6463 TPRの業績について考察してみた

6463 TPRの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1939年12月に田中ピストンリング株式会社を設立し、航空機・船舶向けピストンリングの製造を開始。1943年帝国ピストンリングに商号変更。1961年10月に東証二部に上場。1970年6月にシリンダライナの製造を開始。1999年10月に東証一部に上場。2011年10月TPR株式会社に商号変更。2012年5月に樹脂製品の製造販売会社、現在は東証一部に上場する7215ファルテックに資本参加。本社は東京都千代田区。自動車エンジン部品であるシリンダライナの製造・販売で世界首位の国内大手ピストンリングメーカー

株主構成

2021年3月期第2四半期告書によると2020年9月末時点の大株主は、筆頭株主が明治安田生命保険相互会社で6.7%、次いで損害保険ジャパン株式会社が6.4%、株式会社日本カストディ銀行が信託口で6.3%、日本マスタートラスト信託銀行が信託口で6.2%、以下保有割合5%未満で株式会社みずほ銀行、取引先のトヨタ自動車株式会社、ヒューリック株式会社、東京建物株式会社等、金融機関や取引先が並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、監査役5名 (社内2名、社外3名)、監査役会設置会社である。取締役常務執行役員の唐澤武彦氏は株式会社みずほ銀行に入行後、グループ海外拠点勤務等を経て、2010年7月に同社へ出向。海外事業に長年携わり、2017年6月に取締役執行役員を経て、2018年6月に現職に就任した。その他2名の取締役はプロパー社員とみられ、生産部門や国内営業部門の経験を持つ
2021年6月29日付の人事で社内取締役常務執行役員として小林純夫氏が新たに着任予定明治安田生命保険相互会社を経て、2014年6月に同社常勤監査役への就任経験を持つ。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼CEOの末廣博氏は1958年9月生まれ。東京大学法学部卒業後、1981年4月に株式会社みずほ銀行に入行。その後みずほグループ内要職を歴任後、2018年6月に同社の取締役副社長執行役員に就任。2019年6月に現職に就任した。連結子会社の株式会社ファルテックの取締役会長を兼任する。
代表取締役社長兼COOの岸雅伸氏は1953年3月生まれ。名古屋工業大学工学部卒業後、1976年4月に同社に入社。技術部門に長年携わり、取締役常務執行役員、取締役専務執行役員等を経て、2017年6月に現職に就任した。連結子会社の株式会社ファルテックの取締役を兼任する。
代表取締役 取締役会議長の富田健一氏は1949年6月生まれ。一橋大学経済学部卒業後、1973年4月に株式会社みずほ銀行に入行。その後株式会社みずほコーポレート銀行の取締役を経て、2010年6月に同社の常勤監査役に就任。2011年6月に取締役副社長執行役員、2015年6月に代表取締役会長兼CEOを経て、2018年6月に現職に就任した。2021年6月29日付の人事で退任予定である。

報告セグメント

地域別に分けた事業セグメントである「日本」、「アジア」、「北米」、「その他地域」と、連結子会社の株式会社ファルテックが担う事業セグメントの「ファルテックグループ」の5セグメントから構成される。2021年3月期の売上高は152,002百万円の内、日本が41,018百万円で26.9%、アジアが29,446百万円で19.4%、北米が10,175百万円で6.7%、その他地域が1,644百万円で1.1%、ファルテックグループが69,715百万円で45.9%を占める。
セグメント別利益構成は、アジアが7割弱、ファルテックグループが2割強を占めた。利益率は、日本と北米が1桁台、アジアが20%台前半、その他地域が10%台後半から20%台前半、ファルテックグループが1桁台前半を推移する。昨年度比で特に日本、北米の売上、利益の減少が目立ち、構成比が変化している。

事業モデル

主力事業として、国内外でエンジン部品であるピストリングやシリンダライナ、バルブシートの製造・販売を行う。ピストンリング製造・販売を行う世界5社の一角であり、シリンダライナの世界シェアは70%を誇り、世界首位。国内の全自動車メーカと取引があり、連結子会社のファルテックグループでは自動車外装部品や自動車関連機器の製造・販売を行う。その他にもアルミホイール等のアルミ製品や工業用プラスチック製品、産業用ゴム製品も取り扱う。
電気自動車向け需要取り込みに向けて新事業開発を積極的に実施。樹脂やゴムを使用した非内燃機関部品や、自社独自のカーボンナノチューブを使用した部材の開発に注力する。
海外では、中国や米国を中心に世界6極に進出し、34の拠点を持つ。海外売上高は2020年3月期で42%
主要販売先は日産自動車株式会社であり、2020年3月期は連結売上高の12.0%を占める。

同社HP TOP>会社案内>海外拠点

競合他社

バルブシートに強く、国内大手ピストンリングメーカーの6461日本ピストンリング株式会社(2021年3月期売上高45,276百万円)、ピストンリング世界首位の6462株式会社リケン(同69,720百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社38社、非連結子会社1社、持分適用関連会社6社を持つ 。主要な連結子会社は自動車外装部品や自動車関連機器の製造・販売を行い、東証一部に上場する7215ファルテックであり、連結売上高に占める売上高の割合は10%を超える。

強み・弱み

強みとして多角的な事業展開が挙げられる。主力のエンジン向け部品で培ってきた技術を応用し、樹脂形成や樹脂塗装を組み合わせた内外装部品の開発や、軽量で耐熱性に富んだカーボンナノチューブの開発等を行う。またトップシェアを誇るシリンダライナに用いられるアルミ加工技術を活かし、アルミの軽量さを保ちつつも耐久性を強化した自動車向けアルミ部品の開発にも注力する。自動車のEV化により、軽量で耐久性の高い自動車部品のニーズが高まっており、同社も需要取り込みを狙う
懸念点としては、世界の自動車販売数の変化による同社売上高への影響、海外売上比率が高いため、為替変動リスクなどが挙げられる。

KPI

KPIには新規事業への設備投資額などが挙げられる
設備投資額:102億円(2021年3月期の既存事業への投資を含めた額)
為替:米ドル、人民元、ポンド等

2021年3月期 期末決算説明会資料

業績

売上高は2017年3月期から2019年3月期までの3期で約1.1倍に緩やかに増加した2019年3月期から2021年3月期にかけては、米中貿易摩擦の激化や新型コロナ流行による世界の自動車販売台数の減少の影響を受け、3期で21.1%の減収となった。経常利益は概ね200,000百万円台前半を維持していたが、2018年3月期から2021年3月期までの過去4期で41.1%の減益。フリーCFはプラス、財務CFはマイナスを継続。自己資本比率は利益の蓄積による改善が続き2021年3月期で45.9%。