6246 テクノスマートの業績について考察してみた

6246 テクノスマートの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1912年6月に井上鉄工所を大阪府に創立。1929年5月に国内初のエロフィンチューブの製法を完成し、特許取得。1936年1月に株式会社に改組。1964年1月に大証二部に上場。2012年株式会社テクノスマートに商号変更。2013年7月東証二部へ変更。各種フィルム向けに塗工乾燥装置を製造・販売する。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、光通信株式会社で13.9%、次いでテクノスマート取引先持株会が11.1%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社が信託口で4.3%、立花証券株式会社が4.0%、株式会社滋賀銀行が2.6%等、取引先や持株会、信託銀行といった金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、うち監査等委員3名 (全員社外)、監査等委員会設置会社である。取締役の榎本一郎氏は丸紅株式会社を経て、2007年6月に同社社外取締役に就任。2015年4月同社へ転籍、2017年6月に取締役を退任。その後営業部門に携わり、2019年6月に現職に就任した。その他の4名の取締役は、プロパー社員とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役の柳井正巳氏は1953年12月生まれ。山口県立萩商工高校を卒業後、1972年4月に同社に入社。技術部門と資材部門に従事。2014年6月に取締役、2016年6月に常務取締役を経て、2019年4月に現職へ就任した。

報告セグメント

「機械器具製造業」の単一セグメントである。機械器具製造業は塗工機械と化工機械、その他の3つに大別される。2020年3月期では売上高16,785,163百万円の内、塗工機械が16,263,536百万円で96.9%、化工機械が348,783百万円で2.1%、その他が172,843百万円で1.0%を占める。機械種別毎の利益は公表していない。

事業モデル

主にフィルムや金属箔、紙等の各種基材に機能性を持たせるための塗工乾燥装置を製造販売する。スマートフォンや液晶テレビ用の光学フィルムや、タッチパネルなどに幅広く利用されている。また紙やフィルム等に薄膜状に塗工液を塗布する際に用いられる高性能コーターや乾燥装置、車載用リチウムイオン2次電池用の塗工・乾燥装置等も手掛ける。中国、韓国、台湾等の東アジア地域での売上比率が大きく、海外売上が全体の80.3%(2020年3月期)を占める。そのため為替変動に伴う、業績への影響が大きい。主な販売先は椿本興業株式会社で、売上全体の38.7%(同)を占める。生産は滋賀県の本社工場1か所。
電気自動車産業は中長期的に世界的な成長が見込める分野であり、同社でも車載用リチウムイオン2次電池関連の中国向け大型案件を受注。新型コロナ流行に伴う影響で遅れが生じているものの、欧米や中国を中心に今後も大型新規投資が期待される分野である。

競合他社

6245株式会社ヒラノテクシード(2020年3月期31,682百万円)が競合として挙げられる。車載用リチウムイオン2次電池用では3402東レの子会社東レエンジニアリング株式会社も競合し、同社を含めた3社は世界市場でプレゼンスを有する。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

車載用リチウムイオン2次電池用の塗工・乾燥技術に強みを有し、今後の需要拡大が見込まれている。創業より各種フィルム関連の機械製造事業で培ってきた技術力や商品開発力を活かしつつ、コストダウンに取り組み、海外でのシェア拡大を狙う。2020年にはド イツの自動車産業向け塗装装置メーカーと業務提携を発表し、欧米における販路拡大を図る。海外売上比率が8割を占め、為替変動に伴う業績への影響が懸念点。

KPI

KPIには製品別売上高や、中国及び欧米、日本国内でのガソリン車への規制動向や電気自動車への補助金政策などの動向は、業績及び株価に与える影響が大きいとみられる。
①製品別売上高(2020年3月期)
・ディスプレイ部品関連機器:9,401百万円(前年同期比+11.6%)
・機能性紙・フィルム関連塗工機器:2,257百万円(前年同期比▲7.3%)
・エネルギー関連機器:3,947百万円(前年同期比▲14.1%)
②グローバルなガソリン車への規制動向

業績

売上高は2016年3月期から2020年3月期の過去5期で約1.9倍に増加。2016年3月期頃が業績の底だったこともあり、経常利益は約9.1倍に増加。営業CFは2018年3月期を除いてプラスを継続、投資CFは継続してマイナス。財務CFは年によってプラスとマイナスが異なる。自己資本比率は2020年3月期で71.7%と、前期の61.3%から改善。