7244 市光工業の業績について考察してみた

7244 市光工業の業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1903年6月白光蝋油および信号灯等の専門工場として創業、運輸省へ納入開始。鉄道用照明機器や蒸気機関車の前照灯、ヘッドランプ開発などを経て1939年12月株式会社白光舎設立。1957年11月白光舎工業株式会社に商号変更。1963年7月一般補修部品販売部門を分離独立し、株式会社エバ・エース(現連結子会社のPIAA株式会社)設立。1971年8月東証一部上場。国内各事業所を拡大後、1987年以降は積極的に海外展開も推進し、米国・中国・タイ・マレーシアへも事業拡大。2017年1月、ヴァレオ・バイエン(フランス本社の自動車部品メーカー)による株式公開買付により、同社の連結子会社となった。7201日産自動車、7203トヨタ自動車向け中心の自動車照明大手

同社HP TOP>製品情報

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は、親会社のヴァレオ・バイエンで保有割合61.16%。日本カストディ銀行が5.00%で続き、以降は保有割合5%未満で国内外金融機関、国内信託銀行の信託口、国内生保、ダイハツ工業株式会社などが並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は10名(社内8名、社外2名)、監査役は3名(社内1名社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役のうち5名は親会社からの転籍者、残りはプロパー1名と、ハネウェルジャパン株式会社出身者、現みずほ銀行出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役は3名。取締役会長のオードバディ・アリ氏は1960年11月生まれ。1988年6月ヴァレオ・エレクトリカル・システムズ入社。ヴァレオ・グループの副社長として中国、東アジア等を担当した後、2008年6月同社取締役に就任。2010年10月より代表取締役を務める
取締役社長CEOのヴィラット・クリストフ氏は1972年5月生まれ。1996年にヴァレオクリマシステマ社に入社。同社には2011年8月に執行役員経理本部長として入社。2021年3月より代表取締役を務める
取締役副社長CTOの宮下和之氏は1966年11月生まれ。1990年4月同社に入社。品質保証本部やプロジェクトマネジメント本部等で要職を経験後、2021年3月より代表取締役を務める

報告セグメント

自動車部品と用品の2報告セグメントと、報告セグメントに含まれない自動車用電球製造販売事業等のその他に大別される。2021年12月期第3四半期累計期間の売上高構成は、自動車部品94.1%、用品5.5%、その他0.5%だった。同期間のセグメント利益は95%超を自動車部品が占める。

事業モデル

自動車部品事業としては、主に自動車メーカー向けに自動車用照明製品およびミラー製品等のOEM製造・販売、用品事業においては、アフターマーケット向けを中心に自動車用バルブやワイパー等を製造・販売している。主力販売先はトヨタ自動車(2020年12月期売上高に占める比率37.1%)、日産自動車(同17.1%)等の大手自動車メーカーで、ライト等の主力部品を販売して利益を確保している。ヘッドランプ分野では国内3位であり、自動車ミラーも手掛け、世界で初めて電動格納ドアミラーを開発している。
国内のほか、海外にはマレーシア、インドネシア、タイ、中国に生産拠点を持つ。

競合他社

国内自動車用ライトメーカーでは7276小糸製作所(2021年3期売上高706,376百万円)や、6923スタンレー電気(同359,710百万円)が同社とともに業界大手として挙げられる。世界では同社親会社のヴァレオ社のほか、ドイツのヘラー社とオスラム社、イタリアのオートモーティブ・ライティング社などが高いシェアをもつとみられる。

連結の範囲

アフターマーケット向け自動車用バルブやワイパー等を製造・販売するPIAA株式会社およびPIAA Corp.,USA、主に自動車メーカー向けに自動車用照明製品やミラー製品等を製造・販売する九州市光工業株式会社および美里工業株式会社など、合計10社が連結対象となっている。

強み・弱み

ヘッドランプで国内シェア20%弱、リアコンビネーションランプで30%、サイドミラーで14%程度をもつことが強み。また親会社であるフランス企業との強固なアライアンスによってアジアにとどまらず海外各地での強いネットワークを活かして製品開発、生産、販売が可能なことが挙げられる。
その反面、国内の成長は鈍化しており、今後もビジネス展開を海外へ志向せざるを得ない状況がある。海外市場においては、中国市場での販売拡大において、政治的背景などによる不安要因が懸念材料となっている。また為替変動樹脂原材料の価格高騰もリスク要因となる。

KPI

①日本+ASEAN生産規模、生産台数(2020年1,139億円、2022年予測1,410億円 ※同社はASEANを中長期の成長エンジンと位置付ける)

2021年12月期第2四半期決算説明会資料

②ヘッドランプに占める高付加価値LED比率(2021年12月期見14%、2025年12月期予測45%)

2021年12月期第2四半期決算説明会資料

業績

2017年12月以降の業績を見ると、高付加価値商品の販売が堅調で、アセアンの売上も好調だった2018年12月期売上高140,600百万円を境に中国の景気減速やコロナ禍による自動車生産台数の低下の影響を受け2期連続減収となった。2021年12月期はコロナ禍の反動から増収となっている。営業利益率は4%台を中心に売上が伸びた2018年12月期は6.4%、低迷した2020年12月期は2.1%だった。フリーCFはほとんどの期がプラスだが、直近では短期貸付金が増加した2019年12月期にマイナス。着実な利益の積み増しで自己資本比率は上昇傾向。2021年12月期末は43.3%だった。

関連ありそうな記事