の強み。また機器販売後もインク等のサプライ品やメンテナンスにより継続的な収入が期待できる。一方で海外売上比率が高いため為替リスク生産拠点をタイに集約することで当地の災害・政情不安等の地政学リスクを負う。

KPI

①新興国事業売上高・構成比(2020年12月期9億円、2.6%を2023年12月期60億円12.5%に)
②新領域事業売上高・構成比(2020年12月期16億円、4.6%を2023年12月期40億円8.3%に)
③為替(米ドル、ユーロ等)

業績

2015年12月期以降売上高、営業利益ともに低下が続く。売上原価率の上昇などで営業利益率は9%前後から2020年12月期は1.4%に低下している。フリーCFはプラス継続。自己資本比率は有利子負債の削減などから上昇傾向で2020年12月期は68.1%。