2389 デジタルホールディングスの業績について考察してみた

2389 デジタルホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 3,355 -350 -10.43%
FY2023.Q2 2023.06 3,416 -211 -6.18%
FY2023.Q3 2023.09 4,898 949 19.38%
FY2023.Q4 2023.12 4,595 228 4.96%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 20,886 1,093 5.23%
FY2017.Q2 2017.06 19,113 345 1.81%
FY2017.Q3 2017.09 20,279 487 2.4%
FY2017.Q4 2017.12 22,324 299 1.34%
FY2018.Q1 2018.03 22,773 1,007 4.42%
FY2018.Q2 2018.06 20,982 82 0.39%
FY2018.Q3 2018.09 20,314 134 0.66%
FY2018.Q4 2018.12 23,147 544 2.35%
FY2019.Q1 2019.03 21,555 406 1.88%
FY2019.Q2 2019.06 20,141 -527 -2.62%
FY2019.Q3 2019.09 20,877 -421 -2.02%
FY2019.Q4 2019.12 27,380 3,175 11.6%
FY2020.Q1 2020.03 23,405 473 2.02%
FY2020.Q2 2020.06 17,922 -768 -4.29%
FY2020.Q3 2020.09 23,303 3,013 12.93%
FY2020.Q4 2020.12 24,138 522 2.16%
FY2021.Q1 2021.03 35,785 10,571 29.54%
FY2021.Q2 2021.06 19,243 -597 -3.1%
FY2021.Q3 2021.09 19,709 148 0.75%
FY2021.Q4 2021.12 23,778 800 3.36%
FY2022.Q1 2022.03 4,647 -186 -4%
FY2022.Q2 2022.06 3,231 -402 -12.44%
FY2022.Q3 2022.09 5,007 1,089 21.75%
FY2022.Q4 2022.12 4,039 -948 -23.47%
FY2023.Q1 2023.03 3,355 -350 -10.43%
FY2023.Q2 2023.06 3,416 -211 -6.18%
FY2023.Q3 2023.09 4,898 949 19.38%
FY2023.Q4 2023.12 4,595 228 4.96%

沿革

1994年3月有限会社デカレッグスとして、FAX DMを活用したダイレクトマーケティング事業を目的に東京都で創業。1995年4月株式会社オプトに商号変更。1997年10月eマーケティング事業に進出。2000年7月インターネット広告代理事業に参入。2004年12月ジャスダックに上場。2006年1月より電通との資本・業務提携を進め、一時期は電通が筆頭株主だったが、2017年2月に資本・業務提携は解消した。2013年10月東証一部に市場変更。2015年4月持株会社制へ移行、株式会社オプトホールディングスに商号変更する。2020年7月株式会社デジタルホールディングスに商号変更。2022年4月東証の市場区分見直しによりプライム市場へ移行。ネット広告専業代理店の大手

株主構成

有価証券報告書によると2022年6月末時点の筆頭株主は、創業者である鉢嶺登氏で保有割合23.79%。日本マスタートラスト信託銀行の信託口が10.11%、現在の代表取締役社長である野内敦氏が6.76%、同社の元代表取締役社長(退任済み)である海老根智仁氏が5.45%で続き、以降は保有割合5%未満で株式会社マイナビ、国内信託銀行信託口、海外金融機関が並ぶ。尚、大量保有報告書によると7082ジモティーの保有割合が8.13%であると報告されている。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は11名(社内3名、社外8名)、社外8名のうち4名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役の金澤大輔氏はオプト時代に入社したプロパー出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の鉢嶺登氏は1967年6月生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1991年4月に森ビル株式会社入社。3年勤務した後、当社を創業する。2009年3月からは当社の代表取締役社長グループCEOに就任。2016年6月からはUTグループ株式会社の社外取締役に、2017年3月からはソウルドアウト株式会社の社外取締役を兼務している。2020年3月より現職
代表取締役社長グループCEOの野内敦氏は1967年12月生まれ。東京理科大学工学部を卒業後、1991年4月に森ビル株式会社入社。鉢嶺氏が創業してから2年後に当社に入社。1999年3月に取締役就任。2017年3月からは当社の取締役副社長グループCOO、2020年3月から現職である。代表取締役会長の鉢嶺氏とは森ビル時代の同期である。

