2489 アドウェイズの業績について考察してみた

2489 アドウェイズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q2 2022.06 3,213 294 9.15%
FY2022.Q3 2022.09 3,216 240 7.46%
FY2022.Q4 2022.12 3,468 482 13.9%
FY2023.Q1 2023.03 3,455 539 15.6%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q4 2017.03 11,714 157 1.34%
FY2018.Q1 2017.06 10,694 162 1.51%
FY2018.Q2 2017.09 10,567 215 2.03%
FY2018.Q3 2017.12 9,071 -166 -1.83%
FY2018.Q4 2018.03 11,169 88 0.79%
FY2019.Q1 2018.06 11,443 411 3.59%
FY2019.Q2 2018.09 11,045 155 1.4%
FY2019.Q3 2018.12 10,038 121 1.21%
FY2019.Q4 2019.03 9,331 35 0.38%
FY2020.Q1 2019.06 9,026 -109 -1.21%
FY2020.Q2 2019.09 8,997 5 0.06%
FY2020.Q3 2019.12 9,126 103 1.13%
FY2020.Q4 2020.03 10,155 198 1.95%
FY2021.Q1 2020.06 10,003 189 1.89%
FY2021.Q2 2020.09 11,489 493 4.29%
FY2021.Q3 2020.12 11,962 397 3.32%
FY2021.Q4 2021.03 15,566 547 3.51%
FY2021.Q2 2021.06 2,754 305 11.07%
FY2021.Q3 2021.09 3,010 486 16.15%
FY2021.Q4 2021.12 3,933 507 12.89%
FY2022.Q1 2022.03 3,518 655 18.62%
FY2022.Q2 2022.06 3,213 294 9.15%
FY2022.Q3 2022.09 3,216 240 7.46%
FY2022.Q4 2022.12 3,468 482 13.9%
FY2023.Q1 2023.03 3,455 539 15.6%

沿革

2000年8月インターネット広告サービスを目的とした「アドウェイズエージェンシー」を個人事業として創業。2001年2月大阪府にて株式会社アドウェイズを設立。2001年4月成果報酬型広告サービス「Adways Network」を提供開始。2006年6月東証マザーズへ上場。2007年6月8001伊藤忠商事との資本業務提携。2010年11月スマートフォンアプリ向け広告サービス「AppDriver」を提供開始。2012年3月2432ディー・エヌ・エーと広告事業及びソーシャルゲーム事業において戦略的提携。2017年5月スマートフォン向け広告プラットフォーム「UNICORN」を提供開始。2019年11月株式会社博報堂DYメディアパートナーズと資本業務提携。2020年12月東証一部へ市場変更。2022年4月東証の市場区分見直しによりプライム市場へ移行。広告事業を中心に、データ事業、アプリ・メディア事業等を営む

株主構成

有価証券報告書によると2022年6月末時点の筆頭株主は、同社創業者で取締役会長の岡村陽久氏で保有割合20.57%。8001伊藤忠商事が10.10%、2433博報堂DYホールディングスが9.19%、日本マスタートラスト信託銀行の信託口が8.31%、株式会社博報堂DYメディアパートナーズが7.16%で続き、以降は保有割合5%未満で国内信託銀行、国内外証券会社が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表権を持たない社内取締役3名は同社創業者、プロパーで構成される。

代表取締役の経歴

取締役社長の山田翔氏は1985年3月生まれ。2007年4月同社に入社、新規メディアの立ち上げを担当。2014年4月執行役員に就任、関連会社の取締役も務める中、2016年6月より同社取締役、2021年7月より同社代表取締役を務める。同社創業者で東証マザーズ上場時、当時の東証上場企業の中で最年少の社長(26歳)だった岡野陽久氏は2021年7月より取締役会長となった。

報告セグメント

「エージェンシー事業」と「アドプラットフォーム事業」の2報告セグメントおよび報告セグメントに含まれない新規事業等のその他に大別される。2022年12月期第3四半期累計期間の売上高9,947百万円の構成比は、エージェンシー事業61.1%、アドプラットフォーム事業26.3%、残りがその他である。セグメント利益は、エージェンシー事業1,518百万円、アドプラットフォーム事業1,178百万円、その他99百万円であり、それらから全社費用等を控除した営業利益は1,189百万円であった。

事業モデル

エージェンシー事業では広告代理業を行っている。マーケティング戦略立案や市場調査、分析など包括的にマーケティング支援を行っており、後述のアドプラットフォーム事業を通じた広告配信のほか、TikTokやInstagramなど他社プラットフォームを通じた配信も行う。同社に蓄積されたデータを用いて新開発した「AMPコア」により広告の最適化ソリューションを提供する。中国、台湾を就寝に海外にも事業展開している。アドプラットフォーム事業ではUNICORN・アフィリエイトなどの広告配信プラットフォームの運営を行う。UNICORNは機械学習と未来予測を可能にした全自動マーケティングプラットフォームで、グーグル社のGoogle Ad Managerやアップル社のSearch Adsなどと提携しサービス提供をしている。アフィリエイトサービスはWeb領域に特化したJANet、アプリ領域に特化したSmart-Cを提供する。広告主からの出稿料が同社の収益となる。

2022年12月期第3四半期決算説明会 資料

日本におけるスマートフォンの普及、インターネット広告の急速な増加等に伴い、海外広告主の日本向け広告配信が増加しているとともに、インターネット広告の多様化から国内広告主においても同広告媒体における総合広告代理業のニーズが高まっている。

競合他社

アフィリエイト広告大手の2491バリューコマース(2021年12月期売上高33,560百万円)や、2461ファンコミュニケーションズ(同26,700百万円)などが競合として挙げられる。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社29社、持分法適用関連会社8社等で構成され、日本やアジア及び北米において、インターネット広告サービスの提供等を行う。

強み・弱み

これまで培ってきたPC・携帯電話双方の経験とスキルを活かしたビジネスが強み。スマートフォンでのゲームを提供・運営を行うゲームアプリ業界、マンガアプリの提供・運営を行うマンガアプリ業界、キャッシングやクレジットカードの発行等を行う金融業界及び、QRコード決済サービスを提供する広告主の占める割合が高くなっており、これら4業界の広告出稿量や報酬単価の変動に起因して、業績に影響を及ぼす可能性がある点が弱み。また同社はアフィリエイト広告に特化していることから、新たな広告手法が出現した際にはリスク要因となりえる。

KPI

スマートフォン向け広告プラットフォーム「UNICORN」の進捗等について開示している。
①売上高/機械学習コスト推移
②代理店への販売状況
③ジャンル別進捗

2022年12月期第3四半期決算説明会 資料

業績

売上高は40,000百万円前後で推移していたが、コロナ禍における可処分時間の増加等からマンガアプリでの広告需要の高まりなどを受け2021年3月期は前期比+31.4%の増収となった。以降は9か月変則決算、収益認識基準の変更から比較困難となるが、2022年12月期には13,800百万円の売上高を見込んでいる。営業利益率は2021年3月期が3.3%、2022年12月期が10.2%。フリーCFはプラスの期が多いが、売上債権の変動が大きい。2021年12月期末の自己資本比率は57.8%

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