6597 HPCシステムズの業績について考察してみた

6597 HPCシステムズの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

2006年3月有限会社ハンズオンを東京都に設立。2006年7月株式会社へ組織変更し、HPCシステムズ株式会社に商号変更。2006年9月株式会社エッチ・アイ・ティー及びプロサイド株式会社から、分社型吸収分割により組織再編を行いHPC事業及びCTO事業を開始。2017年6月ヤフー株式会社へ納品したディープラーニング活用に特化した省エネ性能の高いスーパーコンピュータ「kukai(クウカイ)」が、スパコンの省エネ性能ランキング「GREEN500」において世界第2位を獲得。2019年9月東証マザーズに上場。科学技術計算用コンピュータ事業(HPC事業)と産業用コンピュータ事業(CTO事業)を営む

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の大株主は、菱洋エレクトロ株式会社が7.34%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が7.24%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(退職給付信託口・菱洋エレクトロ株式会社口)が7.00%、ナラサキ産業株式会社が6.72%を保有。以下5%未満の保有で、アズワン株式会社や株式会社SBI証券、代表取締役の小野鉄平氏、信託銀行などが並ぶ。

取締役会

取締役は7名(社内6名、社外1名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役5名は、株式会社テクノサービスやバリオセキュア株式会社、サンワ株式会社、有限責任監査法人トーマツ、株式会社マウスコンピューターなどの出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の小野鉄平氏は1974年1月生まれ。ノースイースタン大学を卒業後、State Street Bank and Trust Companyに入行。2004年11月、精傑電子科技股份有限公司を設立し、董事長兼総経理に就任。2006年9月に同社へ移籍し、コーポレート本部長兼CFOや生産技術本部長兼CFOを務める。2015年9月に現職へ就任。

報告セグメント

「HPC事業」と「CTO事業」の2報告セグメントに大別される。2022年6月期第1四半期の売上高873百万円の構成比は、HPC事業58.4%、HPC事業41.6%である。セグメント利益は、HPC事業20百万円、HPC事業15百万円であり、営業利益は36百万円であった。

事業モデル

HPC事業は、科学技術計算用コンピュータに関連するソリューションの提供を行う。同社が提供するHPCシステムインテグレーションは、従来のシステム開発業者等が行っている業務系システムやERPシステム等の構築といったITサービスとは領域が異なり、科学技術計算、モノ作りにおける流体構造シミュレーション、創薬や材料開発に必要な計算化学、ディープラーニング、AI解析、ビッグデータ解析等、顧客の使用目的に応じた知見を必要とする領域に対するシステムインテグレーションである。こうしたHPCシステムインテグレーションの他にも、科学技術計算用高性能コンピュータの販売、ソフトウェアプログラムの開発・販売、受託計算・研究開発支援及び導入後のサポートまでをワンストップでトータルに行う体制を構築している
CTO事業は、顧客企業の注文仕様に応じた産業用コンピュータの開発、製造及び販売を行う。同社の産業用コンピュータは、組込コンピュータ(エンベデッド・コンピュータ)として、各種製造装置や工作機械、計測装置や検査装置の他、インフラシステムにおける監視制御、医療機器、デジタルサイネージ等に搭載され、さまざまな産業分野において活用されている。
最新のICT分野では、AIや機械学習の本格導入が始まり、関連市場が成長期に移行しつつあると同社は考えている。同社がHPC事業にて推進している計算科学分野でも、AI技術を活用した研究開発活動がさまざまな課題解決に向けて広がりを見せるとともに活発化している。又、5Gサービスの開始により多くの産業分野や社会基盤に関わるところで、本格的なIoTの実現と成長が見込まれており、エッジコンピューティングと親和性の高いCTO事業の拡大が見込まれる。

競合他社

産業用PC大手の6639コンテック(直近決算期売上高274億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

化学ソフトの独自開発ができ、ハード・ソフト、導入支援、研究支援をすべて含めたワンストップのサービスを提供できる点を強みとする。顧客の研究開発投資需要や設備投資需要等、企業の景気による影響を受けやすい点が弱み。

KPI

2021年12月に開示した「事業計画及び成長可能性に関する事項」によると、下記指標をKPIとして挙げている。
・HPC事業
①     計算化学・MI 売上高
②     システムインテグレーション 「HPC-AI プラットフォーム」新規採用率
③     サイエンスクラウド(SaaS) 新規継続顧客社数

事業計画及び成長可能性に関する事項

・CTO事業
①     売上高

事業計画及び成長可能性に関する事項

業績

2017年6月期から2021年6月期までの5期をみると、売上高は3,900百万円から5,828百万円、経常利益は254百万円から665百万円と増収増益。技術革新に対する需要が伸びていることなどを背景に、順調に業績を伸ばしている。営業CFは2018年6月期のみマイナス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年6月期第1四半期の自己資本比率は44.7%。

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