2590 ダイドーグループホールディングスの業績について考察してみた

2590 ダイドーグループホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1975年1月に清涼飲料の製造・販売を目的として、ダイドー株式会社を設立。1984年6月にダイドードリンコ株式会社に商号変更。1991年4月に飲用医薬品等の受託生産を開始。2001年8月に東証二部に上場。2003年1月に東証一部に変更。2017年1月に持株会社体制に移行し、ダイドーグループホールディングス株式会社に商号変更。本社は大阪府。自販機向け飲料の製造・販売が事業の主力

株主構成

2021年1月期有価証券報告書よると2021年1月20日時点の大株主は、筆頭株主が取締役会長の髙松富博氏の資産管理会社とみられるハイウッド株式会社で15.5%、次いで代表取締役社長の資産管理会社である有限会社サントミが12.6%で続き、以降は保有割合5%未満で創業家一族が代表を務めるタイタコーポレイション株式会社、取締役会長の髙松富博氏、代表取締役社長の髙松富也氏、創業家一族とみられる髙松章氏と創業家一族の保有割合が高い。そのほかに国内信託銀行信託口、九州でLPガス販売等を行う事業会社が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役4名 (社内1名、社外3名)、監査役会設置会社である。取締役会長の髙松富博氏は同社の前身である大同薬品工業株式会社を経て、1975年1月に同社を設立。1994年4月に代表取締役社長を経て、2014年4月に現職に就任した。その他2名の取締役はプロパーであり、それぞれ財務企画部や経営戦略部に従事する。

代表取締役の経歴

代表取締役社社長の髙松富也氏は1976年6月生まれ。京都大学経済学部を卒業後、三洋電機株式会社を経て、2004年4月に同社に入社。2008年4月に取締役、2009年4月に常務取締役、2010年3月に専務取締役、2012年4月に取締役副社長を経て、2014年4月に現職に就任した。連結子会社のダイドードリンコ株式会社の代表取締役社長を兼任する。

報告セグメント

「国内飲料事業」、「海外飲料事業」、「医薬品関連事業」、「食品事業」の4セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない事業として、希少疾病用医薬品事業を含む「その他」がある。2022年1月期第1四半期の売上高は36,150百万円で、国内飲料事業が26,907百万円で74.4%、海外飲料事業が2,366百万円で6.5%、医薬品関連事業が2,584百万円で7.1%、食品事業が4,291百万円で11.9%を占める。
セグメント利益のうち、8割強が国内飲料事業で創出される。利益率 は国内飲料事業と食品事業が1桁台前半、海外飲料事業と医薬品関連事業がマイナスから1桁台前半を推移する。

事業モデル

国内飲料事業では、飲料製造会社に製造委託した清涼飲料を、自販機やコンビニエンスストアで販売する。商品はコーヒー飲料が半数を超え、自販機が主力販路で全体の8割以上を占める。自社工場を持たずに、外部の委託工場で商品の製造を行い、物流網は各地の協力会社に分散委託することで、投資リスクを抑制する。商品企画は連結子会社のダイドードリンコ株式会社が中心に行う。売上高は第3四半期(7月~9月) が大きくなる傾向にある。

統合報告書2021

海外飲料事業では、中国、ロシア、トルコ、イギリスに販路、トルコに製造拠点 を持ち、現地子会社を通して自販機やコンビニエンスストアで清涼飲料を販売する。2020年10月に採算の厳しいマレーシア市場から撤退。
医薬品関連事業では、連結子会社の大同薬品工業株式会社が製造受託したドリンク剤や、一部清涼飲料の製造を行う。医薬品・医薬部外品から清涼飲料まで幅広い商品ラインナップを揃える。食品事業では、連結子会社の株式会社たらみでフルーツデザートゼリーを製造・販売する。ドライゼリーでは国内トップシェアを誇る。その他事業として、連結子会社のダイドーファーマ株式会社が希少疾病用医薬品の提供に向けたパイプライン獲得活動を行っている。
2020年度の海外売上高比率は7.7%で、地域ごとの売上高では連結売上高に対してトルコが6.4%、その他地域が1.4%を占める
国内の自販機市場における総台数は減少傾向にある一方で、医薬品関連事業におけるヘルスケア関連市場は成長傾向にあり、国内飲料事業に次ぐ第2の柱として先行投資を実施する。

競合他社

国内総合酒類・飲料メーカーの2502アサヒグループホールディングス (2020年12月期売上高2,027,762百万円)、コカ・コーラ系清涼飲料メーカー2579コカ・コーラボトラーズジャパンホールディングス(同791,956百万円)、国内大手酒類・飲料メーカーの2503キリンホールディングス(同1,849,545百万円)、サントリーHDの飲料中核子会社2587サントリー食品インターナショナル(同1,178,137百万円)、緑茶関連飲料で国内首位の2593伊藤園(2021年4月期売上高446,281百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社18社と持分法適用関連会社6社を持つ。主要な連結子会社には国内飲料事業を担うダイドードリンコ株式会社と医薬品関連事業を担う大同薬品工業株式会社、食品事業を担う株式会社たらみ、希少疾病用医薬品事業を担うダイドーファーマ株式会社が挙げられる。

強み・弱み

強みとして自販機における高いオペレーション体制とファブレス経営が挙げられる。同社の国内飲料事業において8割の販売量を誇る自販機 では、連結子会社と特約オペレーターによって細やかなオペレーションを実施これまでの販売データを分析し、最適な自販機の設置場所から品揃えまで導き出す。顧客のニーズに合わせた商品開発や自販機オペレーションに集中して、経営資源を投入する。
懸念点としては、自販機オペレーションを担う人手不足、自販機チャネルへの収益依存、それに伴う国内自販機の総台数の減少に伴う売上減少リスクや、為替変動の大きいトルコ市場での為替リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①売上高に占める自販機チャンネルの割合、②海外売上高比率、③サプリメントの通信販売チャネルの売上推移、CAGR(年平均成長率)、④国内飲料事業月次販売状況、⑤自販機設置台数、⑥為替変動リスクが挙げられる
①売上高に占める自販機チャンネルの割合:80%(2020年度)
②海外売上高比率:7.7%(同、20%以上を目標に掲げる)
③サプリメントの通信販売チャネルの売上推移、CAGR(年平均成長率)
④国内飲料事業月次販売状況(2021年7月単月:前期比111.6%、累計:同102.3%、本数ベース)
⑤自販機設置台数
⑥為替変動リスク(トルコリラ、中国元など)

2020年度 決算概要

業績

売上高は2018年1月期をピークに2021年1月期にかけて▲ 8.4%に緩やかに減少。自販機台数の減少に伴う影響や、新型コロナ流行の影響を受けた。経常利益は2017年1月期から2019年1月期にかけては自販機販売における販売管理費のコスト削減等の影響を受けて+60.3%に増益したが、2020年1月期は人件費や販売促進費が増加して前期比▲52.4%の減益となった。2021年1月期は減価償却費や販売促進費の削減により前期比+100.5%の大幅増益となった。フリーCFはまちまち。2020年1月期は医薬品事業への投資額大きくマイナスとなった。自己資本比率は50%台で推移