6143 ソディックの業績について考察してみた

6143 ソディックの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1976年8月神奈川県に株式会社ソディックとして設立、放電加工機の開発・製造・販売を開始。1980年8月米国Sodick-Inova Inc.(現Sodick, Inc.)に資本参加。1982年3月米国にSodick Ltd.を設立。その後、ドイツ、タイ(日本アジア投資株式会社と合弁)、中国などへ関係会社を設立し積極的に海外展開。1986年2月東証二部へ上場、2015年3月東証一部へ指定。放電加工機で世界首位の工作機械メーカー、産業機械、食品機械等の開発・製造及び販売・保守サービスなどを行う。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、株式会社日本カストディ銀行(信託口)7.92%、日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口)7.58%を保有。以下5%未満の保有で、ソディック共栄持株会、株式会社三井住友銀行、創業者である古川利彦氏の妻古川宏子氏、代表取締役社長の古川健一氏、株式会社北陸銀行のほか、信託銀行の信託口などが並ぶ。

取締役会

取締役は10名(社内6名、社外4名)、監査役は5名(社内2名、社外3名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名の内、2名はプロパー、1名は株式会社住友銀行(現株式会社三井住友銀行)などの出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の金子雄二氏は1957年4月生まれ。武蔵工業大学を卒業後、同社に入社。生産本部エレクトロニクス技術部長や開発本部長、Sodick America Corporationの取締役社長などを経験し、2018年3月に現職へ就任。
代表取締役社長の古川健一氏は1972年8月生まれ。1999年8月同社に入社。入社以前の経歴は開示がない。株式会社トム・ソディックの取締役社長などを経験し、2018年3月に現職へ就任。Sodick (Thailand) Co.,Ltd.取締役会長、株式会社ソディックエフ・ティ取締役会長も兼任。

報告セグメント

「工作機械事業」、「産業機械事業」、「食品機械事業」の3報告セグメント及び報告セグメントに含まれない事業セグメントの「その他」に大別される。2021年12月期第1四半期の売上高14,317百万円の構成比は、工作機械事業72.6%、産業機械事業13.2%、食品機械事業4.0%、その他10.2%である。セグメント利益(又は損失)は、工作機械事業898百万円、産業機械事業10百万円、食品機械事業▲39百万円、その他144百万円であり、調整額を差し引くと営業利益は424百万円であった。

第1四半期 説明資料 (2021.05.11)

事業モデル

工作機械事業は、世界首位級のシェアを持つ放電加工機をはじめ、金属3Dプリンタ機など幅広いラインナップの製品を提供。自動車関連業界や、スマートフォン、デジタルカメラなどに代表されるエレクトロニクス関連業界など、幅広い分野で高い評価を獲得している。
産業機械事業は、射出成形機の開発・製造、販売・保守サービスを行う。プラスチックなどの資源の有効活用と、環境を配慮した射出成形機の製造販売を手掛けている。
食品機械事業は、食品機械の開発・製造、販売・保守サービスを行う。製麺機、ゆで麺プラント、炊飯装置など600機種以上の食品機械ラインナップの中からコンビニやスーパーなどで売られているうどん、そば、ラーメンなどを製造するのに最適な1台を顧客へ提案している。
その他は、金型の設計・製造並びにプラスチック成形加工、金型、プラスチック成形品の販売、リニアモータ応用製品の開発及び製造、工作機械用NC装置のハードウェア及びソフトウェアの開発、モータに使用される磁石の開発及び製造、セラミックス製品の開発及び製造、リニアモータ応用製品の販売、セラミックス製品の販売を行う。

同社HP ホーム

同社によると、国内においては、政府の補助金政策や老朽化設備の更新需要のほか、次世代自動車や5G関連向けなどの需要は期待できるが、設備投資マインドの低下や投資見送り傾向もあり、先行き不透明な状況が続くとみられる。北米・欧州においては、自動車関連には回復傾向が見られるものの、航空宇宙関連においては厳しい状況となる見通し。中華圏においては、米中関係の悪化など、先行きに不透明感があるが、5G、半導体、自動車関連等でものづくりの高度化や自動化ニーズの高まりなどがあり、高精度機の需要が継続する見込みとのこと。アジアでは地域別に濃淡があるものの、依然として厳しい状況が継続する見込みだという。

競合他社

6135牧野フライス製作所(直近決算期売上高1,167億円)、6141DMG森精機(直近決算期売上高3,282億円)などが競合として挙げられるが、同社のように「放電加工機」が収益の大半を占める企業は少ないとみられる。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社21社及び持分法適用関連会社1社で構成され、放電加工機、マシニングセンタ並びに金属3Dプリンタ等の開発・製造・販売を行う工作機械事業、射出成形機等の開発・製造・販売を行う産業機械事業、麺製造プラント、製麺機、包装米飯製造装置などの食品機械の開発・製造・販売を行う食品機械事業、プラスチック成形品等の製造、リニアモータ応用製品及びその制御機器、セラミックス製品、LED照明などの開発・製造・販売などのその他事業を行う。

強み・弱み

創業当初から培った高い技術力や、早期より海外展開しており国内外の販売ネットワークが強み。海外売上高比率が6割を超えており、特に中国市場における売上高は4割弱を占め、中国での成功は強みであるとともに、中国市場への依存度が高まっている点は課題でもある。

KPI

受注状況についての開示はないが、次のようなものがKPIとして考えられる。
①地域別売上高
②放電加工機受注台数
③放電加工機販売台
④従業員数
⑤為替レート

決算 説明資料 (2021.02.19)

業績

2017年12月期から2020年12月期までの4期をみると、売上高は65,604百万円から58,030百万円、経常利益は7,910百万円から2,046百万円と減収減益。製造業における設備投資が抑制されていることなどが要因とみられる。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年12月期第1四半期の自己資本比率は47.1%。