6800 ヨコオの業績について考察してみた

6800 ヨコオの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1922年東京都にてヨコオ製作所創立。1951年株式会社に改組。1957年カーアンテナの生産を開始する。1962年東証二部上場。1979年回路検査機器事業開始。1990年株式会社ヨコオに商号変更。2001年東証一部に変更車載アンテナ の国内大手

同社HP TOP>会社案内>事業内容

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、日本カストディ銀行で保有割合19.95%。日本マスタートラスト信託銀行が9.53%で続き、以降は保有割合5%未満で8334群馬銀行など国内外金融機関、ヨコオ取引先持株会、国内生保、ヨコオ自社株投資会が並ぶ。尚、5%ルール報告書によると、みずほ銀行と共同保有者の持分が9.86%になる模様。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表取締役以外の社内取締役はプロパー入社とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役執行役員社長の徳間孝之氏は1954年6月生まれ。東京理科大理学部卒業直後の経歴は不明、コンサルタント経験を有するもよう。1976年3月同社入社。1995年6月取締役就任。社内要職を歴任後、2007年4月現職に就任した

報告セグメント

「車載通信機器」、「回路検査用コネクタ」、「無線通信機器」の3報告セグメントに大別される。2022年3月第1四半期売上高16,021百万円の構成比は車載通信機器63.6%、回路検査用コネクタ21.2%、無線通信機器15.2%だった。利益構成は各0.1%、63.2%、36.7%。車載通信機器は、海上運賃高騰などにより前年比大幅減益となり、構成比減となった。

2022年3月期第1四半期決算説明資料

事業モデル

同社は各報告セグメントに分類される電子機器の原材料部品を国内外製造子会社に供給し、完成品および部品として仕入れ、同社および販売子会社より顧客に販売を行っている。
海外製造は中国、マレーシア、ベトナム、フィリピン、米国、海外販売は米国6都市、欧州8ヵ国のほかアジア各地に拠点を持つ
車載通信機器は主に自動車市場向けの車載アンテナを製造する。主に中国・ベトナム工場で製造され、海外生産比率は90%を超える。販売先は日系自動車メーカー中心で、海外販売比率は60%を超える。2021年3月期では7203トヨタの北米子会社に対する売上高が同社全体の10%以上を占めた。今後はADAS(先進運転支援システム)や自動運転、コネクティッドカーなど新規分野において事業拡大、付加価値の高い製品の開発に取り組む。
回路検査用コネクタは主に半導体・電子部品検査市場向けに微細精密加工技術を駆使したコンタクトプロープ、および同製品を用いた前工程検査用プロープカード、後工程検査用ソケットを製造する。当セグメントの海外生産比率は70%以上、海外販売比率は80%を超える。5G、IoT、車載、AIといった分野での半導体検査需要は拡大が見込まれ、国内およびマレーシア工場の生産能力向上により対応していく。
無線通信機器はファインコネクタ事業とメディカル・デバイス事業に大別される。ファインコネクタ事業は主に携帯通信端末市場向けに、電子機器の着脱部分に対して簡易に接続可能なスプリングコネクタを製造する。海外生産比率、海外販売比率はともに80%を超え、国内外の多種多様な電子機器メーカーに提供される。スマホの販売は減少傾向にあるが、ウェアラブル端末やPOS端末市場においては今後の成長が見込まれる。メディカル・デバイス事業はOEMガイドワイヤ、カテーテルなどの微細精密部品等を製造する。開発・製造は国内工場で行われ、販売先は国内医療機器メーカーが中心となっており、海外販売比率は10%程度。(海外生産比率、海外販売比率は2020年3月期の数値)

競合他社

自動車用アンテナ専業メーカーの6904原田工業 (2021年3月期売上高34,705百万円)、コネクター大手の6806ヒロセ電機 (同133,538百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社21社および持分法適用関連会社1社。車載通信機器の製造・販売を行う株式会社ヨコオ通信システムや、海外製造子会社5社、海外販売子会社13社などで構成される。

強み・弱み

世界をくまなくカバーする生産・販売網やバネ棒(細いパイプの中にバネを仕込み、両端のピンが伸縮する構造)など独創的な製品を開発する技術力が同社の強み。一方で販売の65%、生産の80%以上を海外が占めるため、為替リスク、地政学リスクを持つ。また販売先の主要市場である自動車業界、半導体検査、携帯端末の規模や動向に同社業績は影響を受けると考えられる。

KPI

①四輪車世界生産台数(2019年9,179万台、一般社団法人日本自動車工業会調べ)
②半導体市場規模(2021年予測世界523,223百万ドル、前年比+19.7%、WSTS調べ)
③世界スマホ生産台数(2021年13億6,000万台、前年比+9%、TrendForce予測)
④為替(米ドル、ユーロ、中国元、マレーシアリンギット、ベトナムドン等)

業績

2016年3月期以降の業績をみると、増収増益基調を継続しているが、コロナ禍の影響を受けた自動車の減産により自動車メーカー向けアンテナ販売が低迷したことから、既に急激に生産回復しているが2021年3月期第1四半期は前年度比減収となった。フリーCFは売上債権が増加した2016年3月期および2018年3月期がマイナス。自己資本比率は有利子負債増加などから低下基調、2019年3月期、2020年3月期と60%下回るも、2021年3月期は改善し63.5%。