6245 ヒラノテクシードの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1935年6月大阪府にて平野金属合資会社として創業。1957年3月平野金属株式会社へ、1989年1月ヒラノテクシード株式会社へ商号変更。現在はコーティングマシン(フィルム等薄い素材に液を塗り乾かしてロール状に巻き取る機械)を中心に機械製造及び販売を行う。 1962年4月大証二部へ上場、2013年7月東証二部へ変更

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、明治安田生命で保有割合9.63%、次いで取引先持株会であるヒラノ会が9.01%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が6.51%、伊藤忠商事が5.64%と続く。尚、5%ルール報告書によるとフィデリティ投信の保有比率が5.23%(2021年2月5日受付)、三井住友AMの保有比率が5.16%(2021年2月19日受付)であることが報告されている。また、2020年7月1日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10%以上20%未満である

取締役会

取締役は9名(社内7名、社外2名)、うち社内1名、社外2名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内取締役は銀行からの入社2名、残りはプロパーである

代表取締役の経歴

取締役社長代表取締役の岡田薫氏は1958年9月生まれ。関西大学工学部卒業後、1981年3月に同社に入社。設計部部長代理等を歴任後、2014年6月に取締役に就任。2015年6月より代表取締役社長を務めている

報告セグメント

「塗工機関連機器」、「化工機関連機器」、「その他」の3報告セグメントに大別される。2021年3月期第3四半期の売上高16,664百万円の構成比は、塗工機関連機器が60%弱、化工機関連機器は35%程度、残りがその他だった。。全社費用計上前のセグメント利益は、塗工機関連機器が39.9%、化工機関連機器は50.1%、残りがその他9.9%だった。

事業モデル

産業用機械の製造販売を行う。同社の製造する機械が生産するものはリチウムイオン二次電池用電極や、タッチパネル用フィルム、LCD用薄膜フィルムなど多岐に渡り、最終製品としてはスマホ、タブレット、テレビ、PC、EV含む自動車、医療品、食品などの製造に用いられる。また、顧客の要望を聞きながら生産する受注生産方式で生産する。同社保有の実験施設「テクニカム」にて顧客立会いによるプロセス開発・検証実験を行い、受注案件への即時展開を行う他、市場動向を的確にとらえる提案型企業としての開発に取り組む。また海外にも事業展開し、2020年3月期の地域別売上高の構成は東アジアが52.8%、日本が29.2%、欧州14.3%、以下北米、その他の地域であった。製造設備は、奈良県の本社工場と2019年10月竣工の京都工場の2か所。
幅広い業種のメーカーを顧客とするが、コロナ禍による経済活動の停滞や、米中貿易摩擦の長期化、地政学リスクなどから投資マインドは縮小しており、設備投資意欲の低迷が継続している。

競合他社

フィルム塗工乾燥機、化工機メーカーの6246テクノスマート(2020年3月期売上高167億円)、ムサシノキカイ株式会社(非上場、資本金244百万円)などが挙げられる。車載用リチウムイオン2次電池用では3402東レの子会社東レエンジニアリング株式会社も競合し、同社を含めた3社は世界市場でプレゼンスを有する

連結の範囲

ヒラノ技研工業株式会社と株式会社ヒラノK&Eの2社が連結子会社に該当する。同社への製品および部品供給をおこなう他、株式会社ヒラノK&Eは同社製品の部品販売およびアフターサービスを行う。

強み・弱み

ウェットコーティング(液体の塗工)と、ドライコーティング(個体物による塗工)がグループ内で共有できる体制は、世界で類を見ない同社の特徴で、強みである。また顧客は地域、業種など多岐に渡り、特定業種に対するリスク分散が図られている。しかしながら、世界経済の低迷を受けた顧客全般の投資マインドの低下、同社製品における製造原価のうち約6割を占める鋼材等の原材料価格の変動は、同社業績に対するリスク要因となる。

株式会社ヒラノK&E HP>技術紹介

KPI

同社の顧客は幅広いため、製造業全体の設備投資動向や、同社が注力し今後市場規模の拡大が見込まれるEV市場動向がKPIとなり得る。
①設備投資(国内製造業2020年10~12月期38,700億円、前年同期比▲8.5%,
財務省四半期別法人企業統計調査)

②受注高・受注残高(2021年第3四半期14,511百万円、41,073百万円)
③EV市場規模(2019年世界で推計195万8000台、矢野経済研究所調べ)
④グローバルなガソリン車への規制動向

業績

2016年3月期から2019年3月期まではスマートフォンや電気自動車関連市場の拡大に向けた企業の設備投資意欲が強く、同期間に売上高約1.8倍、経常利益約2.4倍に業績が伸長した。しかし2020年3月期は米中貿易摩擦などから売上高は微減、価格競争により利益率も低下した。営業CFは売上債権の変動が大きく安定していない。投資CFは上述の需要に応えるための設備投資の為マイナス推移が続いていたが、2020年3月期はプラス。尚、足もとはでEV関連市場および電子部材関連市場を中心に積極的な受注活動を行っていた結果、受注の回復がみられている

2021年3月期第3四半期 決算説明資料