7004 日立造船の業績について考察してみた

7004 日立造船の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1881年4月英国人E.H.ハンターが大阪鉄工所(同社の前身)を創立。1914年3月株式会社大阪鉄工所設立、前大阪鉄工所の事業一切を継承。1934年5月日本産業株式会社が株式会社大阪鉄工所の全株式を取得して株式会社日本産業大阪鉄工所を設立し、旧株式会社大阪鉄工所の事業一切を継承。1943年3月社名を日立造船株式会社と改称。1949年5月大証・東証に上場。1996年12月には環境総合開発センターを開設しており、現在は環境装置・プラントを主力に、舶用原動機などを含む機械装置、インフラ設備などの設計から製作、据付、販売、修理・保守や運営までを提供する。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)で8.98%保有。ついで、株式会社日本カストディ銀行(信託口)が4.95%、株式会社三菱UFJ銀行が3.14%を保有する。そのほか、日立造船職員持株会や損害保険ジャパン株式会社、信託銀行などが並ぶ。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員がプロパー出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼CEOの谷所敬氏は1949年2月生まれ。京都大学を卒業後、同社に入社。2010年6月に取締役へ就任し、2013年4月には取締役社長兼COOへ就任。2020年4月に現職へ就任。
代表取締役社長兼COOの三野禎男氏は1957年8月生まれ。京都大学を卒業後、同社に入社。エンジニアリング本部環境・ソリューション事業部環境EPCビジネスユニット長や環境・エネルギー・プラント本部エンジニアリング統括本部長などを務め、2020年4月に現職へ就任。

報告セグメント

「環境事業」、「機械・インフラ事業」、「その他事業」の3報告セグメントに大別される。2022年3月期第1四半期の売上高80,434百万円の構成比は、環境事業68.7%、機械・インフラ事業29.0%、その他事業2.3%である。セグメント利益(又は損失)は、環境事業▲1,455百万円、機械・インフラ事業▲671百万円、その他事業62百万円であり、営業損失は2,028百万円であった。

2022年3月期第1四半期 決算補足資料

事業モデル

環境事業では、ごみ焼却発電・リサイクル施設、水・汚泥処理施設、エネルギーシステム(発電設備)、バイオマス利用システム、海水淡水化プラント等各種プラント、電力卸売などの製造・販売・運営を行っている
機械・インフラ事業では、舶用原動機、舶用甲板機械、自動車用プレス機械、ボイラ、脱硝触媒、圧力容器等各種プロセス機器、原子力関連設備機器、プラスチック機械、食品機械、医薬機械、精密機器、エレクトロニクス・制御システム、橋梁、水門扉、煙突、海洋土木、シールド掘進機、防災システム、風力発電などの製造・販売・運営を行っている。
その他事業では、運輸・倉庫・港湾荷役業を行っている。

統合報告書2020

新型コロナウイルス感染症の世界的流行により、国内外において厳しい状況にあるが、設備投資や堅調な公共投資等、一部で持ち直しの動きが見られる。そうした中、同社は2020年度からスタートした中期経営計画「Forward 22」のもと、製品・サービスの付加価値向上、事業の選択・集中の推進とリソースの伸長分野へのシフト、業務効率化・生産性向上による働き方改革の実現を基本方針として、各種重点施策を推進している

競合他社

7012川崎重工業(直近決算期売上高1兆4,884億円)、7003三井E&Sホールディングス(直近決算期売上高6,638億円)、6013タクマ(直近決算期売上高1,467億円)など、エネルギー環境プラントや船舶機器等の機械を手掛ける企業が競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社115社及び持分法適用会社19社で構成され、環境装置・プラント、機械装置、インフラ設備等の設計、製作、据付、販売、修理、保守・保全及び運営等を主な事業としている。

強み・弱み

創業以来培ってきた技術を活かして、新たな事業を生み出してきたことが強み。主力事業であるごみ焼却発電施設のEPC(設計・調達・建設)をはじめ、個別受注案件が多く、受注時の見積コストを上回る費用の発生、工程遅延による納期遅れ、あるいは技術・製品トラブル等に伴うペナルティが発生した場合には、収益の悪化が想定される点は構造的なリスク。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①受注実績
②生産実績
③販売実績
④金利及び為替

業績

2017年3月期から2021年3月期までの5期をみると、売上高は399,331百万円から408,592百万円、経常利益は11,225百万円から11,792百万円となっている。2018年3月期に大幅減益となっているが、その後は持ち直している。営業CF・投資CFは期によってばらつきがあるが、過去5期のフリーCF合計はプラス。2022年3月期第1四半期の自己資本比率は29.9%。