6331 三菱化工機の業績について考察してみた

6331 三菱化工機の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1935年5月に化工機製作株式会社として設立され、1938年11月に三菱化工機株式会社へ商号変更したのが同社の起源である。その後の株式会社田中機械製作所の合併及び再分社化によって、1949年9月に新設された三菱化工機株式会社が現在の同社であり、各種化学工業用機器の設計、製作、修理、据付及び販売等を事業とする。1950年3月に東証へ、同年4月には大証へ上場。

株主構成

四半期報告書によると、2020年9月末時点での筆頭株主は明治安田生命保険相互会社ならびに三菱重工業株式会社の2社で、いずれも5.42%保有。次いで日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が5.33%保有。以下は5%未満の保有率で、取引先持株会、株式会社三菱UFJ銀行や三菱商事株式会社などの三菱系企業、信託銀行信託口、従業員持株会が続く。外国人株式保有比率は10%未満(2020年3月末時点)。

取締役会

取締役は11名(社内6名、社外5名)、うち4名は監査等委員(委員長1名は常勤で社外、1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は、代表取締役を含め全員プロパー。社外取締役には、三菱重工業株式会社など三菱系企業出身者、公認会計士、弁護士が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の髙木紀一氏は1954年2月生まれ。富山大学大学院修了後、1980年4月に入社。執行役員、取締役などを歴任後、2015年4月より現職

報告セグメント

「エンジニアリング事業」ならびに「単体機械事業」の2セグメントで構成される。決算短信によると、2021年3月期の売上高48,753百万円の構成比は、エンジニアリング事業が75.5%、単体機械事業が24.5%であった。また、同期のセグメント利益2,745百万円の構成比は、エンジニアリング事業が68.4%、単体機械事業が31.6%であった。売上高、利益の両面でエンジニアリング事業が主力となる。なお地域別売上高は、国内84.8%、アジア13.6%、その他1.6%であった。

事業モデル

プラント・環境設備の建設・エンジニアリングと、各種単体機器の製作を軸に事業を展開する。 製造機能を持ったエンジニアリング企業として、都市ガス、石油、水素、電力、化学、医薬、食品、半導体、バイオ、大気汚染防止、水処理、新エネルギーなど様々な分野で求められる機械・設備を製作・建設している。
エンジニアリング事業は、産業分野別に「プラント事業」ならびに「環境事業」に大別される。前者は都市ガス関連、石油精製、石油化学、電力、化学、医薬、食品などの各分野を担当し、後者は下水排水、集落排水、リサイクル、脱臭、排水処理、排煙脱硫、汚泥処理、バイオガスなどを担当する。
単体機械事業は遠心分離機、ろ過機、撹拌機、除塵装置、船舶機器、他単体機器などを扱う。
技術面では、固体・液体・気体の分離をコア技術とし、舶用油清浄機「三菱セルフジェクタ」、オンサイト型水素ステーション建設、HyGeia-A水素ステーション向け高効率小型水素製造装置ではトップシェアを誇る。

2021年3月期第2四半期決算説明会プレゼンテーション資料

競合他社

事業範囲が多方面にわたっているため全面的に競合する他社はないが、6332 月島機械は、化学、食品、廃水関連のプラントで競合する。売上高90,553百万円(2021年3月期)。また、プラント全般を手掛ける1963 日揮ホールディングス(売上高433,970百万円)、千代田化工建設(株)(売上高315,393百万円)、6330 東洋エンジニアリング(184,000百万円)なども、特に石油精製・石油化学向けプラントで競合し得る。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社6社(うち連結子会社4社)、関連会社2社(いずれも持分法非適用会社)で構成される。連結子会社のうち、化工機プラント環境エンジ株式会社は、売上高の連結売上高に占める比率が10%以上(22.5%)(2020年3月期)。同社との関係は、同社製品の機器製作、設計・建設・据付を業務とすること、及び工場、事務所、用地の貸借、役員の兼任などである。

強み・弱み

コア技術を確立しており、それを活用したトップシェア製品を有する点が強み。機器メーカーとエンジニアリング企業の両面の機能を持つため、細やかな対応が可能。一方で、請負契約は価格競争が激化しており、利益率を上げにくい傾向にある。

KPI

受注実績などが主要KPIと見られる。
・オンサイト水素製造装置HyGeiaシリーズ
5基(2021年3月期)
・NOx規制対応EGRエンジンシステム用排水処理装置ONZシリーズ
約60台(2021年3月期)

2021年3月期第2四半期決算説明会プレゼンテーション資料

業績

長らく売上高400億円以下、経常利益20億円以下で推移していたが、2020年3月期に売上高、経常利益ともにこれを突破し、2012年3月期来最高益を記録。2021年3月期も増収増益で、売上高48,753百万円(前期比+8.2%)、営業利益2,745百万円(前期比+23.5%)、経常利益2,939百万円(前期比+21.9%)であった。営業CFは年度によってまちまち、投資CFは2017年3月期、2019年3月期を除いてはマイナス。直近決算期の自己資本比率は48.6%。