6135 牧野フライス製作所の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1937年5月に牧野商店制作部として創業。1942年3月に牧野竪フライス製作所に改称、1951年5月には株式会社に改組した。1961年4月に現在の株式会社牧野フライス製作所に商号を変更。工作機械の製造、販売、サービス等を事業とし、1975年2月米国現地法人設立後は海外進出を積極展開。 1964年7月東証二部上場、1971年8月東証一部へ変更

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で7.90%。次いで日本カストディ銀行の信託口5.57%で、以降は5%以下となっている。尚、2020年5月1日受付の変更報告書によると、タワー投資顧問の保有割合が7.67%となったこと<、2021年5月21日受付の変更報告書によると三井住友トラスト・アセットマネジメントと共同保有者の保有割合が7.80%となったこと、2020年7月20日受付の変更報告書によると、野村アセットマネジメントと共同保有者の保有割合が6.95%となったことが報告されている。また、2021年1月5日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は30%以上である

取締役会

取締役は6名(社内3名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員プロパーである

代表取締役の経歴

取締役社長代表取締役の井上真一氏は1966年10月生まれ。北海道大学大学院工学研究科修了後、1992年4月同社へ入社し、2011年4月厚木開発M開発部ゼネラルマネージャーへ就任。その後、取締役開発本部副本部長、取締役営業本部長を歴任後、2016年6月より現職。尚、同氏の前任牧野次郎氏は創業家出身で31年間社長職を務めていた

報告セグメント

同社の報告セグメントは販売体制を基礎とした所在地別に分類され、Ⅰが毎期のフライス製作所が担当する日本、韓国、中国、大洋州、ロシア、ノルウェー、イギリスおよびⅡ~Ⅳに含まれない地域。Ⅱはシンガポール現地法人が担当する中国、ASEAN諸国、インド。Ⅲは米国現地法人が担当する南北アメリカ全ての国。Ⅳはドイツ現地法人が担当するノルウェーを除くヨーロッパ大陸全ての国となっている。2021年3月期第3四半期売上高78,101百万円のセグメント別構成比は、Ⅰが29.3%、Ⅱが36.1%、Ⅲが28.1%、Ⅳが6.5%と海外比率が高い。コロナ禍の影響で全セグメントが前年同期比減収となっているが、特にⅠ、Ⅲ、Ⅳの影響が大きく、ⅠとⅣはセグメント損失計上となった。

事業モデル

工作機械の製造を行い、国内外の顧客に販売する。生産拠点は国内に3拠点、海外はアジアに3拠点、販売拠点は国内17ヶ所、42拠点の体制。マシニングセンタ(工具を自動で選択・交換ができ、穴あけや面削り等複数の加工を1台でこなす)が同社の主力商品で、機種別売上高では50%を超える。また自動車や航空機部品メーカー向けの加工機械製造を得意とする。海外事業の特色として、ローカルの人材を積極登用し、マーケティングから設備投資まで全ての意思決定の権限を海外子会社に移譲している。

競合他社

工作機械を手掛ける競合として、6103オークマ(2020年3月期売上高1,720億円)、6141DMG森精機(2020年12月期売上高3,282億円)などが挙げられる

連結の範囲

連結子会社は36社と多く、国内6社と、海外30社で構成される。主要な子会社は、同社製品の販売および一部製品の設計、製造を行うマキノジェイ株式会社、同社製品の修理・販売等を行う株式会社牧野技術サービス、シンガポールにて原材料・部品の調達を行うMAKINO RESOURCE DEVELOPMENT PTE LTDなどである。

強み・弱み

高い技術力を有し、要求精度が非常に高い航空機部品の加工や、サブミクロン単位の精度が求められる医療器具やスマホ用カメラレンズの金型加工などに強みを持つ。また、海外進出に積極的で、1970年代からアメリカとヨーロッパに、そこに現在はアジアを加えた3極体制を築き、受注を獲得してきた。一方で、海外売上比率が高いため為替変動影響が大きいほか、顧客の設備投資に依存するため、顧客の設備投資意欲が同社業績を大きく左右する。

KPI

①日本工作機械工業会月次受注
②同社YouTubeチャンネルおよびHPのアクティブユーザ数(営業活動の一環として、2020/3/13~11/28の累計344,100人)
③為替(米ドル、ユーロ、シンガポールドルなど)

2021年3月期 第3四半期決算説明会資料

業績

10年間の業績は均して見れば右肩上がりの傾向にあり増収増益基調だが、顧客の設備投資以降に左右されるため、期によっては減収減益となり、2020年3月期もコロナ禍の影響を受け減収減益であった。自己資本比率は利益の留保により徐々に高まっており、2020年3月期は58.3%。フリーCFは毎期プラスを維持。