3934 ベネフィットジャパンの業績について考察してみた

3934 ベネフィットジャパンの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1996年大阪府にて株式会社ベネフィットジャパン設立。同年8月にPHS、1998年2月に携帯電話サービス加入取次を開始。MVNO(仮想移動体通信業者)として2013年7月に個人向けモバイルデータ通信サービス、2015年2月に個人向けスマホサービス、2016年12月にモバイル型ロボット「ロボホン」の提供開始。株式は2016年3月東証マザーズに上場、2018年3月に東証一部に変更現在はモバイルWi-Fiを主力としたMVNO事業を展開する。

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株主構成

2021年3月期の有価証券報告書によると2021年3月末時点の大株主は、筆頭株主が代表取締役の佐久間寛氏で保有割合23.77%、佐久間氏の資産管理会社である有限会社サクマジャパンが20.63%で続き、佐久間氏の持ち分は合わせて44.4%となる。9435光通信9.91%、光通信の関連組織、株式会社UHPartners2が9.86%、株式会社UHPartners3が9.27%で光通信の持ち分は合計29.04%。以降は保有割合5%未満で国内信託銀行信託口、海外銀行クライアント口座、同社常務取締役および代表取締役とみられる個人名が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、うち監査等委員3名 (社内1名、社外2名)、監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役はプロパー入社3名、アメックスや9434ソフトバンク等の経験者、三菱UFJ銀行出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役の佐久間寛氏は1966年2月生まれ。学歴は不明。1988年11月イベント物販運営などを手掛ける株式会社エスピージャパン設立、代表取締役社長を務める。その後1996年6月同社を設立、以降代表取締役社長を務める。現在は連結子会社の株式会社ライフスタイルウォーターの代表取締役社長、株式会社モバイル・プランニング取締役を兼任する。

報告セグメント

「MVNO事業」の単一セグメント、および天然水宅配事等からなるその他で構成される。2021年3月期売上高9,945百万円の事業別構成比は、MVNO事業に含まれるモバイルWi-Fi事業が81%、ロボット事業が13%で、その他が6%だった。全社費用控除前の営業利益は1,645百万円で、うちMVNO事業にて93%を計上(Wi-Fi事業、ロボット事業の内訳開示無し)。

事業モデル

MVNO事業は、複数の通信事業者から回線の提供を受け、一般顧客向けにモバイルWi-FiとSIMカードをパッケージ化した「ONLYMobile」、及びコミュニケーションロボットとSIMカードをパッケージ化した「ONLYROBO」の端末販売および通信サービスを提供している。顧客ターゲット層はITツールの活用習慣が根づいていない主婦層やシニア層で、商業施設等の各店頭を一時使用しデモンストレーションを交えながらの販促を中心としている。新規顧客獲得業務は代理店に委託もしており、新規販売件数のうち、代理店経由は全体の7割に達する。各端末代金を割賦契約にて販売したものがイニシャル収益となるほか、モバイルデータ通信サービスの月額通信利用料がストック収益となる。下図の通り、ストック収益は全売上高の50%超を占める。またモバイル通信サービスの付帯サービスとして、故障・破損・紛失等の補償、インターネットセキュリティサービス等の「ONLYOPTION」を月額利用にて提供、これらを総称「ONLYSERVICE」ブランドとして提供している。

2021年3月期決算説明資料

同社主力事業のモバイルWi-Fiは、オンライン授業やテレワーク需要の拡大や、単身世帯の増加により引越しの都度工事が必要となる固定回線よりも手軽に活用出来る点からニーズが高まっている
中期経営計画“Connecting to the Future(未来を繋ぐ)” 2022/3-2024/3

競合他社

Wi-Fiルーターレンタル事業等を行う9416ビジョン(2020年12月期売上高16,654百万円)、公衆無線LAN、WiMAXサービス展開する9419ワイヤレスゲート(同10,745百万円)、MVNOの先駆である9424日本通信(2021年3月期売上高3,497百万円)、MVNO大手3774インターネットイニシアティブ(同213,002百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

天然水宅配事業等を行う株式会社ライフスタイルウォーターと、モバイルWi-Fiのレンタル事業等を行う株式会社モバイル・プランニングの2社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

20年以上のキャリアを通じて培ったショッピングモールなどにおける対面販売のノウハウ、10,000店舗を超える販売ネットワークが同社の強み。また、ドコモの回線を利用しており通信の安定性への評価も高い。一方でMVNO事業は参入事業者が増え、競争が激化する中で差別化しにくいビジネスモデルであることはリスク。通信事業者からの回線を借り受け料金等の変更や5Gの取扱い状況などが同社業績に影響を与えることも懸念点。

KPI

①モバイルWi-Fi会員数(2021年3月時点:119,600人)
②コミュニケーションロボット会員数(2021年3月時点:11,700人)
③ONLYSERVICE総会員数(2021年3月時点:151,100人)

業績

2018年3月期以降、連続して増収増益。フリーCFは売上債権の増加による営業CFマイナスを主因にマイナス続いていたが、2021年3月期はプラスに。有利子負債が増加傾向で、自己資本比率は2017年3月期の73.3%から2021年3月期は58.6%に低下している。