3815 メディア工房の業績について考察してみた

3815 メディア工房の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2024.Q1 2023.11 524 3 0.57%
FY2024.Q2 2024.02 514 -4 -0.78%
FY2024.Q3 2024.05 481 -17 -3.53%
FY2024.Q4 2024.08 493 -123 -24.95%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q2 2017.02 586 -3 -0.51%
FY2017.Q3 2017.05 549 -26 -4.74%
FY2017.Q4 2017.08 575 -8 -1.39%
FY2018.Q1 2017.11 529 2 0.38%
FY2018.Q2 2018.02 550 14 2.55%
FY2018.Q3 2018.05 548 44 8.03%
FY2018.Q4 2018.08 544 12 2.21%
FY2019.Q1 2018.11 509 9 1.77%
FY2019.Q2 2019.02 492 13 2.64%
FY2019.Q3 2019.05 469 8 1.71%
FY2019.Q4 2019.08 473 6 1.27%
FY2020.Q1 2019.11 450 3 0.67%
FY2020.Q2 2020.02 452 5 1.11%
FY2020.Q3 2020.05 425 -13 -3.06%
FY2020.Q4 2020.08 471 -4 -0.85%
FY2021.Q1 2020.11 448 4 0.89%
FY2021.Q2 2021.02 447 4 0.89%
FY2021.Q3 2021.05 461 2 0.43%
FY2021.Q4 2021.08 573 37 6.46%
FY2022.Q1 2021.11 564 63 11.17%
FY2022.Q2 2022.02 566 57 10.07%
FY2022.Q3 2022.05 542 42 7.75%
FY2022.Q4 2022.08 531 31 5.84%
FY2023.Q1 2022.11 506 10 1.98%
FY2023.Q2 2023.02 522 20 3.83%
FY2023.Q3 2023.05 503 7 1.39%
FY2023.Q4 2023.08 542 21 3.87%
FY2024.Q1 2023.11 524 3 0.57%
FY2024.Q2 2024.02 514 -4 -0.78%
FY2024.Q3 2024.05 481 -17 -3.53%
FY2024.Q4 2024.08 493 -123 -24.95%

沿革

1997年10月前身企業である有限会社フラミンゴ設立。有限会社フラミンゴの出資口数を現代表取締役の長沢氏が譲り受け、1998年4月有限会社メディア工房に商号変更した後、2000年4月に株式会社に組織変更。2006年9月東証マザーズに上場。2011年6月スマートフォンへの有料アプリの提供を開始。2016年7月業務提携により韓国や中国でのコンテンツ配信などに事業を拡大。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。占いを主力とするスマホ・PC向けコンテンツ配信やWebサイト運営などを行っている

株主構成

有価証券報告書によると2022年2月末時点の筆頭株主は、同社代表取締役およぶその親族の資産管理会社である株式会社エヌカルテットで保有割合48.21%。代表取締役の長沢一男氏が20.03%で続き、親族とみられる2名を加えると、長沢一族の持分は70.96%にのぼる。その他保有割合5%未満で証券会社2社、個人3名、占いの館千里眼を経営する株式会社千里眼が名を連ねる。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は7名(社内5名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表以外の社内取締役はプロパー入社が1名のほか、野村證券、1928積水ハウス、6702富士通を経て入社。また社内取締役5名中3名は長沢家

代表取締役の経歴

代表取締役社長の長沢一男氏は1953年2月生まれ。横浜国立大学卒業後、1977年4月日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)入行。同行にて部長職等を務めた後、2000年12月知人から事業を引き継ぐ形で同社代表取締役に就任。2010年3月より代表取締役社長を務める

報告セグメント

「デジタルコンテンツ事業」、「One to One事業」、「XR事業」、「SNS事業」の4報告セグメントおよびその他に大別される。2022年8月期売上高2,203百万円の内訳は、デジタルコンテンツ事業62.5%、One to One事業36.9%、XR事業0.0%、SNS事業0.4%、その他0.2%だった。営業利益の全社費用調整前494百万円の内訳は、デジタルコンテンツが541百万円、One to One事業119百万円計上で、XR事業、SNS事業とその他は赤字だった。

2022年8月期決算説明会資料

事業モデル

デジタルコンテンツ事業は、同社および連結子会社が通信事業者やApple、Googleなどプラットフォーム向けにコンテンツ配信を行う。ユーザーの課金額からプラットフォーム手数料を控除した金額および広告掲載企業からの広告料が同社の収入となる。また自社占い総合サイト「大占館」を運営し、他社に依存しない収益モデルの構築を目指している。
One to One事業は、電話やLINEによる占い、お悩み鑑定および非占い事業としてキャラクターとの通話サービスを提供している。電話占いサイト「リエル」などを通じ、占い師とユーザーの双方向のやり取りが特徴の1対1のサービスを提供する。サービスによりユーザーから直接、もしくはプラットフォーム事業者を介し料金を収受し、売上高に連動した一定料率の金額をロイヤリティーとして占い師に支払う
XR事業はVR/AR/MRの技術を利用したソフトウェアやそれら技術を利用したコンテンツの提供を行っている。SNS事業は同社の開発するソーシャルプラットフォームの運営・サービス企画を行う。2023年8月期中に自社によるサービスをリリース予定。
2021年8月期の全セグメントを通じた相手先別販売実績は、LINE株式会社が27.3%、株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモが16.8%、9433KDDIが10.6%だった。
近年はスマートフォン、SNSの普及によりコミュニケーション手段が多様化する中、チャット、SNS、音声通話サービスなどを通じた占いサービスの需要が拡大している。一方でコロナ禍において広告出稿数は減少している。またヘルスケアを中心とした国内外ECサービス、医療ツーリズムをはじめとするインバウンド関連事業を展開していたが、新型コロナ感染症収束の見通しが難しい中、2021年8月期に撤退を決めている。

競合他社

モバイル端末向け占いコンテンツ配信を行う3770ザッパラス(2022年4月期売上高4,804百万円)、女性向け含む各種コンテンツ配信を行う9438エムティーアイ(2021年9月期売上高25,743百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同社および連結子会社5社によりグループが構成され、主要な子会社として、One to One事業を行う株式会社ギフトカムジャパンが挙げられる。

強み・弱み

占いコンテンツに長年携わってきたことによる制作力、圧倒的な女性ユーザー数と占いを通じて得たそのユーザーのリアルな悩みのデータを持つことが強み。一方、一部ISPで占いコンテンツの配信が停止となったこと、電話やチャットでの占いサービスにも成長鈍化がみられることへの対応が課題。自社アプリの強化や非占いサービスの成長加速により対策を図る。

KPI

①占い市場規模
②自社サイト会員数、アクティブユーザー数

業績

2018年8月期から2020年8月期にかけては占い事業やゲーム事業の不振、コロナ禍による新規事業収益化の遅れ、減価償却負担から3期連続減収減益、2020年8月期は営業赤字だった。以降はコンテンツのヒットなどにより2期連続増収増益となった。コンテンツの配信時期、人気度に応じて売上高や営業利益は変動するとみられる。営業CFは安定してプラスだが、投資も行われておりフリーCFは安定しない。2022年8月期の自己資本比率は45.0%。前期の36.8%から上昇したが、長期でみると低下基調

関連ありそうな記事