報告セグメント

「デジタルシフト事業」、「広告事業」、「金融投資事業」の3報告セグメントに大別され、2022年12月期第3四半期累計期間の収益12,885百万円の構成比はデジタルシフト事業28.9%、広告事業53.8%、金融投資事業17.3%だった。セグメント利益はデジタルシフト事業が▲389百万円の赤字、広告事業が1,756百万円、金融投資事業が1,492百万円だった。尚、2022年12月期期首から収益認識に関する会計基準等を適用しており、前期との単純比較は難しくなっている。

事業モデル

デジタルシフト事業は、子会社の株式会社デジタルシフト、株式会社リテイギ等を中心に展開されるデジタルシフトコンサル支援、SaaSプロダクト開発・販売、DX人材サービス紹介および株式会社SIGNATEを中心に展開されるAI人材プラットフォーム運営・開発等で構成される。
広告事業は、株式会社オプトおよび6533ソウルドアウトを中心に展開されるインターネット広告代理事業およびソリューション開発、販売等で構成される。
金融投資事業は、株式会社デジタルホールディングス、Bonds Investment Group株式会社および投資事業有限責任組合等で投資先の支援やインターネット関連企業への投資、AIプラットフォームの開発等を行う。事業投資とキャッシュ還元でグループへ貢献する。2022年12月期第3四半期末時点で31社のIPOを実現している。

2022年Q3決算説明会資料

少子高齢化に伴う人口減により国内市場は縮小する中、従来の製品やサービス、ビジネスモデルを変革するDXの実現を目指す動きは活発化している。

競合他社

デジタル広告事業に強い企業として、2433博報堂子会社のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社や、4293セプテーニホールディングス(2022年9月期売上高28,819百万円)、4751サイバーエージェント(同710,575百万円)、2122インタースペース(同7,123百万円)があげられる。

連結の範囲

2021年12月期末時点では同社傘下の事業会社として連結子会社21社および持分法適用関連会社1社が存在。主要な連結子会社およびそれらの展開事業は事業モデルの通り。尚、同時点で上場子会社だった6533ソウルドアウトは、2022年2月2433博報堂DYホールディングスのTOBにより連結対象から外れ、また上場廃止となった。

強み・弱み

マーチャンタイズ戦略からチャネル戦略、コミュニケーション戦略と言ったトータルソリューションサポートを強みとしている。また、豊富なデータベースを基に顧客の利益を最大化する「eマーケティングサービス」を提供することで、インターネット広告との相乗効果を図ることを得意としている。また、幅広い業界へのアクセスから得られる知見は、金融投資事業にも行かされていると見られる。デジタルマーケティング領域は新たなプラットフォームや技術の登場による変化が激しい点や、GoogleやAmazon等の大手サービスプロバイダーの方針への対応などもリスク要因である。また、参入障壁は比較的低く、価格競争も懸念される。

KPI

事業別に主要KPIといくつかの数値を示している。デジタルシフト事業では産業別にサービスを展開しており、下図に示された導入店舗数や会員数などがKPIして公表されている。

2022年Q3決算説明会資料

業績

2017年12月期から2021年12月期までの5期は、均して見れば概ね順調に業績を拡大している。2020年12月期は新型コロナウイルスの影響から前期比▲1.4%の減収となったが、販管費の抑制で営業利益は前期比+23.0%の増益であった。2021年12月期は金融投資事業で4384ラクスルの保有株売却などにより、前期比+10.9%の増収。フリーCFはプラス。投資CFは保有株式の売却の有無により変動するとみられる。自己資本比率は上昇傾向で2021年12月期末は46.8%。

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