6875 メガチップスの業績について考察してみた

6875 メガチップスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1990年4月にLSI(大規模集積回路)の受託開発を目的として、株式会社メガチップスを設立。1991年8月に顧客専用LSI事業を開始。1995年9月に自社ブランドLSI事業を開始。2000年12月に東証一部に上場。2014年11月MEMSタイミングデバイス事業を含む米国のSiTime Corporationを子会社化、2019年11月にSiTime Corporationは米NASDAQに上場。本社は大阪府。システムLSIファブレスメーカーで、任天堂向けが中心

株主構成

2021年3月期第2四半期報告書によると2020年9月末時点の大株主は、資産管理会社とみられる有限会社シンドウで5.7%、同じく資産管理会社とみられる有限会社シンドウ・アンド・アソシエイツが5.7%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が信託口で5.1%、バンク・オブ・ニューヨーク・メロン140051が4.1%、バンク・オブ・ニューヨーク133652が2.9%、前取締役副社長の松岡茂樹氏が2.7%、取締役会長の進藤晶弘氏が2.5%等、資産管理会社や信託銀行等の国内外の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は20%以上30%未満。

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、監査役3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役会長の進藤晶弘は三菱電機株式会社株式会社リコーを経て、1990年4月に同社を設立。代表取締役社長を経て、2019年6月に現職に就任した。取締役の岩間郁夫氏も三菱電機株式会社や株式会社リコー等、国内外の数社を経て、2020年6月に現職に就任した。社内取締役はそれぞれ様々な経歴を有す。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の肥川哲士氏は1958年5月生まれ。京都工芸繊維大学を卒業後、1981年に株式会社リコーを経て、1990年に同社に入社。2000年6月に取締役、2018年6月に常務取締役を経て、2019年6月に現職に就任した。

報告セグメント

「独自のアナログ/デジタル/MEMS技術を駆使したLSI及びMEMSタイミングデバイスの設計、開発、生産までトータルソリューションの提供を主たる業務」とする単一セグメントである。アミューズメント機器向けLSIや画像処理LSIを供給するASIC事業と、MEMSタイミングデバイスを核としたASSP事業に2分化される。
2021年3月期第3四半期は、売上高69,305百万円に対して利益率は4.2%。利益率は期によって変動があるが、1桁台から10%台前半を推移する。

事業モデル

日本初の「システムLSIのファブレスメーカー」として1990年に創業。ASIC事業は、ゲーム機器、デジタルカメラ、事務機器分野を主力にLSIや画像処理LSIを供給する。システムLSIとは機器・システムに求められる多彩な機能を1つのチップに集積した回路である。特定用途向けにシステムLSIの企画から販売、品質保証までを一貫して行う
ASSP事業は、2014年に買収した米国の連結子会社SiTime Corporationを中心に、MEMSタイミングデバイスを開発・製造販売する。SiTimeは米国に本社を置く MEMSタイミングデバイスのリーディングカンパニーで、Robert Bosch(ロバート・ボッシュ)から独立した企業でMEMS振動子を開発し、製造販売する。MEMSタイミングデバイスは、従来のクオーツ式のタイミングデバイスを置き換え、車載・産業機器・通信インフラ分野で需要が高まる製品で、今後の成長が見込めることから同社もそれらの分野に経営資源を集中させ将来の収益源へとすべく育成を図る。ASIC事業で扱う民生機器分野に比べて、製品の採用期間が長く、市場動向に左右されにくい利点も有す。
生産は国内外のパートナー工業や企業に委託しており、台湾のマクロニクス社からの仕入高が、2020年3月期では総仕入高の78.8%を占める

競合他社

研究開発に注力する半導体ファブレスメーカーの3652株式会社ディジタルメディアプロフェッショナル(2020年3月期売上高1,328百万円)、パチンコ機器向けLSIが主力のファブレスメーカー6730株式会社アクセル(2020年3月期9,265百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社を3社、持分法適用関連会社を1社持つ。 連結子会社は全て国外にあり、東アジアの営業拠点として台湾に2社、北米の営業拠点として米カリフォルニア州に1社ある。

強み・弱み

強みとして、システムLSI製品の競争力の高さが挙げられる。同社は創業来経営資源を研究開発に集中させることにより、競争力の高い技術力を蓄積してきた。次世代のタイミングデバイスであるMEMSタイミグデバイスで高いリーダーシップや、優れた製造技術を有し業界を牽引するSiTimeを傘下に有する事も大きな強みである。また自社工場を持たないため、顧客の要望や製品の性能に合わせて、国内外から最適な生産設備や技術を選択することが可能である。そのため、研究開発段階で生産委託先を選定することができ、高品質な製品の供給を可能にする。懸念点としては、主要顧客の任天堂株式会社が総売上高の9割以上を占めており、任天堂株式会社の受注数の変動による業績影響度の大きさが挙げられる。

KPI

KPIには、研究開発費と特許登録件数の2つが挙げられる。
①研究開発費:2,306百万円(2021年3月期第3四半期)
②特許要録件数:1,342件(2019年3月末)

2019年3月期株主通信

業績

売上高は2016年3月期から2020年3月期の過去5期で約1.2倍に増加。経常利益は約2.0倍に増加。営業CFは2019年3月期を除いてプラスを継続。投資CFはマイナスを継続。財務CFは2016年3月期と2020年3月期を除いてプラス。自己資本比率は2020年3月期で38.8%。前期の28.5%から改善した