7177 GMOフィナンシャルホールディングスの業績について考察してみた

7177 GMOフィナンシャルホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 13,671 3,775 27.61%
FY2023.Q2 2023.06 13,341 4,154 31.14%
FY2023.Q3 2023.09 11,307 2,823 24.97%
FY2023.Q4 2023.12 13,113 3,699 28.21%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 5,580 1,301 23.32%
FY2017.Q2 2017.06 6,871 2,435 35.44%
FY2017.Q3 2017.09 6,959 2,390 34.34%
FY2017.Q4 2017.12 7,827 2,637 33.69%
FY2018.Q1 2018.03 8,346 2,586 30.98%
FY2018.Q2 2018.06 9,007 3,275 36.36%
FY2018.Q3 2018.09 8,883 3,407 38.35%
FY2018.Q4 2018.12 8,551 2,544 29.75%
FY2019.Q1 2019.03 6,905 1,348 19.52%
FY2019.Q2 2019.06 8,966 2,936 32.75%
FY2019.Q3 2019.09 9,048 3,345 36.97%
FY2019.Q4 2019.12 7,582 2,133 28.13%
FY2020.Q1 2020.03 10,365 4,048 39.05%
FY2020.Q2 2020.06 9,699 3,815 39.33%
FY2020.Q3 2020.09 7,874 2,339 29.71%
FY2020.Q4 2020.12 8,050 2,066 25.66%
FY2021.Q1 2021.03 13,216 6,059 45.85%
FY2021.Q2 2021.06 10,683 3,489 32.66%
FY2021.Q3 2021.09 9,175 2,899 31.6%
FY2021.Q4 2021.12 12,850 2,949 22.95%
FY2022.Q1 2022.03 11,823 3,393 28.7%
FY2022.Q2 2022.06 11,347 2,904 25.59%
FY2022.Q3 2022.09 10,525 2,082 19.78%
FY2022.Q4 2022.12 12,838 771 6.01%
FY2023.Q1 2023.03 13,671 3,775 27.61%
FY2023.Q2 2023.06 13,341 4,154 31.14%
FY2023.Q3 2023.09 11,307 2,823 24.97%
FY2023.Q4 2023.12 13,113 3,699 28.21%

沿革

2012年1月にGMOクリック証券株式会社の単独株式移転により、GMOクリックホールディングス株式会社を設立。GMOクリック証券株式会社より2014年1月に海外金融商品取引業者向けASP事業、同年10月にシステム開発、運用及び保守に関する事業を承継。2015年4月に東証マザーズに上場。2017年10月にGMOフィナンシャルホールディングス株式会社に商号変更。本社は東京都渋谷区。GMOインターネット株式会社を中核とした企業グループの中で、インターネット金融事業のうち暗号資産(旧:仮想通貨)事業を担う

株主構成

2022年1月5日付のコーポレート・ガバナンスに関する報告書によると、2021年9月30日時点の筆頭株主はGMOインターネット株式会社で65.4% 、次いで8601大和証券グループ本社が5.5%、その他は保有割合5%未満で取締役兼代表執行役会長CTO兼CQOの高島秀行氏、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口、個人投資家の高橋慧氏、上田八木短資株式会社、楽天証券株式会社と続く。その他には国内外の金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、うち社外3名が監査委員も務め、監査委員会設置会社である。社内取締役にはプロパーはいない。取締役兼常務執行役CFOの山本樹氏と取締役の安田昌史氏は公認会計士資格を保有し、9449GMOインターネットを経て同社に入社。その他にも5332TOTO日本アイ・ビー・エム株式会社等、様々な経歴を持つ取締役が揃う。

代表取締役の経歴

取締役兼代表執行役会長CTO兼CQOの高島秀行氏は1968年7月生まれ。鳥取大学工学部を卒業後、1993年4月にみずほ証券株式会社に入社。インフォテック株式会社やアクセンチュア株式会社、内藤証券株式会社等を経て、2005年6月にGMOクリック証券株式会社に入社し、同年10月に代表取締役社長に就任。2012年1月に同社の取締役兼代表執行役社長、2017年6月に取締役兼代表執行役会長グループCTO兼CQOを経て、2020年3月に現職に就任した。
取締役兼代表執行役社長CEOの鬼頭弘泰氏は1967年7月生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1992年4月に株式会社三菱UFJ銀行に入社。株式会社SMBCモビット、NHNテコラス株式会社を経て、2008年11月にGMOクリック証券株式会社に入社し、2012年11月に代表取締役社長に就任。2014年6月に同社の取締役兼代表執行役社長を経て、2018年5月に現職に就任した。

