4493 サイバーセキュリティークラウドの業績について考察してみた

4493 サイバーセキュリティークラウドの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

サイバーセキュリティークラウドの事業概要

Webセキュリティサービスを自社で運用開発し、提供する。主力商品は国内販売実績No.1の「攻撃遮断くん」で、外部からのサイバー攻撃を遮断しWebサイトやWebサーバーを守るクラウド型サービス。ほか、Amazon Web Service(AWS) Web Application Firewall(WAF)ルールの自動運用サービス「WafCharm」と、AWS WAFのルールセット「Managed Rules」の提供も急拡大中である。
さまざまなサービスがWebサービスに置き換わる中、情報セキュリティサービスは成長市場である。同社はその恩恵もあり業績を急拡大している。
従業員数は45名(2020年9月末時点)。約半数がエンジニアで、当期だけで15名増員している。
・沿革
同社は2010年に「株式会社アミティエ」として設立され、2014年に「株式会社サイバーセキュリティクラウド」へ商号変更。Webセキュリティ事業は2013年1月に開始し、同年12月よりクラウド型WAF「攻撃遮断くん サーバーセキュリティタイプ」を提供してきた。2017年には国内販売実績No.1となり、2018年には米国法人を設立した。2020年3月より東京証券取引所マザーズに上場している。
・株主構成
20年6月末時点の大株主は、株式会社ベクトルや株式会社オークファン及びその代表者たち、同社代表大野氏、GMCM Venture Capital Partners I Inc などで合計50.4%と人的・資本的つながりが強いとみられる特定の企業・起業家集団で過半数を構成している。尚、外国人株式保有比率は30%以上である。
・取締役会構成
同社の取締役は5名(社内3名、独立役員の社外2名。)、監査役3名(独立役員の社外3名)であり、監査役会設置会社である。
・代表取締役の経歴
代表取締役社長の大野暉氏は1990年生まれ、早稲田大学卒業。高校生の頃から起業や事業売却に携わり、13年からスタートアップにて新規事業や社長室長を歴任後、16年から社長として同社へ。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
同社はWebセキュリティ事業の単一セグメント。2020年12月期第3四半期時点のプロダクト別売上高は、「攻撃遮断くん」675百万円(78.7%)、「WafCharm」143百万円(16.6%)、「Managed Rules」38百万円(4.4%)の構成である
・競合他社
世界的に同規模の企業が大半で、国内上場企業では競合なし。クラウド型WAFをOEM提供でなく自社で開発運用するのは、グローバルに数社のみ。「WafCharm」と「Manaed Rules」は競合製品なし。
・連結の範囲
該当なし。米国法人は重要性の観点から非連結子会社である。

Webセキュリティ事業

・事業モデル
同社の収益構造は、9割以上が月額課金額を占めるストック収益型で3プロダクトに共通である。決まったサイト数かサーバー台数に紐づくトラフィック量への従量課金が基本で、既存顧客のサービス拡大によりトラフィック量が増えると、アップセルで同社収益も増加する。
現在4割程度を占める代理店経由の売上高は今後上昇するため、粗利率は下がる。一方で、マーケット開拓の加速により、AIの学習データ量が増加し、セキュリティ品質と競争力が高まる見込み。
・強みや弱み
サイトへの攻撃の検知には、ディープラーニングするAIを用いる。自社で運用・開発したサービスがすでに12000サイト以上へ導入されており、そのデータをもとに学習したAIでサービス提供できることは同社唯一の強みである。
・事業の盛衰
WAFは、導入費用・運用の難しさ・技術力の観点から普及が進まなかった。ここに来て、クラウド化とAIによりそれらの課題が解決され、急速に導入が進む。
AWS WAFは、AWSユーザーの拡大期にあり、WAF実装はこれから。
・KPI
2020年12月期第3四半期の実績及び前年同期比成長率は以下。
①ARR 1,240百万円(+43.0%)

②利用企業数 875社(+15.3%)
③ARPU 1,046百万円(前期末比で+5.8%)
④解約率 「攻撃遮断くん」 1.15%(横ばい)、「WhatCharm」0.48%(0.05ポイント上昇)
・懸念点
同社自身がセキュリティ攻撃の対象となること、AIの進化によりプラットフォーマーがWAFを実装してベンダーが不要になること。
・業績の進捗
2020年12月期第3四半期の売上高は857百万円(前年同期比+47.9%)とコロナの恩恵もあり新規受注・アップセルにより高成長が続く。営業利益は168百万円(前年同期比+36.5%)と、サーバーコストや人員増加など投資の費用増加はあったが増益。

成長戦略として、テクノロジー、プロダクト、マーケットの3点を掲げており、拡大市場の中でシェアトップ企業としての恩恵を受けることもあり今後も業績拡大が続くと見込まれる。