4493 サイバーセキュリティークラウドの業績について考察してみた

4493 サイバーセキュリティークラウドの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

沿革

2010年8月、東京都にて株式会社アミティエ設立。2013年1月よりサイバーセキュリティ業務を開始する。2013年12月に提供を開始したWebサイト・サーバーへのサイバー攻撃を可視化・遮断する「攻撃遮断くん WEBセキュリティタイプ」のクラウド型等への展開により業績を拡大してきた。2014年10月に株式会社サイバーセキュリティクラウドに商号変更。2018年9月米国法人を設立。2020年3月東証マザーズに上場AI技術を活用したWebセキュリティサービスを提供する

株主構成

有価証券報告書によると2021年6月末時点の筆頭株主は、6058ベクトルの香港拠点であるVector Group International  Limitedで保有割合16.37%。3674オークファンが9.99%、6058ベクトルの創業者西江肇司氏が6.03%で続き、以降は保有割合5%未満でベンチャーキャピタル、3300アンビションDXホールディングス、個人名などが並ぶ。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表権をもたない社内取締役は公認会計士で、監査法人出身。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。代表取締役社長兼CEOの小池敏弘氏は1983年1月生まれ。甲南大学卒業後、2006年4月現株式会社リクルートジョブズ入社。その後AppSocially株式会社取締役、株式会社ALIVALの代表取締役を務める。同社には2021年1月入社。2021年3月より代表取締役を務める
代表取締役CTOの渡辺洋司氏は1975年8月生まれ。明治大学卒業後、1998年4月株式会社アルファシステム入社。株式会社アスケイドにて経験後、2016年4月同社にCTO兼Webセキュリティ事業部長として入社。2017年6月より取締役、2021年3月より代表取締役を務める

報告セグメント

サイバーセキュリティ事業の単一セグメント。2020年12月期のプロダクト別売上高は、「攻撃遮断くん」919百万円(77.0%)、「WafCharm」216百万円(18.1%)、「Managed Rules」58百万円(4.9%)の構成である。

事業モデル

Webサイトへのサーバ攻撃の可視化・遮断するクラウド型WAF「攻撃遮断くん」が主力商品。パブリッククラウドにて提供されているWAFをAIとビッグデータによって自動運用する「Waf Charm」、AWS WAF専用のルールセット「Managed Rules」と、子会社にて脆弱性管理ツールの「SIDfm」を展開する。(WAF…Web Application Firewallの略称で、ファイアウォールの一種。Webアプリケーションの脆弱性を悪用した攻撃から、WebサーバやWebサイトを保護するセキュリティ対策。)

事業計画及び成長可能性に関する説明資料

国内メーカーとして、自社で開発・運用・販売まで行う企業は少ない。また同社グループの収益構造は、9割以上が月額課金額を占めるストック収益型である(下図)。決まったサイト数かサーバ台数に紐づくトラフィック量への従量課金が基本で、既存顧客のサービス拡大によりトラフィック量が増えると、アップセルで同社収益も増加する。

事業計画及び成長可能性に関する説明資料

販売網の拡大を目指し、販売パートナーの更なる獲得を狙う方針。パートナー経由の販売は粗利益率の低下要因となると考えられるが、一方で、マーケット開拓の加速により、AIの学習データ量が増加し、セキュリティ品質と競争力が高まる見込み。

競合他社

3692FFRIセキュリティ(2021年3月期売上高1,618百万円)や6050イー・ガーディアン(2021年9月期売上高9,933百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

脆弱性管理事業「SIDfm」の開発と脆弱性診断サービスを提供する株式会社ソフテックが該当するが、2022年4月1日付で同社が吸収合併する予定であることが発表されている。米国法人は重要性の観点から非連結子会社である。

強み・弱み

サブスクリプション型モデルと低い解約率がもたらす安定収益大手企業等多数の顧客に採用された実績が強みとして挙げられる。また従業員数5,000人未満の企業はWAF導入率が低く、今後も市場開拓余地が残されている。主力プロダクトの「攻撃遮断くん」は、導入サイトが15,000サイト以上でクラウド型WAF国内No.1。また継続率は98.9%に達する。一方でサイバーセキュリティは市場黎明期にあり不確定要素が多く、市場の成長スピードが同社想定と異なる可能性があることなどがリスク要因として考えられる。

KPI

プロダクト毎の主要KPIは下図の通り。

2021年12月期第3四半期決算説明資料

業績

同社サービスの認知度向上、受注増加により増収増益が継続している2020年12月期売上高は前期比+46.3%、2021年12月期予想は同+50.7%と高い成長を維持する。2020年12月期の営業利益率は10%台中盤で、2020年12月期は15.7%だった。子会社株式取得等により投資CFがマイナスとなり、2020年12月期のフリーCFはマイナス。自己資本比率は44.2%

関連ありそうな記事