6368 オルガノの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1941年7月に山梨化学工業株式会社設立、1946年5月には株式会社日本オルガノ商会へ商号変更しイオン交換樹脂に関連する事業を開始。1955年6月から東洋曹達工業株式会社(現東ソー株式会社)が資本参加(現在は東ソー株式会社の連結子会社)。 1961年10月、東証2部上場。1966年2月、オルガノ株式会社へ商号変更。1985年3月に東証1部へ市場変更。1986年1月にマレーシアへ、1989年3月にタイへ、2003年9月に中国へ、2005年7月に台湾へ、2013年1月にはインドネシアへ進出。超純水製造、廃水処理をはじめ水処理に関係するプラント、機器類、薬品類を扱う。

株主構成

四半期報告書によると、2020年9月末時点での筆頭株主は親会社の東ソー株式会社で42.37%保有。次いで株式会社日本カストディ銀行信託口が6.44%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が6.09%保有。以下は5%未満の保有率で、国内外の金融機関や証券会社が続く。外国人株式保有比率は20%以上30%未満(2021年3月末時点のコーポレート・ガバナンス報告書より)。

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、監査役は3名(1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役は、プロパー3名、東ソー株式会社出身者2名。社外取締役には、みずほ信託銀行株式会社、経済産業省、公益財団法人相模中央化学研究所の出身者が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長執行役員の内倉昌樹氏は1954年8月生まれ。京都大学大学院修了後、1982年4月に東洋曹達工業株式会社(現東ソー株式会社)入社。常務執行役員などを歴任後、2017年6月に同社専務執行役員就任、2019年6月より現職

報告セグメント

「水処理エンジニアリング事業」ならびに「機能商品事業」の2セグメントで構成される。決算短信によると、2021年3月期における外部顧客への売上高100,638百万円の構成比は、水処理エンジニアリング事業が81.9%、機能商品事業が18.1%であった。また、同期のセグメント利益9,579百万円の構成比は、水処理エンジニアリング事業が88.4%、機能商品事業が11.6%であった。売上高、利益の両面で水処理エンジニアリング事業が主力となる。なお国別売上高は、国内75.2%、台湾16.0%、中国5.2%、東南アジア3.3%、その他0.3%であった。海外売上高は、台湾・中国の伸長により計画を上回る実績であった。

事業モデル

セグメント上は水処理エンジニアリング事業ならびに機能商品事業に大別され、前者はさらに「プラント事業」及び「ソリューション事業」へ分類される。売上高ソリューション比率は52.6%(2021年3月期)と、概ね半分強で毎期推移。プラント事業は、施設・設備の設計、建設、製造を担当し、純水/超純水製造設備、廃水処理・廃水回収設備、有価物回収設備などを扱う。超純水製造設備は半導体産業には不可欠であり、同社は国内のみならず半導体産業の盛んな台湾においても多くの実績を持つ。ソリューション事業は、施設・設備の運用を担当し、消耗品交換、メンテナンス、運転管理、改造工事などを行う。産業規模の水処理にはフィルタやイオン交換樹脂などの消耗品の交換・再生、連続注入薬剤の点検・補充をはじめメンテナンス・運転管理が重要となるため、ソリューション事業の役割は大きい。
一方、機能商品事業セグメントは製品の生産・販売を事業とし、製品別に「標準型水処理機器」、「水処理薬品」及び「食品加工材」へと分類される。標準型水処理機器は実験室規模で使用される純水/超純水製造装置などの単品機器、水処理薬品はビル空調などに付随する冷却水系のスケール防止剤・スライム抑制剤やボイラ清缶剤、食品加工材は食品添加物などを扱う。

2021年3月期決算説明会資料

競合他社

6370 栗田工業(株)業界首位で、売上高267,749百万円(2021年3月期)。超純水含め水処理事業全般を幅広く手掛ける。6005 三浦工業(株)はボイラが主力であるが、水処理機器の製造・販売及びメンテナンスも事業とする。売上高134,732百万円(2021年3月期)。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社12社(うち連結子会社9社)、関連会社2社(うち持分法適用会社1社)で構成される。連結子会社のうち、オルガノプラントサービス株式会社は特定子会社オルガノ・テクノロジー有限公司(台湾)は売上高の連結売上高に占める比率が10%以上(12.0%)(2020年3月期)。

強み・弱み

70年以上に及ぶ純水製造の経験と研究開発の推進による高い技術力は強み。特に半導体産業向け超純水で強みを発揮している。同時に、半導体産業はプレイヤーの再編・統合で1件当たりの設備投資規模が増大し、リスク集中の傾向にある。

KPI

受注高、営業利益率などが主要KPIと見られる。
・受注高 94,563百万円(2021年3月期)
・営業利益率 9.5% ( 同上 )

公式ウェブサイト内「企業・IR・CSR」>「財務データ」>「主要財務データの推移-連結-」

業績

5期にわたって売上高、経常利益ともにほぼ順調に拡大。2021年3月期は前期と同水準で、売上高100,638百万円(前期比+4.3%)、営業利益9,579百万円(前期比▲3.3%)、経常利益9,900百万円(前期比▲0.3%)であった。営業CFはプラスで推移していたものの、2021年3月期は売上債権の増加が原因でマイナス。投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は58.4%。