6928 エノモトの業績について考察してみた

6928 エノモトの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

1967年4月精密金型の製作及び当該金型による電子部品等のプレス部品加工業を目的として、神奈川に株式会社榎本製作所を設立。1990年7月株式会社榎本製作所より株式会社エノモトに商号を変更。1990年11月日本証券業協会に店頭登録。1995年にはフィリピンに子会社を設立し、その後も香港、中国広東省に展開。2004年12月日本証券業協会への店頭登録を取消し、ジャスダックに上場。2010年4月ジャスダックと大証の合併に伴い、大証JASDAQに上場。2013年7月東証と大証の統合に伴い、東証JASDAQ(スタンダード)に上場、2017年12月東証二部へ、2018年11月東証一部に変更。半導体やLED用のリードフレーム、コネクタ部品などを手掛ける

株主構成

有価証券報告書によると2021年9月末時点の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)が10.01%、有限会社エノモト興産が9.25%、有限会社エムエヌ企画が6.17%を保有。以下5%未満の保有で、信託銀行の信託口や取締役の櫻井宣男氏などが並ぶ。

取締役会

取締役は8名(社内4名、社外4名)、そのうち社外4名は全員監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名はいずれもプロパー。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の武内延公氏は1956年1月生まれ。芝浦工業大学を卒業後、同社に入社。リードフレーム事業部営業部長やESP事業部長などを経て、2007年6月に取締役へ就任。2014年6月に現職へ就任。海外子会社2社の役員も兼任している。

報告セグメント

「プレス加工品関連事業」の単一セグメント。2022年3月期第3四半期の売上高は20,707百万円、営業利益は1,635百万円であった。

事業モデル

プレス加工品関連事業は、製品・サービスごとに「IC・トランジスタ用リードフレーム」、「オプト用リードフレーム」、「コネクタ用部品」に大別される。
「ICトランジスタ用リードフレーム」は、ICトランジスタ用リードフレームと、それらの製造に使用する精密金型・周辺機器の製造及び販売を行う。IC・トランジスタは、民生用機器・産業用機器・自動車部品などの広く使用される部品であり、同社グループは金属材を精密加工し、各種部品メーカーに販売する。具体的には、パワー半導体、小信号デバイス向けリードフレームやヒートシンクなど、多彩な用途・仕様に強みがあり、金属プレス・カシメの各工程を一貫して大量かつ安定的生産・供給が可能。
「オプト用リードフレーム」は、オプト用リードフレームと、それらの製造に使用する精密金型・周辺機器の製造及び販売を行う。LED用リードフレームは、LED製品の形状を決定する部品であり、同社グループでは自動車部品メーカーや照明機器メーカーと協働して、金型の設計、製作から試作品開発、大量生産まで対応。具体的にはLEDディスプレイ、液晶ディスプレイのバックライト、自動車の各種ランプ、その他の産業用及び民生用LED、照明用LEDに使用されるリードフレームが主要製品。
「コネクタ用部品」は、コネクタ用部品と、それらの製造に使用する精密金型・周辺機器の製造及び販売行う。コネクタ用部品は電子回路や光通信において配線を接続するために用いられている部品・器具。特にスマートフォンやウェアラブル端末向けのコネクタは極小化が必要となる部品であり、同社グループでは金属プレス加工と樹脂成形加工を融合することで、携帯電話部品メーカー向けに販売する。その他、自動車向け部品の販売量も増加している。また、国内・海外とも金属端子部のプレス加工からメッキ加工、樹脂成形加工に至る設計から製造までの一貫生産を行う。
電子部品業界においては、世界経済の回復と市場の拡大による中長期的な高水準の需要推移が予測されている。東南アジアにおける新型コロナウイルス感染症拡大の影響による部品供給不足から自動車関連を中心に生産調整が発生するなど、不安定な情勢下においても在庫の確保を急ぐ動きが発注の前倒しに繋がり、全体として好調を維持している。

競合他社

スマホや自動車電装部品向けコネクタが主力の6785鈴木(直近決算期売上高327億円)、ICリードフレームや自動車・家電向けモーターコアを手掛ける6966三井ハイテック(直近決算期売上高973億円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び子会社4社(連結子会社3社、非連結子会社1社)により構成され、主にIC・トランジスタ用リードフレーム、オプト用リードフレーム、コネクタ用部品とそれらの製造に使用する精密金型・周辺装置の製造・販売を行う。

強み・弱み

海外における工場運営の歴史が長く、フィリピン、中国に展開している自社工場はもとより海外協力会社の幅広いネットワークを有し、顧客のニーズにきめ細やかに対応できることが強み。製造販売をグローバルに展開しているため、販売される国や地域の経済変動の影響を受けやすい点が弱み。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
① 製品群別売上高
② 用途別量産品売上構成比

2022年3月期第2四半期 決算説明資料

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は19,366百万円から22,999百万円、経常利益は1,314百万円から1,561百万円となっている。期によって増減があるものの、順調に推移。コロナ禍においても情報通信機器向け部品の需要が堅調に推移している。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年3月期第2四半期の自己資本比率は62.0%。

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