6387 サムコの業績について考察してみた

6387 サムコの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1979年9月に株式会社サムコインターナショナル研究所を設立し、半導体製造装置の製造・販売を開始。1980年7月に国内初のプラズマCVD装置を開発し、発売。2004年12月にサムコ株式会社に商号変更。同年12月に東証JASDAQに上場。2013年7月に東証二部、2014年1月に東証一部に変更。本社は京都府。電子部品製造装置メーカーで、CVD装置やエッチング装置など、半導体向けが中心

株主構成

有価証券報告書よると2021年1月末時点の大株主は、筆頭株主が代表取締役会長兼CEOの辻理氏で12.2%、次いで辻理氏の資産管理会社であるサムコエンジニアリング株式会社が11.4%、(一財)サムコ科学技術振興財団が9.9%、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行の信託口、創業家一族とみられる辻一美氏、辻猛氏、BNPパリバ証券、サムコ従業員持株会、三菱UFJ銀行が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役の内1名はプロパーとみられ、他2名は6963ロームと6501日立製作所を経て、同社に入社。それぞれ生産部門、管理部門、営業部門等の各種部門を統括する。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼CEOの辻理氏は1942年3月生まれ。立命館大学理工学部を卒業後、1977年3月にサムコインターナショナルを創業。1979年9月に同社を設立後、代表取締役社長を経て、2018年10月に現職に就任した。
代表取締役社長兼COOの川邊史氏は1974年12月生まれ。京都大学工学研究科を卒業後、1999年4月に9502中部電力に入社。2008年7月に同社に入社後、2012年10月に取締役、2016年11月に取締役副社長を経て、2018年10月に現職に就任した。

報告セグメント

「半導体等電子部品製造装置の製造及び販売事業」の単一セグメントである。装置毎に区分すると、「CVD装置」、「エッチング装置」、「洗浄装置」、「部品・メンテナンス」が挙げられる。2021年7月期第3四半期の売上高は3,516百万円で、CVD装置が362百万円で10.3%、エッチング装置が1,829百万円で52.0%、洗浄装置が453百万円で12.9%、部品・メンテナンスが871百万円で24.8%を占める。
経常利益率は1桁後半から10%台中盤を推移 しており、装置別の利益率は公表されていない。

事業モデル

CVD装置とは半導体の表面に薄膜を形成して堆積する装置であり、同社では日本で初めてプラズマを利用したCVD装置を開発・販売した。低温で細かい溝の中に成膜できる点が特徴であり、オプトエレクトロニクスや電子部品分野を中心に提供する。
エッチング装置とは半導体に精密な溝を彫る等の加工を施し、凸凹を形成する装置であり、半導体の高集積化に必要な技術の一つである。主にLED製品向けや半導体の研究用途として活用される。エッチング装置における売上高が約6割を占める。
洗浄装置では薬液を使わずに半導体の表面を洗浄する、ドライ洗浄装置を製造する。薬液を使用した洗浄装置と比べて、少ない工程数で洗浄ができる点が特徴であり、小型卓上用装置から量産用装置まで幅広い製品を揃える。
部品・メンテナンスでは、既存装置の部品販売やメンテナンス、移設・改造作業を担う
分野別の売上高では、電子部品・MEMS分野向けが最も多く、LED・LD等のオプトエレクトロニクス分野向けと部品・メンテナンス向けが次ぐ
製造は本社工場と一部の協力会社で行い、販売は同社と一部の海外販売代理店を通して行う。
電子部品・MEMS分野やオプトエレクトロニクス分野を中心に半導体市場はさらなる成長が見込まれ、IoT関連製品を取り扱う電子部品・MEMS分野では応用製品の増加が予想される。
海外売上高比率は44.0%で、地域別で見ると中国が20.6%、米国が12.2%、韓国が3.5%、東南アジア・インドが2.1%、台湾が1.0%、その他が4.7%を占める。(2020年7月期)

競合他社

半導体・有機EL製造装置メーカーの6728アルバック(2021年6月期売上高183,011百万円)、半導体検査装置を製造する6920レーザーテック(同70,248百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結の対象となる子会社や関連会社を持たない

強み・弱み

強みとして化合物半導体に特化したグローバルニッチ市場のリーディングカンパニーであること製造工程の大半を協力工場に委託したセミファブレス企業であることが挙げられる。化合物半導体ではシリコン半導体よりも精密な加工を要するほか、自動運転や5G実現におけるキーマテリアルとして使用されるため、同社の半導体製造装置は高い付加価値を持つ。またセミファブレス企業のため、設備投資額を抑制出来る。
懸念点としては売上高の40%以上を海外売上高が占めており、為替変動リスクが挙げられる。

KPI

KPIには①分野別売上高と②用途別売上高、③地域別売上高、④受注高・受注残状況が挙げられる
①分野別売上高(2020年7月期)
②用途別売上高(同)
③地域別売上高(同)
④受注高・受注残状況(同)

2020年7月期 決算概要
2020年7月期 決算概要
2020年7月期 決算概要

業績

売上高は受注状況により変動大きい。2019年7月期はスマートフォン市場での需要悪化や米中貿易摩擦による受注減が影響して前期比▲9.7%の減収だったが、2020年7月期はCVD装置の売上拡大やアジアや欧州での受注増に伴う海外売上高の増加が影響して前期比+18.9%の増収となった。経常利益は2017年7月期に受注減の影響を受けて損失を計上したが、2018年7月期から2020年7月期にかけては+44.4%の増益。フリーCFは期によって変動があるが、2019年7月期以降はプラスを推移。自己資本比率は70%台後半を推移し、実質無借金経営