報告セグメント

「証券・FX事業」、「暗号資産事業」の2セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業セグメントとしてシステム関連事業等を含む「その他」がある。2021年12月期第3四半期の営業収益は33,074百万円で、証券・FX事業が22,029百万円で66.6%、暗号資産事業が10,620百万円で32.1%、その他が424百万円で1.3%を占める。
セグメント利益の8割以上を証券・FX事業が創出 する。利益率は証券・FX事業が30%台前半、暗号資産事業が20%台から30%台前半を推移する。

事業モデル

証券・FX事業では、インターネット上で株式や投資信託、FX、CFD等の金融商品を取引するプラットフォームを運営する。連結子会社を通してGMOクリック証券やFXプライムbyGMO等を展開する。GMOクリック証券では店頭FX取引高が9年連続国内トップを誇り、2020年は世界トップを記録。海外では、香港やロンドン、バンコクに拠点を置く。2020年12月期には、3年前から進出したタイ大国での信用取引残高シェアが国内3位にまで成長し、通期黒字化を達成した。今後は店頭FXを中心にビッグデータを活用したポジション管理やBtoB取引の高度化を目指す。CFDでは更なる認知度向上に向けてプロモーションを強化する。また2021年9月には、外貨ex byGMOを連結子会社化。店頭FXの高収益化と更なる取引高シェア拡大を狙う。 暗号資産事業では、インターネット上でビットコインやイーサリアムを始めとした暗号資産を取引するプラットフォームを提供する。連結子会社のGMOコインでは、積極的に広告宣伝を行い、顧客預かり資産や口座数といった顧客基盤が拡大傾向にある。自社の暗号資産であるGMOコインは2021年7月時点で国内シェア29.7%と高水準を保つ。今後は取扱銘柄の拡充や法人口座・API取引の拡大を目指し、国内取引高シェアと収益の拡大を図る。
20201年8月よりNFT事業参入を目的に、「Adam byGMO」の提供を開始。アートや漫画、音楽、スポーツ等が提供ジャンルに含まれ、アーティストやコンテンツホルダーとファンをつなぐプラットフォームを構築する。

競合他社

証券口座数国内トップでネット総合金融業を展開する8473SBIホールディングス (2021年3月期収益541,145百万円)、 国内外で事業展開するネット証券大手8698マネックスグループ (同営業収益77,905百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社10社を持つ。証券・FX事業を担うGMOクリック証券株式会社と暗号資産事業を担うGMOコイン株式会社は、連結営業収益に占める営業収益の割合がそれぞれ10%を超える。

強み・弱み

強みとしてシステム開発力の高さが挙げられる。同社では前身のGMOクリック証券設立以来16年に渡り、金融取引システムの企画・開発から運用まで自社で一貫して対応。積極的にエンジニア採用を行い、顧客ニーズに迅速に対応できるシステム構築体制を整備する。システムを一貫して自社開発することで、コストを大幅に削減。国内最安値のFX取引手数料を実現する。
懸念点としては、自己資本規制比率の低下による財務状況の悪化リスクが挙げられる。

KPI

KPIには店頭FXの①取引高シェア、②預り証拠金残高、CFDの③口座数、④預り証拠金残高、株式の⑤売買代金シェア、暗号資産の⑥口座数、⑦預り資産残高シェアが挙げられる
・店頭FX
①取引高シェア(2020年12月期):24.3%
②預り証拠金残高(同):2,255億円
・CFD
③口座数(同):14.7万口座
④預り証拠金残高(同):453億円
・株式
⑤売買代金シェア(同):3.5%
・暗号資産
⑥口座数(同):34.1万口座
⑦預り資産残高(同):639億円

2020年12月期 決算説明資料

業績

決算月が12月に変更となった2017年12月期以降、営業収益は2020年12月期にかけて+66.1%に増益。2019年12月期は相場急変による収益低下や外国為替市場でのボラティリティ低下による取引高減少が影響し、前期比▲6.6%となった。2020年12月期は積極的なスプレッド縮小策による店頭FXの国内取引高の向上や、CFDのプロモーション強化による取引拡大を背景に前期比+10.7%の増益となった。経常利益は2017年12月期から2020年12月期にかけて+60.6%に増益。2020年12月期は、暗号資産事業において収益性の高い銘柄の取引が伸び、前期比+25.7%の増益となった。フリーCFは2019年12月期以降マイナスを継続。2020年12月期は預託金増加や利用者暗号資産の増加に伴い、営業CFの支出が増加した。自己資本比率は5~6%台を推移する

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