6897 ツインバード工業の業績について考察してみた

6897 ツインバード工業の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1962年4月、金属や金属製品の加工を目的として、新潟県に野水電化株式会社を設立。1977年4月に自社での製品開発を本格的に開始。1979年4月、ツインバード工業株式会社に商号変更。1996年2月に新証に上場。2000年3月、東証二部に変更。現在は東証スタンダード市場。2002年、FPSC(フリー・ピストン・スターリング・クーラー)の量産化技術を開発する。遺伝子型ワクチンやバイオ型医薬品の運搬や保管に使われる冷凍機で、2021年には新型コロナウィルスワクチン保管/輸送採用モデルを新たに開発した。調理家電や照明機器等の小型家電を中心に製造・販売をおこなう

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株主構成

有価証券報告書によると、2022年2月末時点の筆頭株主は株式会社双栄で、10.9%を保有する。双栄は代表取締役社長の野水重明氏の資産管理会社とみられる。2番手以降の大株主は保有割合が5%未満。従業員持株会や国内の銀行、前代表取締役社長の野水重勝氏や代表取締役社長の野水重明氏などである。なお外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は10名(社内・社外ともに5名)、監査等委員3名(全員社外)、監査等委員会設置会社である。専務取締役の佐藤勉氏は、20歳当時に入社したプロパー社員とみられる。開発生産部門に長年従事し、2008年6月より取締役を務める。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の野水重明氏は1965年10月生まれ。工学院大学を卒業後、1989年3月に同社へ入社した。大手都市銀行に出向後、長岡技術科学大学大学院にて博士号を取得する。その後は同社で海外営業部門を経験し、取締役、専務取締役を経て、2011年6月に現職に就任した。

報告セグメント

「家電製品事業」と「FPSC事業」の2報告セグメントに大別される。2023年2月期第1四半期は売上高2,519百万円のうち、家電製品事業が2,290百万円で90.9%、FPSC事業が228百万円で9.1%を占める。また2022年2月期の有価証券報告書によると、地域ごとの売上高構成は日本が94.1%、アジアが1.9%、北米1.8%、その他2.1%である。

事業モデル

小型家電を中心に、家電製品の製造・販売を手がける。電子レンジやコーヒーメーカーをはじめとする調理機器やLEDのスタンド照明機器、ハンディスチーマーや空気洗浄機といった生活家電など、幅広い商品ラインアップを展開する。調理家電ではブランパンのホームベーカリーで圧倒的なシェアと知名度を有する。専用のパンミックスを販売するビジネスモデルである。新潟県の自社工場と中国のパートナー工場で製品を製造する。中国子会社は中国における家電製品の生産管理や販売を担う。海外は販売代理店を通じて販売する。
2021年11月、リブランディングを宣言し、2つのブランドラインを立ち上げた。シンプルでこだわりの強い少人数世帯の生活者をターゲットにする「感動シンプル」と、匠の技を自宅で好きなだけ味わえる「匠プレミアム」だ。
各ブランド商品の販売手法を、体験価値訴求型へシフト。販売チャネルの変革のため、リアルの売り場を新規開拓し、ECサイトもリニューアルしている。また既存商品は商品数を減らしながら、1点あたりの売上を最大化し、収益性の改善を狙う。

中期経営計画の進捗状況と今後の事業展開

FPSC事業では2021年4月に武田薬品工業株式会社向けの大型案件が完了。医薬・バイオ分野を中心に4分野に注力し、北米およびヨーロッパで事業規模の拡大を図る。

中期経営計画の進捗状況と今後の事業展開

国内の主要顧客は株式会社ケーズホールディングスであり、売上高の12.8%(2022年2月期)を占める
近年、生活者の購買行動は「環境や社会に配慮」した「長く使えるモノ」を「必要最小限」買う傾向にある。またコロナ禍によって自宅で過ごす時間が長くなり、住環境や家具・家電にこだわりを持つ人が増えた。同社は長年、シンプルながら必要十分な機能を持った家電の開発に取り組んできた。また同社商品はGOOD DESIGN賞を多く受賞している。時代の流れと同社の理念がマッチしており、市場環境は追い風といえる。

競合他社

電化製品の卸販売を行う専門商社の8144株式会社電響社(2022年3月期売上高53,747百万円)、工作機器の卸販売を行う専門商社の8051株式会社山善(同501,872百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社を2社持つ。連結子会社の株式会社マインツは家電製品の企画・製造・販売業務をおこなう。双鳥電器(深圳)有限公司は、中国における家電製品の生産管理・販売を手がける。

強み・弱み

強みとして家電製品の企画・開発力が挙げられる。同社では全社員のおよそ20%が企画・開発・デザインに従事する。同業他社と比べて企画・開発部門の社員割合が高い
新潟県の燕工場では開発部門と製造部門を密接に連動させ、柔軟な生産体制を整備している。製品開発は数万ロット単位が一般的ななか、同社は数千ロットの小さな企画に対しても社内で開発から試作までを一貫しておこなう。また、コールセンターと開発本部の拠点を近くに配置し、ユーザーの声をすみやかかつ細やかに汲み取った製品開発を可能とする。
海外の製造委託会社から製品や部材を輸入しており、取引には外貨を用いるため為替変動の影響を受ける点はリスクである。

KPI

開示のあるKPIとして販売チャネル別売上高と、商品ジャンル別売上高の2つが挙げられる
①販売チャネル別売上高

2023年2月期第1四半期 決算説明会資料

②商品ジャンル別売上高

2023年2月期第1四半期 決算説明資料

業績

過去5期分の経営状況を見ると、売上高は2018年2月期の13,164百万円が最高。翌2019年2月期には11.7%減少したが、2020年2月期から徐々に持ち直し、2022年2月期は12,869百万円まで戻した。経常利益は2018年2月期の105百万円から610百万円へ、5.8倍の成長だ。営業CFは2019年2月期を除いてプラス。投資CFはマイナスを継続。自己資本比率は52.2%から78.2%へ、大幅に上昇している

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