4347 ブロードメディアの業績について考察してみた

4347 ブロードメディアの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q3 2023.12 3,459 292 8.44%
FY2024.Q4 2024.03 3,859 25 0.65%
FY2025.Q1 2024.06 4,197 226 5.38%
FY2025.Q2 2024.09 3,674 43 1.17%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 2,692 47 1.75%
FY2018.Q1 2017.06 2,657 26 0.98%
FY2018.Q2 2017.09 2,502 -28 -1.12%
FY2018.Q3 2017.12 2,846 74 2.6%
FY2018.Q4 2018.03 2,795 16 0.57%
FY2019.Q1 2018.06 2,764 -30 -1.09%
FY2019.Q2 2018.09 2,745 -67 -2.44%
FY2019.Q3 2018.12 2,792 128 4.58%
FY2019.Q4 2019.03 2,822 136 4.82%
FY2020.Q1 2019.06 2,803 139 4.96%
FY2020.Q2 2019.09 2,688 35 1.3%
FY2020.Q3 2019.12 2,942 202 6.87%
FY2020.Q4 2020.03 3,073 129 4.2%
FY2021.Q1 2020.06 2,705 129 4.77%
FY2021.Q2 2020.09 2,599 13 0.5%
FY2021.Q3 2020.12 2,754 142 5.16%
FY2021.Q4 2021.03 2,933 194 6.61%
FY2022.Q1 2021.06 3,024 186 6.15%
FY2022.Q2 2021.09 2,943 133 4.52%
FY2022.Q3 2021.12 3,203 318 9.93%
FY2022.Q4 2022.03 3,169 239 7.54%
FY2023.Q1 2022.06 3,203 289 9.02%
FY2023.Q2 2022.09 3,120 176 5.64%
FY2023.Q3 2022.12 3,330 309 9.28%
FY2023.Q4 2023.03 3,370 262 7.77%
FY2024.Q1 2023.06 3,556 360 10.12%
FY2024.Q2 2023.09 3,305 192 5.81%
FY2024.Q3 2023.12 3,459 292 8.44%
FY2024.Q4 2024.03 3,859 25 0.65%
FY2025.Q1 2024.06 4,197 226 5.38%
FY2025.Q2 2024.09 3,674 43 1.17%

沿革

1996年9月一般放送事業を行うため、スカイインターナショナル企画株式会社を東京都中央区に設立。1998年11月CS放送会員サービスを行うにあたり、株式会社デジタルクラブに商号変更。2001年ラクビット株式会社に商号変更。2002年3月大阪証券取引所ナスダック・ジャパン市場(現:東京証券取引所 JASDAQスタンダード)に上場。2007年10月ブロードメディア株式会社に商号変更。2020年4月に通信制単位制高校の運営を行うルネサンスアカデミー株式会社、外国映画および外国テレビの放映権の販売、日本語版製作(字幕、吹替)などを手掛けるブロードメディア・スタジオ株式会社、各種配信サービスとしてメディア企業向けに大容量ファイル高速配信サービス等を提供しているブロードメディア・テクノロジーズ株式会社など6社を吸収合併。

株主構成

有価証券報告書によると2001年3月末時点で5%以上保有する株主はおらず、筆頭株主は、個人株主の藤田浩介氏が1.75%。第2位は株式会社SBI証券が1.61%。続いて個人株主の坂本誠氏が1.45%保有。そのほかに代表取締役社長橋本太郎氏や松井証券株式会社、ブロードメディア役員持株会等が並ぶ。

取締役会

取締役は6名(社内5名、社外1名)、監査役は4名(全員社外、1名は常勤)、監査役会設置会社である。社内取締役はいずれも中途でソフトバンクグループ株式会社、株式会社スカパー・ブロードキャスティング、パナソニックモバイルコミュニケーションズ株式会社、株式会社オープンループなど各位様々な経歴である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の橋本太郎氏は1958年6月生まれ。慶応義塾大学経済学部を卒業後、1982年野村証券株式会社を経て1996年財務経理部企業投資室長として、ソフトバンクグループ株式会社に入社。1997年JスカイB取締役、1998年スカパーJSAT株式会社常務取締役を歴任。2000年3月にブロードメディア代表取締役に就任している。

報告セグメント

「教育事業」、「スタジオ・コンテンツ事業」、「放送事業」、「技術」の4報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高3,024百万円の構成比は、、教育事業25%、スタジオ・コンテンツ22%、放送事業22%、技術事業31%、となっている。

