4495 アイキューブドシステムズの業績について考察してみた

4495 アイキューブドシステムズの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2001年9月有限会社アイキューブドシステムズとして、福岡県で創業。2004年2月株式会社に組織変更、2010年11月 10年連続でトップシェアのMDMサービス(Mobile Device Management:モバイルデバイス管理)を開始。2020年7月東証マザーズ上場。スマートフォンやタブレット等のモバイル端末を導入する法人向けに、それらの端末上で必要となる基本機能や安全性を担保したアプリケーションをクラウドサービスとして提供。

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の筆頭株主は代表取締役社長CEOの佐々木勉氏で保有比率は52.04%と過半数を保有。次いでジャフコ9.99%、厚生労働省健康局参与で2018年まで同社に勤務した畑中洋亮氏7.73%、の他は同社役員3名が1%前後ずつ保有する他、証券会社などが並ぶ。

取締役会

取締役は8名(社内6名、社外2名)、監査役は3名(社外2名、1名は常勤)、監査役会設置会社である。取締役情報システム戦略室長CIOの大淵一正氏は20歳で入社した株式会社システムライフで、社長の佐々木氏と同僚だったことから創業直後の2002年4月より同社へ入社。取締役CFOの有森正和氏は現SMBC日興証券や、ジャフコ、スカイマークの財務担当などを経て2005年より同社へ。取締役CTOの市川仁氏はNTTコミュニケーションズやアップルジャパン、NTTデータなどの経歴を有し2011年3月より同社へ入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長CEOの佐々木勉氏は1973年8月生まれ。1992年に長崎県立平戸高等学校を卒業し、福岡市内のコンピュータ専門学校へ進学。1996年に福岡市内のソフトウェア会社である株式会社システムライフへ入社。2000年に個人事業として創業し、同年9月に有限会社アイキューブドシステムズを設立。グローバルに通用するソフトウェアブランドを日本から創出したいという決意で創業。

報告セグメント

「ライセンス販売事業」の単一セグメント。売上高には受託開発や保守業務などが含まれるが、業務は終了済みで縮小傾向。

事業モデル

iPadなどのタブレット端末やiPhone、Androidなどのスマートフォン、ノートPCなどのモバイル端末を従業員へ貸与する法人向けに、クラウドを介してそれら端末のマネジメントサービスを提供。携帯電話販売会社などの販売代理店を中心に販売を展開。OEM供給はしていない。利用ライセンス数に応じたライセンス料が収益源
提供するサービスは2つに大別され、販売実績の8割以上を占める「CLOMO」サービスは、各種モバイル端末の状態監視機能・利用ルールの適用機能・情報漏洩対策機能等の機能を、顧客の担当部署で一元管理し運用を可能にするサービス。「SECURED APPs」サービスは、ブラウザ・メール・スケジュール・アドレス帳・ファイル共有のビジネスシーンに必要な5つのアプリケーションを安全性と利便性を両立させた使い勝手の良いアプリケーションとして提供するサービス。
2020年6月期の相手先別の販売実績と総販売実績に対する割合として、株式会社NTTドコモが28.1%、株式会社ティーガイア13.9%、SB C&S株式会社株式会社が13.0%、株式会社ソラニワ12.9%が開示されており、上位4社で67%を構成。同社の成長戦略において、これまでの大企業中心の顧客層を中小企業や自治体、医療法人などへ拡大していくとされている。

競合他社

法人向けのMDMサービス関連市場では、大手通信キャリアのほか、独立系の企業が複数存在し競争環境は厳しい。競合サービスとしては9433KKDIの「KDDI Smart Mobile Safety Manager」、9434ソフトバンクの「ビジネス・コンシェル デバイスマネジメント」、9437NTTドコモの「あんしんマネージャー」などがある。また、独立系では、3694オプティムの「Optimal Biz」などがある。同社によると自社ブランド出荷額ではシェア18.8%でトップシェア(出所:ミック経済研究所「MDM自社ブランド市場2019」)。

2020年6月期 決算説明資料

連結の範囲

連結の対象となる親会社・子会社を持たない。

強み・弱み

MDMサービスおよびブラウザなどに関するアプリケーションを自社で開発し、MicrosoftやGoogleなどOS開発元からの高い評価と強固なコネクションを基盤として、ソフトウェアやハードウェアの進歩・更新に速やかに対応可能な点が強み。また、独立系のため、自由な営業戦略を展開できることも強み。一方で、同社は従業員数が100人未満と、技術革新が著しく厳しい競争が展開されるMDM市 場で競争優位性を今後も維持していけかは懸念点である。

KPI

目標とする経営指標として同社は「導入法人数」「継続率」を挙げている。2020年6月期の実績は下記。
①導入法人数 2,879社 (前期末比 +450社)
②継続率 97.6% (前期比0.3pt下落)
であり、特に昨年来のコロナ禍におけるテレワーク環境が広く浸透している影響で、導入法人数は450先の増加と大きな成長となった。継続率は90%台後半でここ数年は安定しており、顧客の満足度は相応に高い

2021年6月期第2四半期 決算説明資料

業績

2020年6月期の業績は、売上高1,641百万円(前年比+242百万円)、経常利益401百万円(同+154百万円)と増収増益である。2017年6月期まで純資産額はマイナスであったが、ここ数年の売上拡大に伴い、債務超過繰越損失は解消した。また、前年度は借入金返済のため、財務キャッシュフローがマイナスであったが、2020年6月期はマイナス幅が減少し、借入金残高もゼロとなり、急速に財務内容は改善している。また、主軸の「CLOMO」事業は30%近い高成長で、ここもとの経営内容は良好。