8051 山善の業績について考察してみた

8051 山善の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q2 2022.09 134,954 4,748 3.52%
FY2023.Q3 2022.12 132,174 3,990 3.02%
FY2023.Q4 2023.03 133,272 4,425 3.32%
FY2024.Q1 2023.06 119,957 2,452 2.04%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 119,128 4,206 3.53%
FY2018.Q1 2017.06 113,097 2,707 2.39%
FY2018.Q2 2017.09 126,042 3,940 3.13%
FY2018.Q3 2017.12 127,892 4,002 3.13%
FY2018.Q4 2018.03 130,932 4,734 3.62%
FY2019.Q1 2018.06 129,022 4,003 3.1%
FY2019.Q2 2018.09 133,241 4,528 3.4%
FY2019.Q3 2018.12 139,284 5,210 3.74%
FY2019.Q4 2019.03 124,817 4,256 3.41%
FY2020.Q1 2019.06 115,576 2,231 1.93%
FY2020.Q2 2019.09 127,286 4,059 3.19%
FY2020.Q3 2019.12 120,889 2,987 2.47%
FY2020.Q4 2020.03 108,440 2,814 2.59%
FY2021.Q1 2020.06 98,725 1,804 1.83%
FY2021.Q2 2020.09 105,641 2,585 2.45%
FY2021.Q3 2020.12 114,310 3,526 3.08%
FY2021.Q4 2021.03 116,068 3,319 2.86%
FY2022.Q1 2021.06 116,569 3,480 2.99%
FY2022.Q2 2021.09 121,983 4,007 3.28%
FY2022.Q3 2021.12 129,748 4,810 3.71%
FY2022.Q4 2022.03 133,572 4,836 3.62%
FY2023.Q1 2022.06 126,863 3,400 2.68%
FY2023.Q2 2022.09 134,954 4,748 3.52%
FY2023.Q3 2022.12 132,174 3,990 3.02%
FY2023.Q4 2023.03 133,272 4,425 3.32%
FY2024.Q1 2023.06 119,957 2,452 2.04%

沿革

1947年5月福井県にて工具等の販売を目的に山善工具製販株式会社を設立。1955年4月に山善機械器具株式会社に商号変更。日本各地に支店、営業所を展開する中、1962年10月に大証二部、1963年9月に東証二部に上場する。1965年2月には初の海外現地法人を米国に設立。1970年2月に東証、大証一部に変更となる。1971年11月に株式会社山善に商号変更。現在は工作機械や工具の専門商社として国内外で事業展開している。

2021年3月期(第2四半期)個人投資家向け決算説明資料

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月30日時点の筆頭株主は、山善取引先持株会で保有割合9.17%。次いで東京山善取引先持株会6.23%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口5.89%と続き、以降は保有割合5%以下でメガバンク、山善社員投資会、国内信託銀行の信託口、同社取引先持株会などが並ぶ。尚、2021年4月22日受付の変更報告書によると、みずほ銀行と共同保有者の保有割合が5.71%であると報告されている。また2020年6月30日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10 %以上20%未満である。

取締役会

取締役は11名(社内7名、社4名)、うち社内1名、社外2名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内取締役は全員プロパー入社

代表取締役の経歴

代表取締役社長 社長執行役員 最高経営責任者(CEO)の長尾雄次氏は1954年12月生まれ。芝浦工業大学卒業後、1977年4月同社に入社。2014年取締役に就任、以降常務取締役、取締役専務執行役員を歴任後、2017年4月現職に就任した。
代表取締役副社長の野海敏安氏は1951年4月生まれ。1970年3月に当時18歳で入社。2011年4月執行役員、2015年6月取締役、2018年4月代表取締役と要職を歴任。

報告セグメント

「生産財関連事業」と「消費財関連事業」の2報告セグメント、および報告セグメントに含まれないサービス事業などの「その他」で構成される。2021年3月期第3四半期累計期間における売上高318,676百万円のうち、生産財関連事業が約6割、消費財関連事業は住建と家庭機器に分かれそれぞれ13.4%、25.7%という構成比だった。同期間の全社費用除くセグメント別の営業利益率は家庭機器が最も高く6.6%、次いで住建が2.3%、生産財関連事業は2.0%だった。

事業モデル

生産財関連事業はメーカーから工作機械や周辺工具等を仕入れ、国内外の販売店に卸している。エンドユーザーは製造業界である。住建、家庭機器も同じく住宅設備メーカーや家電メーカーと住宅会社や工務店、販売店をつなぐ商社として事業展開している。全セグメント通じた仕入先数は約4,000社、販売店数は約7,600社に及ぶ。家庭機器は商品の自社開発や、ネット通販も行っている。海外展開はアジア、欧州、北米、中南米の計16ヵ国に17現地法人、67事業所を持ち、2020年3月期の海外売上は売上全体の13.5%を占

2021年3月期(第2四半期)個人投資家向け決算説明資料

競合他社

専門商社の競合として、9902日伝(2020年3月期売上高112,334百万円)や、8074ユアサ商事(同491,341百万円)、9830トラスコ中山(2020年12月期売上高213,404)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は20社と多く、国内製造子会社1社、販売子会社2社、その他2社と海外15社で構成される。海外連結子会社は米国、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、フィリピン、ベトナム、台湾、中国、ドイツ、韓国に拠点を持つ。

強み・弱み

多種多様な仕入先メーカーとの結びつきをもつことや海外において地域密着した販売体制をもつことなどが強み。一方で生産財関連は世界の設備投資動向に左右されること、住建は住宅着工件数が減少する中、住宅関連の売上比率が高いこと、家庭機器はブランド認知度の低さが課題。また海外現地法人が多く、為替リスクも持つ。

KPI

①仕入先および販売先数
②国内外の設備投資動向
③国内の消費動向
③為替(米ドル、ユーロ、アジア通貨)

業績

近年売上高を堅調に伸ばしていたが、2020年3月期はコロナ禍における消費マインド悪化やサプライチェーン分断の影響から減収となった。営業利益は生産財関連事業の利益率の売上高減、利益率低下などにより減益となった。2020年3月期の自己資本比率は41.3%で、直近5年で9%上昇。フリーCFは毎期プラスを維持、現預金残高は5年で150億円増加し、2020年3月期は約683億円。

2021年3月期(第2四半期)個人投資家向け決算説明資料
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