3236 プロパストの業績について考察してみた

3236 プロパストの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1987年12月東京都多摩市に個人向け不動産の管理を目的として、株式会社フォレスト・アイを設立。1991年1月株式会社プロパストに商号変更。同年4月不動産の仲介・コンサルティング・不動産鑑定等を開始。2006年12月ジャスダック証券取引所に上場、証券市場統合等経て現在は東証JASDAQ(スタンダード)に上場。企画力・デザイン力を活かした分譲マンションを企画開発・販売するほか、賃貸開発、中古収益物件のバリューアップによる投資家への売却事業などを営む

株主構成

有価証券報告書によると2021年5月末時点の筆頭株主は、同社と資本業務提携している株式会社シノケングループが35.74%を保有。次いで、楽天証券株式会社1.21%、株式会社十きち不動産1.20%を保有するほか、個人投資家なども見られる。

取締役会

取締役は8名(社内3名、社外5名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役である専務取締役統括本部長の都倉茂氏は株式会社熊谷組の出身者、常務取締役管理本部長兼経営企画部長の矢野義晃氏は東洋信託銀行株式会社(現三菱UFJ信託銀行株式会社)の出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の津江真行氏は1957年5月生まれ。1982年4月に東洋信託銀行株式会社(現三菱UFJ信託銀行株式会社)へ入行。2004年2月に同社へ入社し、取締役総務部長へ就任。2009年2月に現職へ就任。

報告セグメント

「分譲開発事業」、「賃貸開発事業」、「バリューアップ事業」の2報告セグメントに大別される。2021年5月期の売上高18,886百万円の構成比は、分譲開発事業4.8%、賃貸開発事業72.9%、バリューアップ事業22.3%である。セグメント利益は、分譲開発事業42百万円、賃貸開発事業2,253百万円、バリューアップ事業471百万円であり、営業利益は1,714百万円であった。

事業モデル

分譲開発事業は、首都圏エリアを中心に同社の企画力・デザイン力を活かした分譲マンションを開発し、主に単身者やDINKSを対象とした魅力あるマンションを販売している。企画やデザインについては、当該物件の土地の特性や地域性及び周辺環境とのバランスを考慮して、プロジェクト毎に独立したコンセプトによる空間デザインを創り出している。ネーミングに関しても、それぞれのコンセプトに相応しい個別のネーミングを行っている。また、同事業には専有卸のスキームで引受けた上で、実需に基づいて分譲販売するケースも含まれている。
賃貸開発事業は、首都圏エリアを中心の立地で、かつ、最寄駅から徒歩10分圏内のマンション用地の取得を目指す。小規模(20戸以下)な中低層物件に同社のデザイン力を活かしたローコスト&ハイセンスな賃貸マンションを建築し、個人投資家層を対象に売却を行う。小規模かつ中低層物件に特化することで、物件取得時以降の外部環境の変化や建築費用の上昇等の変動要因の影響を抑制。竣工した物件については、一時的には自社で保有するものの、その後は外部環境を勘案しながら、売却時期を検討する。
バリューアップ事業は、首都圏エリアを中心に3億円から5億円程度の中古の収益レジデンス等を購入し、バリューアップを実施することにより付加価値を高めた上で、個人投資家及び海外投資家を対象に売却を実施。少額のバリューアップで効果的に付加価値を高めることで、短期間での売却及び資金回収を図っている。
新型コロナウイルス感染拡大により、宿泊業や飲食業のテナントを有する商業ビル等においてインバウンドの減少や外出自粛といった影響が見込まれており、稼働率や賃料収入が低下する状況が継続することが懸念されている。一方で、首都圏における新築分譲マンション発売戸数は2021年5月が前年同月比556.0%増となった他、在庫についても2020年11月以来の6,000戸台まで圧縮が進む等、首都圏エリアに対する住宅需要は堅調さを示しているという。同社は、これまでと同様に首都圏エリアにおける駅近等の利便性の高いレジデンス物件を中心に仕入れを行い、分譲開発物件についてはDINKS層を主たる顧客ターゲットとして捉えると共に、賃貸開発物件やバリューアップ物件については富裕者層やファンドを主たる顧客ターゲットとして事業展開を図る方針との事。

競合他社

8871ゴールドクレスト(直近決算期売上高288億円)、8897タカラレーベン(直近決算期売上高1,483億円)など、不動産業を営む企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

下図で説明される独自のコンピテンシー(競合優位性)を備えている点を強みとしている。具体的な説明はなされていないが、賃貸開発事業やバリューアップ事業において、仕入れた不動産を個人投資家やファンドに売却する販路を有しているとみられる点も評価できる。経済状況の悪化に伴う地価の下落や需要の低下及び金利水準の変動等が、同社の業績に影響を及ぼす可能性があることが弱み。

同社HP ホーム> プロパストの強み

KPI

以下の指標等がKPIと考えられる。
①販売実績
②契約実績
③契約残高
④不動産市況
⑤金利
⑥地価

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は14,874百万円から2020年5月期の23,678百万円まで増収基調にあったが、2021年5月期は18,886百万円と減収した。経常利益は801百万円から1,299百万円と、5期連続で増益。直近期は減収ながら増益できたのは、賃貸開発事業の収益性向上や、物件取得の一部抑制などにより金融コストが抑えられたことなどが要因とみられる。営業CF、投資CFは期によってばらつきがあるが、過去5期を合計するとフリーCFはマイナス。直近期の自己資本比率は25.5%。