6332 月島機械の業績について考察してみた

6332 月島機械の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1905年8月に東京月島機械製作所が創業し、1917年5月には現商号の月島機械株式会社となる。1949年5月、東証上場。1991年2月にマレーシアに、1993年4月にタイに、1994年11月には台湾に営業拠点としての関連会社を設立。1998年12月に廃棄物処理業へ参入、2005年3月に焼却関連分野を強化、同年8月には機器サービス事業の充実・強化を図る。2011年3月に中国の営業拠点を設立。2018年3月には株式会社日本製鋼所との間で協業に関する基本協定を締結。上下水道関連施設を中心に、各種プラントの建設・維持管理及び関連機器の製造などを事業とする。

株主構成

四半期報告書によると、2020年9月末時点での筆頭株主は協業関係にある株式会社日本製鋼所で5.63%保有。次いで日本マスタートラスト信託銀行株式会社信託口が5.31%保有。以下は5%未満の保有率で、国内の機関投資家や金融機関の他に、業務提携契約を締結しているリース会社の東京センチュリー株式会社が3.99%(5位)、取引先持株会が2.79%(7位)、従業員持株会が2.60%(9位)、ノルウェー政府が2.40%(10位)保有。外国人株式保有比率は10%以上20%未満(2020年3月末時点)。

取締役会

取締役は8名(社内5名、社外3名)、監査役は3名(うち1名は常勤で社内、他2名は非常勤で社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は、代表権を持たない取締役常務執行役員の藤田直哉氏のみが三井物産株式会社の出身者、他は全員プロパー。社外取締役には弁護士、富士通株式会社シニアアドバイザー、新日本製鐵株式会社元副社長が就任。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の山田和彦氏は1947年1月生まれ。弘前大学卒業後、1969年4月に入社。代表取締役専務、代表取締役社長などを経て2020年4月より現職
代表取締役社長の福沢義之氏は1964年7月生まれ。東京都立大学卒業後、1990年4月入社。開発本部長、取締役などを経て2020年4月より現職
代表取締役専務執行役員の鷹取啓太氏は1965年7月生まれ。1988年4月入社。常務執行役員、取締役などを経て2019年4月より現職

報告セグメント

「水環境事業」ならびに「産業事業」の2セグメントで構成される。決算短信によると、2021年3月期における外部顧客への売上高90,553百万円の構成比は、水環境事業が56.2%、産業事業が43.7%、その他(印刷・製本及び不動産賃貸事業等)が0.1%であった。また、同期のセグメント利益5,662百万円の構成比は、水環境事業が68.8%、産業事業が30.9%、その他が0.3%であった。特に利益面での水環境事業の貢献度が高い

事業モデル

各種施設用のプラント建設及び機器類製造、施設の運用・維持を事業とする。導入分野別に上下水道関連と製造業関連に大別され、前者を水環境事業が後者を産業事業が担当する。
水環境事業では浄水場及び下水処理場の設計・建設、これらの施設で使用される脱水機、乾燥機、焼却炉等の機器の設計・製造・販売を行っている。施設の立ち上げのみならず、O&Mや両者を一体化したPFI/DBOも事業とする。また、上下水道関係以外では廃棄物処理やそれに伴う廃熱を利用した発電などの事業を展開する。
産業事業においては化学、鉄鋼、食品の各産業向けのプラント・機器、排ガス処理装置、ごみ焼却炉などが主力となる。廃液燃焼システムでは国内シェア70%を誇る。本事業はマレーシアをはじめとする海外にも展開する。
同記事執筆時点で最新の本決算の有価証券報告書である2020年3月期の開示では、地域ごとの売上高は日本が87.4%、アジアは9.2%、その他は3.4%であった。

2021年3月期決算説明会資料

競合他社

9551 メタウォーター(株)上下水道施設の建設・運用を主力事業とする点で競合する。売上高133,355百万円(2021年3月期)。また、6299 (株)神鋼環境ソリューションも、水処理、廃棄物処理の分野で競合。売上高112,405百万円(2021年3月期)。なお、同社の売上高は90,553百万円(2021年3月期)。

連結の範囲

同社グループは、同社、子会社23社(うち連結子会社14社)、関連会社11社(うち持分法適用会社9社)で構成される(2020年3月末時点)。連結子会社のうち、月島テクノメンテサービス株式会社ならびに月島環境エンジニアリング株式会社の売上高の連結売上高に占める比率は10%以上で、前者が24.4%、後者が13.5%であった(2020年3月期)。また事業分担については、前者が上下水道処理設備の運転・保守管理及び補修工事等、後者は環境改善及び各種化学工業用・一般産業用装置、機器の設計・製造等である。

強み・弱み

水環境事業は、特に上下水道施設の運転・保守管理業務は景気に左右されにくく、安定した事業基盤である点が強み。一方、産業事業は米中貿易摩擦や新型コロナウィルス感染症など、外部リスクに影響されやすい。

KPI

受注実績、受注高などが、主要なKPIと見られる。
・水環境事業 主要プラント受注2件(2021年3月期)
・産業事業 5億円以上の受注案件7件(2021年3月期)

2021年3月期決算説明会資料

業績

過去3期にわたって売上高ならびに経常利益ともに順調に拡大してきたが、2021年3月期は売上低迷と販管費増加が原因で減収減益となり、売上高90,553百万円(前期比▲9.7%)、営業利益5,662百万円(前期比▲29.7%)、経常利益6,124百万円(前期比▲27.6%)であった。営業CFは2018年3月期を除いた2016年3月期から2021年3月期までプラス、投資CFは恒常的にマイナス。直近決算期の自己資本比率は48.9%。