3692 FFRIセキュリティの業績について考察してみた

3692 FFRIセキュリティの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2007年7月株式会社フォーティーンフォティ技術研究所を東京都新宿区に設立し、包括的セキュリティリサーチサービスを提供開始。2009年5月に標的型攻撃対策ソフトウェア「FFRI yarai」を販売開始。2013年6月株式会社FFRIに商号変更。2014年9月東証マザーズ上場。2019年6月株式会社FFRIセキュリティに商号変更。標的型攻撃対策ソフトウェアに特化したセキュリティ・サービスを提供する

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の大株主は、代表取締役社長の鵜飼裕司氏で23.71%、次いで専務取締役の金居良治氏が19.85%、BBH三井住友(ロンドンB)ジャパンスモールCが4.14%、株式会社日本カストディ銀行が信託口で4.0%、BNYM AS AGT/CLTS10OPERCENTが3.8%、常務取締役の田中重樹氏が2.1%等、取締役や海外金融機関が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、うち監査等委員4名 (社内1名、社外3名)、監査等委員会設置会社である。専務取締役の金居良治氏はBeyond Trust社を経て、2007年7月に同社を設立。2018年6月現職へ就任した。常務取締役の田中重樹氏はバリオセキュア株式会社を経て、取締役の川原一郎氏は株式会社システナとインフォサイエンス株式会社を経て、取締役の梅橋一充氏は富士インフォックス・ネット株式会社とソーバル株式会社を経て、取締役の原澤一彦氏はUDトラックス株式会社を経て2008年~2013年頃にそれぞれ同社へ入社し、ここ数年の間に取締役へ就任。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の鵜飼裕司氏は1973年2月生まれ。徳島大学大学院工学研究科を卒業後、イーストマンコダックジャパン株式会社とBeyond Trust社を経て、2007年7月に同社を設立し副社長と務め、2009年3月より現職へ就任した。

報告セグメント

「サイバー・セキュリティ事業」の単一セグメントである。サイバー・セキュリティ事業は「ナショナルセキュリティセクター」と「パブリックセクター」、「プライベートセクター」の3つに大別される。2021年3月期第3四半期では売上高1,056百万円の内、ナショナルセキュリティセクターが52百万円で4.9%、パブリックセクターが291百万円で27.6%、プライベートセクターが713百万円で67.5%を占める。セグメント利益は期によって変動があるが、営業利益率は概ね10~20%台で推移。

事業モデル

主力のプライベートセクターは、民間企業向けにセキュリティ・プロダクトの販売やセキュリティ・サービスを提供。主要商品の「FFRI yarai」は既存の標的型攻撃に加えて、未知のマルウェア攻撃を防御することが出来る標的型攻撃対策製品で、サブスクリプション又は無期限ライセンスで販売する。2020年3月には日本電気株式会社とOME契約を締結、国内の中小企業や地方自治体への販売拡大を図る。国内個人向けにはソースネクスト社よりOEM製品「二重の安心 Powered by FFRI yarai」の販売を開始。販売チャネルは販売パートナー及びOEM販売が主力で、個人向けは自社グループからの直接販売もある。
パブリックセクターは、地方自治体や官公庁向けにセキュリティ・プロダクトを販売する。情報セキュリティの政府統一基準の改定に伴い、今後需要拡大が期待される分野である。
ナショナルセキュリティセクターは、国家安全保障に関する案件に対して、横須賀ナショナルセキュリティR&Dセンターを拠点にソリューションを提供。サービス案件も多く、第4四半期に利益偏重しやすい
主要な販売先は株式会社ソリトンシステムズと株式会社インフォセックで、2020年3月期は2社合算で総売上高の内20%を超える

競合他社

情報セキュリティソフト国内首位4704トレンドマイクロ株式会社(2020年12月期売上高174,061百万円)、独立系情報セキュリティ企業の4288株式会社アズジェント(2020年3月期売上高3,126百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社はない。2020年3月期に米国カリフォルニア州の旧連結子会社を清算し、連結子会社から除外。持分法適用関連会社には、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社との合弁会社である株式会社エヌ・エフ・ラボラトリーズを持つ。

強み・弱み

標的型攻撃やマルウェア攻撃への情報セキュリティ分野における技術力が強み。標的型攻撃やマルウェア攻撃は設立当初から製品開発を進めており、官公庁や大手企業へのセキュリティ・プロダクトの販売実績を豊富に有する。また情報セキュリティ分野の国際的な学会で研究発表実績のあるトップレベルのエンジニアが在籍しており、高度な専門性を持つ人材を社員として抱える。情報セキュリティ分野においては大企業と比べて、中小企業への導入が遅れている。同社は戦略的販売パートナーとの連携強化を進め、中小企業を中心とした新規企業への販売拡大を狙う。

KPI

「FFRI yarai」の契約ライセンス数と売上単価の2つが挙げられる。2021年第3四半期の実績は下記。
①契約ライセンス数: 603,025 ライセンス
②売上単価:1,532円

令和3年3月期第3四半期決算短信補足説明資料

業績

連結化した2018年3月期から2020年3月期の過去3期で売上高は微減。経常利益は約1.1倍に拡大。コロナを受けた大型案件の停止や延期、ナショナルセキュリティセクターの契約終了などで売上高は足元伸び悩んでいるが、OEM販売の拡大により販売コストを抑制できている。営業CFはプラスを継続、投資CFはマイナスを継続。財務CFは2020年3月期にマイナスへ転換。自己資本比率は2020年3月期で62.9%と、前期の55.7%から改善。