6331 三菱化工機の業績について考察してみた

6331 三菱化工機の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q2 2023.09 12,902 1,842 14.28%
FY2024.Q3 2023.12 12,075 1,128 9.34%
FY2024.Q4 2024.03 13,554 1,105 8.15%
FY2025.Q1 2024.06 11,944 1,099 9.2%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 13,462 1,095 8.13%
FY2018.Q1 2017.06 5,413 -397 -7.33%
FY2018.Q2 2017.09 7,722 204 2.64%
FY2018.Q3 2017.12 7,071 165 2.33%
FY2018.Q4 2018.03 12,130 1,046 8.62%
FY2019.Q1 2018.06 6,512 -317 -4.87%
FY2019.Q2 2018.09 8,494 313 3.68%
FY2019.Q3 2018.12 10,446 533 5.1%
FY2019.Q4 2019.03 12,727 568 4.46%
FY2020.Q1 2019.06 8,067 14 0.17%
FY2020.Q2 2019.09 10,669 436 4.09%
FY2020.Q3 2019.12 11,966 949 7.93%
FY2020.Q4 2020.03 14,360 823 5.73%
FY2021.Q1 2020.06 9,640 445 4.62%
FY2021.Q2 2020.09 11,567 733 6.34%
FY2021.Q3 2020.12 11,515 673 5.84%
FY2021.Q4 2021.03 16,031 894 5.58%
FY2022.Q1 2021.06 9,440 279 2.96%
FY2022.Q2 2021.09 11,959 1,088 9.1%
FY2022.Q3 2021.12 10,538 67 0.64%
FY2022.Q4 2022.03 13,501 1,336 9.9%
FY2023.Q1 2022.06 8,957 343 3.83%
FY2023.Q2 2022.09 12,243 1,559 12.73%
FY2023.Q3 2022.12 10,175 202 1.99%
FY2023.Q4 2023.03 13,215 417 3.16%
FY2024.Q1 2023.06 9,243 335 3.62%
FY2024.Q2 2023.09 12,902 1,842 14.28%
FY2024.Q3 2023.12 12,075 1,128 9.34%
FY2024.Q4 2024.03 13,554 1,105 8.15%
FY2025.Q1 2024.06 11,944 1,099 9.2%

沿革

1935年5月に化工機製作株式会社として設立され、1938年11月に三菱化工機株式会社へ商号変更したのが同社の起源である。その後の株式会社田中機械製作所の合併および再分社化によって、1949年9月に新設された三菱化工機株式会社が現在の同社。1950年3月に東証へ上場。1995年1月のオランダ進出を皮切りに、2000年以降アジア中心に拠点を展開してきた。2022年4月、東証の市場区分見直しにより、プライム市場へ移行。各種化学工業用機器の設計、製作、修理、据付および販売等を事業とする。

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株主構成

四半期報告書によると、2022年9月末時点での筆頭株主は日本マスタートラスト信託銀行の信託口で、10.4%を保有。次いで明治安田生命保険相互会社、7011三菱重工業がともに5.4%を保有する。以下は5%未満の保有率で、取引先持株会、株式会社三菱UFJ銀行や8058三菱商事など三菱系企業、信託銀行の信託口、従業員持株会が続く。
外国人株式保有比率は10%未満(2022年7月時点)。

取締役会

取締役は10名(社内5名、社外5名)、うち4名は監査等委員(社内常勤が1名、社外常勤1名、ほか社外2名)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は、代表取締役を含め全員プロパー。社外取締役には、7011三菱重工業をはじめとする三菱系企業出身者、公認会計士、弁護士が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の田中利一氏は1959年4月生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1985年4月に同社へ入社。2015年より執行役員、取締役などを歴任後、2021年6月に現職へ昇格した。

報告セグメント

「エンジニアリング事業」ならびに「単体機械事業」の2セグメントで構成される。2023年3月期第2四半期の売上高21,200百万円の構成比は、エンジニアリング事業が71.0%、単体機械事業が29.0%であった。また同期の営業利益1,902百万円の構成比はエンジニアリング事業が48.3%、単体機械事業が51.7%で、単体機械事業の売上増、売上原価率の改善の動きが見られる。
なお地域別売上高は、国内62.0%、アジア35.0%、その他3.0%であった。

2023年3月期 第2四半期 決算説明会資料

事業モデル

プラントや環境設備の建設・エンジニアリングと、各種単体機器の製作を軸に事業を展開する。 製造機能を持ったエンジニアリング企業として、都市ガス、石油、水素、電力、化学、医薬、食品、半導体、バイオ、大気汚染防止、水処理、新エネルギーなどさまざまな分野で求められる機械・設備を製作・建設している。
エンジニアリング事業は、産業分野別に「プラント事業」ならびに「環境事業」に大別される。前者は都市ガス関連、石油精製、石油化学、電力、化学、医薬、食品などの各分野を担当し、後者は下水排水、集落排水、リサイクル、脱臭、排水処理、排煙脱硫、汚泥処理、バイオガスなどを担当する。
単体機械事業は遠心分離機、ろ過機、撹拌機、除塵装置、船舶機器、他単体機器などを扱う。
技術面では、固体・液体・気体の分離をコア技術とし、舶用油清浄機「三菱セルフジェクタ」、オンサイト型水素ステーション建設、HyGeia-A水素ステーション向け高効率小型水素製造装置ではトップシェアを誇る。

2023年3月期 第2四半期 決算説明会資料

競合他社

事業範囲が多方面にわたっているため全面的に競合する他社はないが、6332月島機械は、化学、食品、廃水関連のプラントで競合する。売上高37,352百万円(2023年3月期第2四半期)。
また、プラント全般を手掛ける1963日揮ホールディングス(同売上高267,209百万円)、6366千代田化工建設(同売上高184,312百万円)、6330東洋エンジニアリング(同売上高96,477百万円)なども、とくに石油精製・石油化学向けプラントで競合しうる。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社6社(うち連結子会社4社)、関連会社2社で構成される。
連結子会社のうち、三菱化工機アドバンス株式会社は売上高の連結売上高に占める比率が10%以上(2022年3月期22.3%)。エンジニアリング事業と単体機械事業の双方を事業内容としている。

強み・弱み

コア技術を確立し、その技術を活用したトップシェア製品を有する点が強み。機器メーカーとエンジニアリング企業の両面の機能を持つため、細やかな対応が可能。
一方で、請負契約は価格競争が激化しており、利益率を上げにくい傾向にある。

KPI

同社は2023年3月期から2025年3月期までの中期経営計画において、営業利益率ROEをKPIに掲げている。
・営業利益率:2022年3月期6.1%(2021年3月期5.6%)
・ROE:2022年3月期9.7%(2021年3月期10.8%)

業績

直近5期分の経営状況をみると、売上高、経常利益ともに右肩上がりに拡大。売上高は2022年3月期のみ前期を下回ったものの、45,438百万円と40,000百万円以上を維持。経常利益は5期で約2.5倍、2022年3月期には3,000百万円を突破した。
営業CFは期によってまちまち、投資CFもマイナスは2019年3月期、2022年3月期のみマイナス。自己資本比率はおおむね50.0%前後で推移している。

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