2020年度 決算概況

事業モデル

卓越した配信技術と顧客獲得能力を持った有力なコンテンツ事業者となるべく、4つの事業に注力する
教育セグメントでは2つの事業を展開している。1つ目はインターネットとデジタル教材を活用した広域通信制・単位制のルネサンス高校グループ3校の運営を行う。海外留学・大学受験の勉強に特化したWスクールコースや日本初のeスポーツコースなど多彩なコースを揃えている。もう1つが外国人向け日本語教育の「日本語センター」の企画・運営。内容としては外国人に日本語を教えるための日本語教師の養成や、「日本語は日本語で」を基本理念とした独自メゾットで外国人社員向けの日本語研修などを行う。
スタジオ・コンテンツセグメントでは世界中の映画やアニメなど、映像作品の権利をオールライツで買い付けており、国内でDVDやBlu-rayの販売を手掛ける。それらに関する字幕や吹替など映像音声製作も行う。また、新作映画やアニメなどの動画配信サービスや、話題作の原作コミックを楽しめる電子コミックサービス、最新のトレンドやライフスタイルなどに関する女性向けの情報を発信するサイトなどを運営している。
放送セグメントでは日本で唯一の釣り専門チャンネル「釣りビジョン」「BS釣りビジョン」の放送、製作、番組販売を行う。他に釣り専門動画配信サービス「釣りビジョンVOD」を提供している。
技術セグメントではWebページや動画など大容量ファイルを、高速かつ安定して配信するための仕組みを導入したCDNサービスや、堅牢なセキュリティサービスの他、映画館に設置された受信サーバーに直接大容量のデータを安全に配信できるデジタルシネマ向け配信サービスなど高度な配信技術を開発し、事業パートナーへの技術提供などを行っている。

2020年度 決算概況

競合他社

2329株式会社東北新社株式会社(2021年3月期売上52,874百万円)や9413株式会社テレビ東京ホールディングス(2021年3月期139,084百万円)など主に番組制作や動画配信サービス分野に注力している企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

釣りビジョン株式会社、フィンランドに拠点を構えるOy Gamecluster Ltdの2社が連結子会社に該当する。釣りビジョン株式会社はBSデジタル衛星放送、CSデジタル衛星放送、ケーブルテレビ局における「釣りビジョン」の放送・配信・番組制作及び販売を行う。持分法適用の関連会社はガラポン株式会社、中国に拠点を構える湖南快楽垂釣発展有限公司の2社がある。ガラポン株式会社は全テレビ番組録画機の企画・製造・販売。および、テレビ番組ソーシャルサービスの運営を手掛ける。

強み・弱み

4つのセグメントで培ったノウハウを掛け合わせることにより、強力な配信基盤で、創造力が生み出す高品質なコンテンツを安定的に配信する技術を有することが強みとなる。デジタルコンテンツを提供するサービス市場は拡大が続いており今後も成長していくことが予想される。懸念点として、Youtubeなど一部の動画共有サービスへの集客が集中する傾向にあることから、映像サービスの視聴者数の減少、有料コンテンツ配信事業の市場規模が予想通りに成長しない可能性などのリスクが挙げられる。

KPI

中期的な経営戦略としてコンテンツサービスの継続的な成長を目指すことを掲げている。成長の観点から各セグメントの売上高の伸び率はKPIとなりうる。以下全て2022年3月期第一四半期の数値を示す。
①教育セグメント 売上高: 749百万円 (前年同期比24.3%増加)
②スタジオ・コンテンツセグメント 売上高:669百万円(前年同期比1.4%減少)
③放送セグメント 売上高:649百万円(前年同期比3.8%増加)
④技術セグメント 売上高:955百万円(前年同期比19.9%増加)

業績

2017年3月期から2020年3月期までの4期間は売上高、利益率共に安定的に成長していた。ところが、2021年3月期は新型コロナウイルスの影響で海外映画やドラマ作品の制作延期が続いていることによる受注の減少などを理由に減収減益となった。2021年3月期までの5期間で見ると売上高は5.5%の微増、経常利益は2018年3月期に81百万円で黒字転換し、直近は476百万円であった。営業CFおよびFCFは2018年3月期を除きプラスで投資CFは4期連続マイナス。自己資本比率は39.3%、5年連続増加。

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