4641 アルプス技研の業績について考察してみた

4641 アルプス技研の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2021.Q4 2021.12 11,018 1,343 12.19%
FY2022.Q1 2022.03 10,089 1,177 11.67%
FY2022.Q2 2022.06 10,722 1,018 9.49%
FY2022.Q3 2022.09 11,294 1,319 11.68%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 7,074 871 12.31%
FY2017.Q2 2017.06 7,442 562 7.55%
FY2017.Q3 2017.09 7,407 791 10.68%
FY2017.Q4 2017.12 8,337 1,014 12.16%
FY2018.Q1 2018.03 7,580 853 11.25%
FY2018.Q2 2018.06 8,148 785 9.63%
FY2018.Q3 2018.09 8,011 864 10.79%
FY2018.Q4 2018.12 9,042 1,084 11.99%
FY2019.Q1 2019.03 8,171 891 10.9%
FY2019.Q2 2019.06 8,418 753 8.95%
FY2019.Q3 2019.09 8,763 1,092 12.46%
FY2019.Q4 2019.12 11,019 1,278 11.6%
FY2020.Q1 2020.03 8,978 1,052 11.72%
FY2020.Q2 2020.06 8,505 733 8.62%
FY2020.Q3 2020.09 8,493 807 9.5%
FY2020.Q4 2020.12 9,777 1,048 10.72%
FY2021.Q1 2021.03 9,346 960 10.27%
FY2021.Q2 2021.06 9,424 772 8.19%
FY2021.Q3 2021.09 9,473 800 8.45%
FY2021.Q4 2021.12 11,018 1,343 12.19%
FY2022.Q1 2022.03 10,089 1,177 11.67%
FY2022.Q2 2022.06 10,722 1,018 9.49%
FY2022.Q3 2022.09 11,294 1,319 11.68%

沿革

1968年7月、創業者(現 最高顧問)松井利夫氏が神奈川県にて松井設計事務所を開業する。「機電一体」をコンセプトとして、メカトロニクスの開発・設計サービスの提供を開始。顧客ニーズに応える形で技術アウトソーシングを始動した。1981年3月、株式会社アルプス技研に組織変更。現在アウトソーシング事業の主軸である技術者派遣を本格化した。1998年には台湾に現地法人を設立。2000年9月、東証二部へ上場し、2004年12月に東証一部へ変更。2015年にはミャンマーに支店を開設。2018年、農業関連分野および介護関連分野での人材派遣業に進出している。また、2022年には東証プライム市場に区分。現在は、機械・電気・情報処理設計等の設計技術者派遣などを主要な事業としている。

株主構成

有価証券報告書によると、2022年6月末時点の大株主は、日本マスタートラスト信託銀行株式会社の信託口が筆頭株主で12.00%を保有し、次に従業員持株会が8.28%である。以下は保有率5%未満で国内外の金融機関や地銀などがならぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は3名(社内1名、社外2名、社内監査役は常勤)、監査役会設置会社である。社内取締役のうち2名は大手銀行の出身であるほか、2020年に子会社化した株式会社デジタル・スパイスの元代表取締役社長 須藤泰志氏を2021年3月より同社取締役に迎えている。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の今村篤氏は1969年1月生まれ。日本工学院専門学校を卒業後、1990年4月に同社へ入社。派遣技術者として半導体製造装置メーカーに14年勤める。2004年、本社技術部へ異動。技術者教育の企画・立案、技術者の交流を担う。その後東海事業部長、営業推進部長と歴任し、2014年3月に取締役に就任。翌2015年3月より代表取締役を務める。

報告セグメント

技術者派遣・請負を主な事業内容とする「アウトソーシングサービス事業」、海外における日系企業に対して人材サービスを提供することを主な事業とする「グローバル事業」の2報告セグメントに大別される。2021年12月期では、売上高39,771百万円の94.3%がアウトソーシングサービス事業、5.7%がグローバル事業にて計上されている。セグメント利益率は期にもよるが、両事業とも概ね10%程度と同水準である。

事業モデル

同社主力のアウトソーシング事業は機械、電気・電子、ソフト、化学など各技術分野に精通したエンジニアを正社員として雇用し、大手メーカーに派遣している。またプロジェクトの一括受託も手掛ける。取引先企業数は700社以上を数える。取引先の業種は自動車、半導体、精密機器、電機、医療、ソフト開発、工作機械、航空宇宙防衛など多岐にわたる。2021年度の主な得意先は東京エレクトロン テクノロジーソリューションズ株式会社、キオクシア株式会社(旧:東芝メモリ株式会社) 、6503三菱電機など。売上上位10社に対する依存度は21.6%と、特定顧客への依存を避けて分散が図られている
人材派遣業を取り巻く環境は法改正や働き方改革、外国人労働者の受け入れ緩和などから大きな転換点を迎えている。労働人口の減少によって企業では人手不足が深刻化しており、人材派遣市場には追い風が吹いてはいるが、法改正への対応や優秀な人材の獲得の観点から、業界内の競争はより激しくなりつつあることには留意しておく必要がある。

2021年12月期決算説明資料

競合他社

2021年度の売上高で比較すると、技術者派遣業はIIT技術者派遣に強みを持つ6028テクノプロ・ホールディングス(2022年6月期売上高178,756百万円)が最大級。続いて2154夢真ビーネックスグループ(2022年6月期売上高156,620百万円)、9744メイテック(2022年3月期売上高107,140百万円)などが大手企業である。

連結の範囲

連結子会社が7社あり、国内に5社、海外に2社である。2018年に設立した株式会社アグリ&ケアは成長産業へと向かう農業関連分野、人手不足が顕著な介護関連分野においてアウトソーシング事業を営む。また、2020年に子会社化した株式会社デジタル・スパイスは、農業ロボットや航空宇宙・医療機器など成長分野における技術者派遣を手掛け、高い技術力を持つプロ集団として、今後は同社とのシナジー効果が期待される。

2021年12月期決算説明資料

強み・弱み

取引先の業種が幅広く、売上の割合もバランスがとれているため、景気変動によるリスクを分散できる点は同社の強みである。また、同社ではすべての技術者を正社員として雇用しており、充実した教育・研修体系により開発・設計に特化した「高度技術者集団」としてのブランドを確立することに成功している。リーマンショックの不況時もひとりもリストラをせず事業展開、V字回復を遂げた。2015年の法改正により、無期雇用派遣の期間制限が撤廃されたことも同社の事業環境にとっては追い風である。一方で、中長期的には、少子高齢化、労働人口の減少から優秀な人材確保は課題である。

KPI

売上高などの財務数値のほかに、同社より定期的に開示のある下記項目がKPIとなるだろう。
1       技術社員数 4,253人 (前年同期比+176人)
2       稼働人数 4,060人 (同+8.9%)
3       稼働工数 164.1時間 (同▲0.4時間))
4       契約単価 4,048円(同+21円)

2022年12月期第2四半期 決算説明資料

業績

2021年12月期はコロナ禍の影響で減収となった前期から売上高は約1.1倍と、経済活動の正常化が進むなかで大きくリバウンドした。技術者数の増加などから売上原価は増加したが、稼働率も回復し、当期純利益は微増(前年比+1.2%)となった。営業CFは安定的にプラスで推移。ROEも20%超の水準を維持している。直近の自己資本比率は64.9%。

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