6788 日本トリムの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1982年6月株式会社日本トリムとして大阪府にて創業電解水素水整水器の製造販売を開始。1983年5月には電解水素水整水器『トリムイオンTI-100』が厚生省の製造承認を受け、水素水の研究や整水器の製造・販売を続ける。2003年2月東証二部へ上場2004年3月東証一部へ変更

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、代表取締役社長の森澤紳勝氏が43.0%、次いで株式会社日本カストディ銀行(信託口)が9.5%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が4.4%、他にも国内外の信託銀行等の信託口を中心とした株主が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役は3名(社内1名常勤、社外2名)、監査役会設置会社である。常勤監査役の森澤邦雄氏は代表取締役社長の森澤紳勝氏の弟。社外取締役の亀井美登里氏は厚生労働省出身。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の森澤紳勝氏は1944年10月生まれ。東海大学文学部を卒業後、不動産会社や健康関連機器メーカー勤務を経て独立。1982年6月に同社を設立し現職へ就任ん

報告セグメント

同社事業は、「ウォーターヘルスケア事業」「医療関連事業」の2報告セグメントに大別され、2021年第3四半期の連結累計期間(2020年4月1日~2020年12月31日)売上高11,174百万円の構成比はウォーターヘルスケア事業が9,930百万円で88.9%医療関連事業が1,243百万円で11.1%となっている。尚、2020年4月期の有価証券報告書によると、製品別売上高は電解水素水整水器が48.1%、カートリッジが28.0%、その他23.9%である。

事業モデル

ウォーターヘルスケア事業は、電解水素水整水器の製造販売を行う。電解水素水整水器は医薬品医療機器等法に基づき胃腸症状改善への効果・効能が認められている水処理器で、主に家庭やオフィスへの設置を前提とした一般向けが主力であるが、専門分野に特化した医療用・農業用などの法人向け製品も扱う。直販、既存顧客からの紹介、百貨店やスポーツクラブなどの催事販売、電機メーカーへのOEMなどの販売チャネルを持つが、整水器販売事業の約90%が直販
医療関連事業は、電解水透析事業と臍帯血バンク事業で構成される。電解水透析事業は論文や設置効果の訴求により、病院での新規導入が進む。臍帯血バンク事業は連結子会社の株式会社ステムセル研究所が営み、保管総数で98.6%のシェアを占める国内最大の民間臍帯血バンクである。中国では慢性期疾患(糖尿病・血液透析)の病院事業を新規事業として展開しており、香港に議決権比率40%の持分法適用関連会社を有し病院を運営する。
自社拠点での取り組みや、国内外の大学や研究所などとの協力により、水素水に関する多数の研究実績を誇る

競合他社

電解水素水事業を手掛ける上場企業としては6757 OSGコーポレーション(2020年1月期売上高8,359百万円)が挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社9社、非連結子会社4社から構成される。連結子会社は国内7社、海外2社で、国内で電解水素水整水器の製造を担う株式会社トリムエレクトリックマシナリーや、中国に拠点を置き同社製品の輸入販売を行う広州多寧健康科技有限公司などがある。非連結子会社は国内2社、海外2社で、台湾や中国で活動する子会社などを擁する。

強み・弱み

電解水素水整水器で国内トップシェアを持つ点が最大の強み。矢野経済研究所の「2019年度版 浄水器・整水器市場の実態と展望」によれば、整水器市場における同社のシェアは59.2%となっている。一方、製品の品質管理が課題となっており、仮に同社製品に欠陥が発見された場合には多額の損害賠償や大規模リコールのリスクが生じ得る。

KPI

厚労省が月次で公表する薬事工業生産動態統計調査の統計表の添付資料「第7表 医療機器一般的名称別生産・輸入・出荷・月末在庫数量」にある下記の数値が参考となる。
連続式電解水生成器の生産台数 2020年12月分 28,886個 (21年3月15日公表)

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は増減しつつも、15,000百万円前後で推移している。直近の2020年3月期は整水器のカートリッジ販売や医療関連事業が好調で、937百万円の売上増となった。2020年3月期の経常利益は1,007百万円で、前期比1,114百万円の減少となったが、これは中国病院運営事業で持分法による投資損失を計上したことが主な要因。営業CFは恒常的にプラス投資CF、財務CFはマイナスで推移している。