6070 キャリアリンクの業績について考察してみた

6070 キャリアリンクの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q2 2023.09 10,825 310 2.86%
FY2024.Q3 2023.12 10,561 1,005 9.52%
FY2024.Q4 2024.03 10,995 1,138 10.35%
FY2025.Q1 2024.06 10,201 826 8.1%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.02 4,437 252 5.68%
FY2018.Q1 2017.05 4,449 200 4.5%
FY2018.Q2 2017.08 4,269 135 3.16%
FY2018.Q3 2017.11 4,065 123 3.03%
FY2018.Q4 2018.02 3,991 93 2.33%
FY2019.Q1 2018.05 4,445 23 0.52%
FY2019.Q2 2018.08 4,692 -9 -0.19%
FY2019.Q3 2018.11 4,685 27 0.58%
FY2019.Q4 2019.02 4,802 146 3.04%
FY2020.Q1 2019.05 5,045 177 3.51%
FY2020.Q2 2019.08 5,341 170 3.18%
FY2020.Q3 2019.11 5,382 223 4.14%
FY2020.Q4 2020.02 5,335 122 2.29%
FY2021.Q1 2020.05 6,436 526 8.17%
FY2021.Q2 2020.08 7,526 775 10.3%
FY2021.Q3 2020.11 8,092 960 11.86%
FY2021.Q4 2021.02 8,222 468 5.69%
FY2022.Q1 2021.05 7,709 739 9.59%
FY2022.Q2 2021.08 8,530 667 7.82%
FY2022.Q3 2021.11 8,965 806 8.99%
FY2022.Q4 2022.03 17,896 2,211 12.35%
FY2023.Q1 2022.06 10,601 1,070 10.09%
FY2023.Q2 2022.09 11,424 1,559 13.65%
FY2023.Q3 2022.12 15,200 2,896 19.05%
FY2023.Q4 2023.03 15,311 2,084 13.61%
FY2024.Q1 2023.06 11,410 826 7.24%
FY2024.Q2 2023.09 10,825 310 2.86%
FY2024.Q3 2023.12 10,561 1,005 9.52%
FY2024.Q4 2024.03 10,995 1,138 10.35%
FY2025.Q1 2024.06 10,201 826 8.1%

沿革

1996年10月一般労働者派遣事業の展開を目的に、消費者金融事業を行うシンキ株式会社の子会社としてキャリアリンク株式会社が東京都に設立された。その後2012年11月に東証マザーズ上場、2013年8月東証二部、2015年1月東証一部へ変更 。

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月時点の筆頭株主は、スマートキャピタル株式会社で、保有割合としては43.3%である。スマートキャピタル社は投資分析や、経営コンサル業を営むベンチャーキャピタルである。次いで、2020年7月をもって退任した元代表取締役会長の近藤裕彦氏が3.15%、キャリアリンク従業員持株会1.73%、取締役の森村夏実氏が1.20%、その他に信託銀行等の信託口が並ぶ。

取締役会

取締役は10名(社内7名、社外3名)、社外3名は全員が監査等委員、監査等委員会設置会社。社内取締役は、常務取締役の島健一氏と森村夏実氏がプロパー出身者、不二サッシ工業株式会社(現 不二サッシ株式会社)に出身者が2名、銀行での経歴を持つ取締役が2名。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の成澤素明氏は1975年2月生まれ。1998年に青山学院大学を卒業後エーシーイー・インターナショナル株式会社へ入社。2000年6月キャリアリンクへ入社。2010年5月取締役を経て、2013年5月から現職へ就任。

報告セグメント

「事務系人材サービス事業」、「製造系人材サービス事業」、「営業系人材サービス事業」の3報告セグメントに大別され、それらに含まれないものを「その他」としている。2021年2月期第3四半期の売上高21,845百万円の構成比は事務系人材サービス事業84.8%、製造系人材サービス事業10.7%、営業系人材サービス事業4.5%である。同期の営業利益2,261百万円は95.8%を事務系人材サービス事業のセグメント利益が占める。

2021年2月期 第2四半期決算説明

事業モデル

事務系人材サービス事業は、BPO関連事業、CRM関連事業、一般事務事業の3部門からなる。BPO関連事業者向けへの人材派遣が中心で、近年は官公庁向けにマイナンバーやコロナ関連の持続化給付金手続きに特化して直接人材派遣や業務請負も行う。リーダーを含むチーム派遣を行うことで、派遣先での生産性向上や顧客のコスト削減を図る。就業スタッフ1,000名を超える大型案件も、受注から業務開始までを約1か月で手配できることが特徴。CRM関連事業部門ではテレマーケティング事業者が請け負ったテレマーケティング業務やそれ以外の企業等のコンタクトセンターへの人材派遣、人材紹介を行い、同部門もチーム派遣が中心。
製造系人材サービス事業では食品加工に関わる業務や、製造加工に関わる業務への人材派遣、人材紹介や請負を行う。
営業系人材サービス事業は、フィールドワークによる営業や販売促進活動、量販店等での販売支援業務への人材派遣、人材紹介や請負を行う。
顧客の官公庁では、コロナ禍を背景に持続化給付金関連業務や菅政権の注力するデジタル省庁設立に向けた人材派遣需要が急拡大している

競合他社

人材派遣業では、2168パソナや、2181パーソルホールディングスが大手の競合他社として挙げられる。どちらの会社もキャリアリンクを売上規模で10倍ほど上回る水準であるが、官公庁向けやBPO関連での派遣業者としてはキャリアリンクの知名度が高い官公庁向けやBPO関連に強みをもつ派遣業者。

連結の範囲

キャリアリンクファクトリー株式会社、株式会社ジャパン・ビジネス・サービス、東京自動車管理株式会社の3社が連結子会社に該当する。キャリアリンクファクトリーは製造系人材派遣サービス事業をメインに営む。ジャパン・ビジネス・サービス社はキャリアリンク周辺のコンサル業務等を営む。東京自動車管理株式会社はジャパン・ビジネス・サービスの子会社で自動車管理事業を営む。

強み・弱み

官公庁関連のBPOに豊富な実績を有することが強み。一方で、それ以外の派遣では競合他社に対する優位性に乏しく、業績が官公庁からの需要に左右されることが弱み

KPI

同社HP「キャリステ」上で派遣従事希望者による仕事検索が可能。掲載される各案件の募集規模は不明だが、案件数は参考となる。
①政権の政策に伴う官公庁のBPO動向
「キャリステ」上の案件数

業績

大型案件への対応が可能なことを特徴としており、それらの増減により短期的に業績が左右されることがある。均して見れば徐々に売上規模を拡大し、利益水準も高まっていたが、民間企業向けの大型BPO案件の縮小のあった2018年2月期以降、営業利益の水準は回復していない。営業CFは増減も大きく投資CFは金額は大きくないが恒常的にマイナスである。自己資本比率は50%前後での推移。

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