2389 デジタルホールディングスの業績について考察してみた

2389 デジタルホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1994年3月有限会社デカレッグスとして、FAX DMを活用したダイレクトマーケティング事業を目的に東京都で創業。1995年4月株式会社オプトに商号変更。1997年10月eマーケティング事業に進出。2000年7月インターネット広告代理事業に参入。2004年2月東証JASDAQに上場。2006年1月より電通との資本・業務提携。を進め、一時期は電通が筆頭株主だったが、2017年2月に資本・業務提携は解消した。2013年10月東証一部に市場変更。2015年4月持株会社制へ移行。2020年7月株式会社デジタルホールディングスに商号変更

株主構成

有価証券報告書によると2020年12月末時点の大株主は、創業者である鉢嶺登氏で保有比率は20.98%。ついで株式会社日本カストディ銀行が7.52%、現在の代表取締役社長である野内敦氏が5.75%、同社の元代表取締役社長(退任済み)である海老根智仁氏が4.67%。他は機関投資家が並ぶ。外国人株式保有比率は30%以上

取締役会

取締役は11名(社内4名、社外7名)、社外7名のうち4名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。代表権を持たない社内取締役のうち、蓑田氏はみずほ銀行出身で、株式会社日本トイザらスの取締役などの経験を有し、金澤大輔氏はオプト時代に入社したプロパー出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の鉢嶺登氏は1967年6月生まれ。早稲田大学商学部を卒業後、1991年4月に森ビル株式会社入社。3年勤務した後、当社を創業する。2009年3月からは当社の代表取締役社長グループCEOに就任。2016年6月からはUTグループ株式会社の社外取締役に、2017年3月からはソウルドアウト株式会社の社外取締役を兼務している。2020年3月より現職。
代表取締役社長グループCEOの野内敦氏は1967年12月生まれ。東京理科大学工学部を卒業後、1991年4月に森ビル株式会社入社。鉢嶺氏が創業してから2年後に当社に入社。1999年3月に取締役就任。2017年3月からは当社の取締役副社長グループCOO、2020年3月から現職である。代表取締役会長の鉢嶺氏とは森ビル時代の同期である。

報告セグメント

「デジタルシフト事業」、「広告事業」、「金融投資事業」の3報告セグメントに大別され、2021年12月期第1四半期の売上高35,785百万円の構成比はデジタルシフト事業5.7%、広告事業60.5%、金融投資事業33.7%である。金融投資事業は保有するラクスル株の売却にかかる特別利益が計上されており、利益面でも約9割を占めた。一時的なものとみられ、前年同期の収益源は9割近くが広告事業であった。なお、このセグメントは2021年12月期からの新セグメントである。

事業モデル

デジタルシフト事業は、企業のバリューチェーンを主活動とするデジタルシフト領域で支援・プロダクト開発を行う。デジタルマーケティングやCdMO(チーフ・デジタル・マーケティング・オフィサー)はこの事業に分類され、人材派遣、教育、開発案件の受託などのサービスを提供する。
広告事業は、大企業や中小企業向けに従来からのインターネット広告代理事業や、マーケティングの提案・開発・販売を行う稼ぎ頭。デジタルマーケティング人材はデジタルシフト事業に集中させ、広告事業は一層の高利益体質を目指す。
金融投資事業は、投資先の支援やインターネット関連企業への投資、AIプラットフォームの開発等を行う。事業投資とキャッシュ還元でグループへ貢献する。

競合他社

デジタル広告事業に強い企業として、2433博報堂子会社のデジタル・アドバタイジング・コンソーシアム株式会社や、4293セプテーニホールディングス、4751サイバーエージェント、2159フルスピード、2122インタースペース等があげられる。

連結の範囲

株式会社オプト、ソウルドアウト株式会社、SO Technologies株式会社、株式会社コネクトム、Bonds Investment Group株式会社、株式会社オプトインキュベート、株式会社グロウスギア、株式会社SIGNATE、メディアエンジン株式会社、株式会社オプトデジタル、株式会社デジタルシフト、OPT America, Inc.の12社が連結子会社に該当する。株式会社オプトはデジタルマーケティング支援を行っている。

強み・弱み

マーチャンタイズ戦略からチャネル戦略、コミュニケーション戦略と言ったトータルソリューションサポートを強みとしている。また、豊富なデータベースを基に顧客の利益を最大化する「eマーケティングサービス」を提供することで、インターネット広告との相乗効果を図ることを得意としている。また、幅広い業界へのアクセスから得られる知見は、金融投資事業にも行かされていると見られる。デジタルマーケティング領域は新たなプラットフォームや技術の登場による変化が激しい点や、GoogleやAmazon等の大手サービスプロバイダーの方針への対応などもリスク要因である。また、参入障壁は比較的低く、価格競争も懸念される。

KPI

事業別に主要KPIといくつかの数値を示している。2021年12月期第一四半期の実績は下記。
①デジタルシフト事業:売上高成長率 前年比+8.8%
ストック売上高 211百万円(前年同期比+39.4%)
粗利構成比 16.9% (前年同期比▲0.8pt)
②広告事業:営業利益率5.5% (前年同期比+1.1pt)
③金融投資事業:IRR 18.2% (前年同期比+5.2pt)

業績

直近5期は、均して見れば概ね順調に業績を拡大している。2020年12月期は新型コロナウイルスの影響から売上高は887億円と微減であったが、販管費の抑制で営業利益は32億円と前期比+23.0%の増益であった。2016年12月期の売上高は698億円、営業利益は19億円であった。2021年12月期第一四半期は金融投資事業でラクスルの保有株売却が貢献し、売上高は357億円(前年同期比+52.9%)、営業利益は105億円と大幅な増収増益。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは投資有価証券の売却等がある期は大きくプラスになる一方、営業CFの倍額程度の投資支出を行っている期もある。自己資本比率は30~40%台での推移。