3482 ロードスターキャピタルの業績について考察してみた

3482 ロードスターキャピタルの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2012年2月東京都にてロードスターキャピタル株式会社が設立され、宅地建物取引事業および不動産コンサルティング事業を開始。その後、コーポレートファンディング、クラウドファンディング事業など不動産に特化した金融ファンドを展開。一口1万円という少額で不動産投資ができる、不動産投資クラウドファンディングプラットフォーム「Ownersbook(オーナーズブック)」が、個人投資家の間で話題となり会員数が増加。2017年9月東証マザーズ上場。東京都内の中規模オフィスビルの取得と売却による不動産投資業を中心に、個人向けの不動産クラウドファンディング等も展開する総合不動産コンサルティング事業者

株主構成

有価証券報告書によると2020年6月末日時点の筆頭株主は、代表取締役社長の岩野達志氏が20.55%、次いで元代表取締役副社長 の森田泰弘氏が17.26%、RENREN LIANHE HOLDINGS(人人网:中国北京のテック企業)が15.54%、個人投資家の藤岡義久氏が10.31%、元取締役管理本部長の佐藤由紀子氏が4.61%、そして同社取締役の久保直之氏(1.71%)と成田洋氏(1.51%)。現在や過去の取締役による保有比率が高い

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役運用本部長の貝塚浩康氏は、米国ワシントン州立大学院(経営修士課程)卒業後、カナダロイヤル銀行を経て、1999年3月にゴールドマン・サックス・リアルティ・ジャパンへ入社、アセットマネジメント部門の設立後は不動産運用部長に就任し、日本における不動産投資業界をリードしてきた人物である。2017年12月当社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の岩野達志氏は、1973年5月生まれの兵庫県出身。小学校1年~3年生までをアメリカで過ごす。開成高校を経て、東京大学農学部卒業後は一般財団法人日本不動産研究所へ入社。2000年4月ゴールドマン・サックス・リアリティ・ジャパン、2004年8月ロックポイントマネジメントジャパンLLCを経て、2012年3月に同社を設立し現在に至る。

報告セグメント

「コーポレートファンディング事業(不動産投資)」、「コーポレートファンディング事業(不動産賃貸)」、「クラウドファンディング事業」、「アセットマネジメント事業」の4報告セグメントに大別され、直近2020年12月期では、売上高16,979百万円の85.8%がコーポレートファンディング事業(不動産投資)、11.7%がコーポレートファンディング事業(不動産賃貸)、2%がクラウドファンディング事業、0.4%がアセットマネジメント事業にて計上されている。

事業モデル

コーポレートファンディング事業では、東京23区内でオフィスビルを中心に複合ビル、マンション等を購入し、徹底した管理運営のもとで不動産価値を上げたうえで計画的に物件を売却。投資対象は数億円から30億円程度までの、テナント不在の管理が足りない物件や権利関係が複雑で割安なプライスで出回っている物件。投資で取得した物件の一部はマーケットの状況に応じて賃貸運用で保有を継続することもある。仕入れ及び資金調達にはメガバンクを中心に安定した取引が確保されているもよう
クラウドファンディング事業では、インターネット上で一口1万円という少額から投資が可能な「不動産特化型クラウドファンディングサービス(Owners Book)」を個人投資家向けに提供。これまで全案件で満額募集完了しており、投資資金獲得の高い実績を有する。2019年12月期より海外展開も開始。
投資不動産の管理・運用を顧客に代わり行うアセットマネジメント事業など、不動産取引に関する事業を多岐に渡り展開。魅力ある東京の不動産マーケットへの投資ニーズを有する海外投資家を開拓し、アセットマネジメント事業を展開するべく、受託資産残高の積み上げに注力。
投資対象の東京23区内、特に都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)は、新型コロナウィルスの影響によりオフィスビルの空室率が4.49%と物件の収益率低下が懸念されるが、坪あたり平均賃料は0.93%上昇しており、コロナ終息後には余剰資金が不動産マーケットに流れ込むことが期待されている。

競合他社

コーポレートファンディング(不動産投資)事業ならびに、クラウドファンディング事業の両方を手掛ける事業者としては「3464プロパティエージェント(2020年3月期売上高22,674百万円)。1棟単位での再生販売では2982ADワークス(2020年12月期売上高16,840百万円)、1戸単位での中古マンション再生販売では8940インテリックスや2975スター・マイカ・ホールディングスなどが競合として挙げられる。そのほかにも、不動産投資事業を中心とした事業者は複数存在する。

連結の範囲

ロードスターインベストメンツ株式会社、ロードスターファンディング株式会社の2社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

中規模オフィスビルは、規模に対し管理コストが高く大手不動産投資会社は敬遠する傾向があり、個人で直接投資するには金額が大きいため、競合が少なく流動性も高い。仕入れの目利きとバリューアップのノウハウが同社の強み。また、個人向けの不動産クラウドファンディング事業は5年の運用実績を有すことも強み。
一方で、東京23区内のオフィスビル空室率が高まっており、物件の収益性・投資の魅力が低下が業績に与える影響が懸念される。

KPI

年間投資額の推移、クラウドファンディング事業(オーナーズブック)の投資家会員数がKPIになると考えられる。
年間投資額 2020年12月期:17,656百万円 前期比+10.3%
オーナーズブック会員数2020年12月期末:24,047人 前期末比+5.0%

業績

売上高、利益ともに2017年の上場来、右肩上がりの安定的な成長を継続しており、直近2020年12月期も連結売上高16,979百万円(前期比+12%)、当期純利益2,700百万円(前期比+30%)と増収増益。業績拡大中のため、販売用不動産取得にあたっての支出増加が先立ち、営業CFは恒常的にマイナス、借入の活用により財務CFは恒常的にプラス。投資CFはごくわずかにマイナスを継続。自己資本比率は15.0%