6495 宮入バルブ製作所の業績について考察してみた

6495 宮入バルブ製作所の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1949年4月、株式会社宮入製作所として東京都に創立され、LPガス供給に関わるバルブ類の生産を開始。1958年には販売部門を分離独立させ、宮入バルブ販売株式会社を設立する。1963年9月、東証二部へ上場。1964年5月、業務拡大のため、宮入バルブ販売株式会社を吸収合併。株式会社宮入バルブ製作所へと商号変更をおこなった。
バルブとは配管内の液体や気体を流したり、絞ったりする機能を持つ機器のこと。LPガス供給に使われるバルブ類は製造設備用、貯蔵設備用、ガスコック、容器用、バルク貯槽用などさまざまだ。現在もLPガス事業分野を主力としており、LPガス供給関連のバルブ類を川上から川下まで製造販売している。

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株主構成

有価証券報告書によると、2021年3月末日時点の筆頭株主はおもな得意先である昌栄機工株式会社で、4.8%を保有する。ほか保有割合3%未満で取引先持株会や従業員持株会、個人名が並ぶ。なお、外国人株式保有比率は10%未満である。

取締役会

取締役は5名(社内4名、社外1名)、監査役は3名(社内1名、社外2名。社内1名は常勤)、監査役会設置会社である。代表取締役をのぞく社内取締役は50代。うち2名はプロパー社員とみられる。取締役営業本部長の荒川祐一氏は1964年8月生まれ。6989北陸電気工業、6908イリソ電子工業、6618大泉製作所などの電気・電子部品メーカーを経て、2011年に同社へ入社。2019年6月、現職に就任した。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の西田憲司氏は1958年10月生まれ。京都大学法学部を卒業後、1981年4月、株式会社三井銀行へと入社。その後、シティバンク, エヌ・エイ、6618大泉製作所を経て、2014年6月に同社へと入社し、取締役に就く。2015年10月、代表取締役副社長に就任。2016年6月より現職を務める。
取締役営業本部長の荒川祐一氏と、前社長の平綿孝之氏とは3名同時期に6618大泉製作所に在籍していた。

報告セグメント

「高圧ガス用バルブおよび関連機器類の製造、販売等」の単一セグメント

事業モデル

LPG(液化石油ガス)やLNG(液化天然ガス)などのエネルギーガスを中心に各種ガス体を制御するバルブ・機器類の製造販売をおこなう。
おもに「黄銅弁」と「鉄鋼弁」を製造・販売する。黄銅弁は一般家庭用、工業用、自動車用のガス容器などに使用される。他方、鉄鋼弁はLNGを貯蔵する設備、LNGを輸送するローリー車、LNGを燃料とする船に用いられるほか、医療用気体の制御、消火設備にも使用されている。2022年3月期第1四半期の売上高1,196百万円の構成は黄銅弁が57.4%、鉄鋼弁が26.6%。主要な得意先は矢崎エナジーシステム株式会社、昌栄機工株式会社、サンエツ金属株式会社で、3社への売上高は全体の約25%を占める。
ガス関連バルブの市場は、普及率の高さゆえ長期的には緩やかな縮小傾向にあると予想される。拡大事業として液体水素を扱う設備で使用される極低温バルブ類の開発・製品化および販売を手がける。さらに新事業では食品加工産業で使われるバルブ類の開発・製造・販売に取り組み、派生してワインろ過器の製品化に成功している。

会社資料よりPERAGARU_BLOG作成

競合他社

バルブメーカーは国内に200社以上あるといわれ、大小さまざまな企業と競合する。なかでも最大手は総合バルブメーカーの6498キッツで、アジアでもトップシェアを持つ。また6497ハマイはLPガス容器用バルブで業界トップ。売上高を比較すると6497ハマイの2020年12月期売上高8,276百万円に対し、同社の2021年3月期売上高は4,652百万円である。

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たないが、2021年7月に非上場のインターバルブテクノロジー株式会社と合弁契約を締結。株式会社MS-IVT(仮称)を設立し、2022年2月より事業開始予定である。

強み・弱み

同社の主力事業分野は高圧ガス保安法の規制を受けるため、参入障壁が高い。厳しい規制の中、80年近くにわたる実績と、経済産業大臣の認定に裏づけされる品質の高さが強み。一方で主力の市場は縮小傾向にある点が懸念材料である。LNGおよび水素用弁を核とする低温弁事業の拡大、食品加工工場向けなどの新製品開発、ならびにインターバルブテクノロジー株式会社との提携による中国向け半導体製造装置用バルブの開発が急がれる

KPI

経営目標として年間売上高6,000百万円、営業利益率6%~8%を掲げているため、両数値はKPIとなりうる。以下、2021年3月期の数値である。
①売上高:4,652百万円(2020年3月期:4,722百万円)
②営業利益率:1.81%(2020年3月期:0.74%)

業績

過去5期分の経営状況をみると、売上高は2018年3月期の4,888百万円をピークに減少している。しかし2017年3月期の4,514百万円と比較すると2021年3月期は4,652百万円となり、3.0%の成長となった。経常利益についても2017年3月期の111百万円より減益続き。2019年3月期には原材料価格の高止まりや人件費の増加などから▲56百万円まで落ち込んだものの、2021年3月期には79百万円まで持ち直した。自己資本比率は45%前後で推移している。投資CFは恒常的にマイナス、営業CFは2020年3月期までマイナス推移だったが2021年3月期にプラスへ転換。

会社資料よりPERAGARU_BLOG作成