6101 ツガミの業績について考察してみた

6101 ツガミの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1937年3月に株式会社津上製作所を新潟県長岡市(現在の本店所在地は東京都中央区日本橋富沢町)に設立、1949年5月に東京、大阪、新潟各証券取引所に上場、1970年11月に社名を株式会社津上に変更、1982年10月に社名を株式会社ツガミに変更した。CNC小型自動旋盤を主力とする工作機械メーカーである

株主構成

有価証券報告書によると、2021年3月31日現在の筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)で自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合は7.67%、次いでTHE BANK OF YORK MELLON 140051(常任代理人 株式会社みずほ銀行決済営業部)で同5.06%である。外国人所有割合は合計33.8%である。

取締役会

取締役10名(社内4名、社外6名)、うち5名は監査等委員(社内1名、社外4名)、監査等委員会設置会社である。監査等委員である社外取締役4名は独立役員である。監査等委員でない社外取締役の久保健氏は三井住友フィナンシャルグループ(8316)代表取締役等を歴任、丸野孝一氏は第一生命ホールディングス(8750)専務執行役員などを歴任、監査等委員である社外取締役の竹内芳美氏は中央大学学長(現任)、安達健祐氏は通商産業省(現経済産業省)出身、島田邦雄氏は弁護士(島田法律事務所代表パートナー)、山宮道代氏は弁護士(田辺総合法律事務所パートナー)である。社内取締役は代表取締役CFOの室本氏を除きプロパー出身者とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役会長CEOの西嶋尚生氏は1947年12月生まれ。1999年5月同社入社、同社代表取締役社長等を経て2019年6月同社代表取締役会長CEOに就任(現任)した。
代表取締役CFOの室本一郎氏は1958年5月生まれ。1982年4月株式会社北越銀行(現株式会社第四北越銀行)入行、常務取締役を経て、2021年2月同社常勤顧問に就任、2021年6月同社代表取締役CFOに就任(現任)した。

報告セグメント

所在地別の日本、中国、インド、韓国、その他の5セグメントとしている。2021年3月期の構成比は、売上収益(外部収益)が日本24.0%、中国70.0%、インド2.9%、韓国2.5%、その他0.5%、営業利益が日本2.9%、中国90.1%、インド0.4%、韓国0.9%、その他▲0.5%、調整額▲0.3%、その他の収益・費用6.6%だった。中国が収益柱である。

事業モデル

工作機械の製造・販売を行っている。2021年3月期の機種別売上収益構成比は自動旋盤84.0%、研削盤4.0%、マシニングセンタ・転造盤・専用機6.6%、その他5.3%だった。自動旋盤が主力である。旋盤は工作機械の1つで、回る金属の材料に工具の刃先を当てて削る機械。CNC旋盤はコンピュータで位置や速度をコントロールするNC旋盤の一つで、様々な部品を作り出す。生産拠点は国内の長岡工場(新潟県長岡市)、中国、およびインドに展開している。
期によって変化するが、売上収益に占める業種別の比率では、自動車関連が約半分弱を占め、その他(油・空圧、医療他)が3割強、残りがITとなっている。

競合他社

工作機械業界は総合メーカーが少ない傾向にあり、多くの企業が得意分野において受注確保に努めている。同社は小型自動旋盤を主力として、同分野で高い市場シェアを確保している。小型自動旋盤の有力メーカーとしては同社の他に、滝澤鉄工所(6121)、高松機械工業(6155)、スター精密(7718)、シチズン時計(7762)、ヤマザキマザック(非上場)などがある。

連結の範囲

2021年3月期末時点でグループは同社、連結子会社11社、非連結子会社1社で構成されている。主要な連結子会社は中国の製造拠点の津上精密机床(浙江)有限公司である。

強み・弱み

創業以来培ってきた精密加工・モノづくり技術をベースに、開発力・品質力を強みとして顧客から高い信頼を得ている
リスク要因として、工作機械業界は景気変動の影響を受けやすく、受注が大幅に変動しやすいという特徴がある。過去の経験則で見ると、景気や製造業の設備投資サイクルに伴って、受注は概ね3~4年のサイクルで大きな山と谷を形成する傾向がある。受注変動は採算性にも影響する可能性がある。また工作機械は日本のメーカーが世界的に高い市場シェアを獲得しているが、近年は中国のローカルメーカーの成長に伴う競合が新たなリスク要因となりつつある。

KPI

受注高の推移を見ると、コロナ禍の影響で2020年3月期第4四半期から2021年3月期第2四半期までの受注が落ち込んだが、2021年3月期第3四半期以降は中国を中心に受注が急回復している。

2021年3月期 決算説明資料

業績

過去5期間(2017年3月期は日本基準、2018年3月期~2021年3月期はIFRS)の連結業績の推移を見ると、受注変動に伴って売上、利益とも大きく変動している。売上高は2017年3月期の41,050百万円から2019年3月期の68,486百万円まで、親会社株主帰属当期純利益は2017年3月期の2,630百万円から2019年3月期の6,033百万円まで急拡大したが、2020年3月期は受注のピークアウトと期末のコロナ禍も影響して売上高が49,310百万円、親会社株主帰属当期純利益が2,001百万円まで落ち込んだ。2021年3月期は期後半から受注が急回復し、売上高が61,662百万円、親会社株主帰属当期純利益が4,917百万円まで急回復した。
2018年3月期以降の親会社所有者帰属持分比率は概ね50%前後で推移している。受注変動で売上や利益が大きく変動するが、営業キャッシュ・フローは継続してプラスを維持している。財務の健全性に大きな懸念はないだろう。