6556 ウェルビーの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2011年12月に障害者の就労促進を目的として、ウェルビー株式会社を設立。2014年6月より発達障害者向け就労移行支援事業と、未就学児向け療養事業を開始。2017年12月に東証マザーズに上場、2021年1月東証一部へ変更。本社は東京都中央区。障害者への職業訓練や求職支援が柱。2020年2月療育事業を展開する株式会社アイリスの株式を取得し子会社化。

株主構成

2021年3月期第3四半期報告書によると2020年9月末時点の大株主は、代表取締役社長の大田誠氏で51.5%、取締役副社長の千賀貴生氏が9.9%と続き、その他は5%未満の保有で、信託銀行等の信託口や専務取締役の浜地裕樹氏が3.2%、取締役の伊藤浩一氏が3.2%などと続く。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は6名(社内5名、社外1名)、監査役3名 (社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役副社長の千賀貴生氏は、株式会社TACや有限責任あずさ監査法人を経て、株式会社スパイラルコンサルティングの代表取締役社長や株式会社ソフトフロントホールディングスの監査役等を歴任。2017年12月に現職に就任した。専務取締役の浜地裕樹氏は、テラ株式会社を経て、2012年11月に同社に入社。2016年6月より取締役。取締役の中里英之氏は、株式会社武蔵野銀行を経て、2013年5月に同社に入社。取締役の伊藤浩一氏は東京ビジネスサービス株式会社やテラ株式会社等の数社を経て、2012年4月に同社に入社。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の大田誠氏は1972年4月生まれ。中央大学商学部を卒業後、1996年4月に株式会社武蔵野銀行に入行。テラ株式会社の取締役副社長バイオメディカ・ソリューション株式会社の代表取締役社長を経て、2011年12月に同社を設立した。

報告セグメント

「障害福祉サービス事業」の単一セグメントである。障害福祉サービス事業は、就労移行支援事業と療育事業の2つに大別される。2020年3月期は売上高6,878百万円の内、主力の就労移行支援事業が5,363百万円で78.0%を占める。
セグメント利益の利益率は20%台を推移する。

2021年3月期第3四半期決算説明資料

事業モデル

主に精神障害者向けに就労移行支援と療育サービスを提供する。就労移行支援事業は18歳以上65歳未満の障害者向けに就労訓練や求職支援サービスを提供し、北海道から九州まで77拠点を有す。また関連サービスとして、就労定着支援事業、特定相談支援事業、自立訓練事業、官公庁からの受託事業、企業向けサービスを展開。一般就労後の生活面での支援や、「サービス等利用計画書」の作成とそれに基づく基本相談支援と計画相談支援の提供、施設や病院の退院後の地域生活支援、就労相談から職場定借までのサポートなどである。就労定着支援事業65拠点、特定相談支援事業3拠点、自立訓練事業1拠点、官公庁からの受託事業「ジョブセンター」を3か所運営する。企業向けに、障害者雇用についての総合的なコンサルティングサービスも提供する。
療育事業は、未成年の障害者向けに児童発達支援事業と放課後等デイサービス事業の2つを展開。同社の運営する「ハビー」および「ハビープラス」と連結子会社のアイリスが運営する「アイリスクラブ」の3ブランドで、2020年12月末時点で児童発達支援38拠点と放課後等デイサービス18拠点を有する。この2つのサービスを1つの事業所で両方提供する利用多機能型事業所を運営する戦略を用いている。そうすることで、報酬単価の高い児童発達利用者の利用率のバランスで利益率を確保し、児童発達利用者が卒園後は放課後デイサービスへ入園する循環を構築しており、4月の児童発達利用者の減少による業績影響の軽減を実現。その他、保育所等訪問支援事業3拠点、特定相談支援事業1拠点、私費の幼児・学習教室2拠点とオンライン教室で展開する。
主な収益源は各都道府県の国民健康保険団体連合会からの報酬と、利用者の自己負担分の利用料金の支払いである。
国内の精神障害者数の2020年9月における前年伸び率は8.8%であり、障害児数については伸び率11.0%と増加傾向である。障害者全体の障害福祉サービス利用者の伸び率も6.1%と増加傾向である。

競合他社

障害者向け就労支援サービスを提供する6187株式会社LITALICO(2020年3月期売上高13,867百万円)、農業分野で障害者雇用支援を行う株式会社エスプール(2020年11月期21,009百万円)が競合として挙げられる。

連結の範囲

連結子会社を1社、非連結子会社を1社持つ。 連結子会社の株式会社アイリスでは療育事業における施設運営を行う。

強み・弱み

採用難易度の高い、サービス管理責任者や児童発達管理責任者、保育士等の有資格者人材比率が95%を超え、障害福祉サービスにおける高い支援体制を構築できている点が強み。創業以来注力してきた実務マニュアルの整備により、業務の標準化や職場環境整備が充実しており、継続的な採用活動を行ってきたことも寄与しているとみられる。その結果、地域の行政・医療機関との連携や、報酬加算の獲得、継続的な拠点数の拡大などに成功している。懸念点としては、3年ごとに実施される国の報酬改定における下方改定が挙げられる。

KPI

就労支援事業における利用者数と利用単価が主なKPIとなるが開示はない。利用者数に替わる指標として拠点数の推移と、従業員数の推移を挙げる。
①拠点数:127社(2021年3月期第3四半期)
②従業員数:897名(2021年3月期第3四半期)

2021年3月期第3四半期決算説明資料
2021年3月期第3四半期決算説明資料

業績

売上高は2016年3月期から2020年3月期の過去5期で約3.8倍に増加。経常利益は、約12.2倍に増加。営業CFはプラスを継続。投資CFはマイナスを継続。財務CFは2016年3月期と2018年3月期を除いてマイナス。自己資本比率は2020年3月期で77.0%。前期の68.4%から改善した