3680 ホットリンクの業績について考察してみた

3680 ホットリンクの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2023.Q1 2023.03 1,134 54 4.76%
FY2023.Q2 2023.06 1,091 35 3.21%
FY2023.Q3 2023.09 1,183 87 7.35%
FY2023.Q4 2023.12 1,331 44 3.31%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q1 2017.03 605 22 3.64%
FY2017.Q2 2017.06 591 9 1.52%
FY2017.Q3 2017.09 649 47 7.24%
FY2017.Q4 2017.12 738 47 6.37%
FY2018.Q1 2018.03 715 50 6.99%
FY2018.Q2 2018.06 753 21 2.79%
FY2018.Q3 2018.09 828 -30 -3.62%
FY2018.Q4 2018.12 945 287 30.37%
FY2019.Q1 2019.03 843 -147 -17.44%
FY2019.Q2 2019.06 795 -261 -32.83%
FY2019.Q3 2019.09 926 -952 -102.81%
FY2019.Q4 2019.12 1,131 -339 -29.97%
FY2020.Q1 2020.03 944 -112 -11.86%
FY2020.Q2 2020.06 953 -9 -0.94%
FY2020.Q3 2020.09 1,098 31 2.82%
FY2020.Q4 2020.12 1,390 65 4.68%
FY2021.Q1 2021.03 1,256 63 5.02%
FY2021.Q2 2021.06 1,379 14 1.02%
FY2021.Q3 2021.09 1,681 93 5.53%
FY2021.Q4 2021.12 2,255 185 8.2%
FY2022.Q1 2022.03 1,604 66 4.11%
FY2022.Q2 2022.06 1,781 5 0.28%
FY2022.Q3 2022.09 2,163 127 5.87%
FY2022.Q4 2022.12 2,358 1,912 81.09%
FY2023.Q1 2023.03 1,134 54 4.76%
FY2023.Q2 2023.06 1,091 35 3.21%
FY2023.Q3 2023.09 1,183 87 7.35%
FY2023.Q4 2023.12 1,331 44 3.31%

沿革

2000年6月、内山幸樹氏(現代表取締役会長)が株式会社ホットリンク設立。2005年11月、株式会社オプトと業務資本提携。2008年3月に株式会社ガーラバズから電通バズリサーチ事業(ソーシャル・ビッグデータの分析)を譲受、同年7月にはソーシャル・ビッグデータ分析ツール『クチコミ@係長』正式版をリリース。2009年7月にTV露出データ、ネットニュース記事データ、口コミデータを『クチコミ@係長』へ統合。2012年5月に、ソーシャルリスク・モニタリングサービス『e-mining』を提供する前述の株式会社ガーラバズを子会社化(後に吸収合併)。同年10月には、掲示板サイト「2ちゃんねる」(現「5ちゃんねる」)の運営会社との間で、同サイトの掲載情報に関して独占商用利用承諾契約を締結。同年11月、米国Gnipとの間で日本におけるTwitterデータの独占販売代理権契約を締結。2014年6月には、米国Effyis(後に子会社化)との間に、アジア・パシフィック地域における中国ソーシャル・ビッグデータの独占販売代理権契約を締結。2013年12に東証マザーズ上場、現在は同グロース。世界中のソーシャル・ビッグデータを解析する技術で、SNSマーケティング支援サービスを提供。

株主構成

四半期報告書によると、2022年6月末時点での筆頭株主は代表取締役会長の内山幸樹氏で16.95%保有。以下は5%未満の保有率で、国内証券会社、執行役員の檜野安弘氏ほか個人などが続く。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は4名(社内1名、社外3名)、監査役は3名(全員社外、うち常勤1名)、監査役会設置会社である。内山氏以外の取締役は全員社外で、大学教授、大手金融機関出身者、経営コンサルタントが就任。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の内山幸樹氏は1971年2月生まれ。東京大学卒業、同学大学院中退後の1997年4月に、在学中から係わった検索エンジン開発ベンチャーの株式会社マジックハウス入社。2000年6月に同社を設立し代表取締役社長に就任、2019年3月より現職

報告セグメント

「ソーシャルメディアマーケティング支援事業」の単一セグメントであるが、商材別に「SNSマーケティング支援事業」、「クロスバウンド事業」、「DaaS事業」に大別される。2021年12月期の外部顧客への売上高6,571百万円の構成比は、SNSマーケティング事業28.7%、クロスバウンド事業45.3%、DaaS事業26.0%と、クロスバウンド事業が主力。地域別では日本74.0%、米国26.0%と、国内が主要市場

事業モデル

SNS、ブログ、電子掲示板などに投稿されるユーザー目線のレビューが、商品・サービスの売上に大きく影響することに着目し、これら媒体から得られる有用なマーケティング情報を提供。顧客は商品・サービスを販売する事業主であり、広告やウェブ上のコンテンツなどが効果的に口コミ等へ反映されるよう、情報提供、助言、代行を行う。
事業別に見ると、SNSマーケティング支援事業は、国内の顧客向けに主としてSNSで好評を博すための対策を提供する。SNS等から収集したデータを分析し、その結果を基に売上向上のための施策立案、事後サポートを行う。また、SNS分析ツール『クチコミ@係長』も販売。
クロスバウンド事業は、中国市場へのプロモーションを対象に、SNSマーケティング支援事業と同様のサービスを提供。また、訪日中国人の日本における購買も対象とする。
DaaS事業は、上記2事業の運営に必須なデータ収集を担当する。収集データは同社で利用するとともに、同業他社などの外部顧客へも販売する。

2021年12月期決算短信補足資料 p.7

競合他社

6081アライドアーキテクツ(株)(売上高6,210百万円)が、宣伝効果アップのためのマーケティング支援を提供し、中国への越境プロモーション支援にも積極的な点で競合。3905データセクション(株)(売上高1,692百万円)もソーシャルメディア分析、ビッグデータ活用などで競合し得る。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社4社、持分法適用関連会社1社で構成される。事業の分担に関しては、SNSマーケティング支援事業は同社、クロスバウンド事業は子会社の株式会社トレンドExpress他1社、DaaS事業は子会社のEffyis, Inc. が分担。売上高の連結売上高に占める割合が10%を超える子会社は、株式会社トレンドExpress(41.0%)ならびにEffyis, Inc. (24.7%)。なお、株式会社トレンドExpressは2022年11月をもって連結子会社から外れ、クロスバウンド事業を手放すこととなった。

強み・弱み

インターネット広告の拡大ならびにSNS等の浸透の波に乗り、順調に売上を伸ばしている。また、国内市場、中国市場共に日系有名企業を顧客に抱え、豊富な支援実績を持つ点も強み。DaaS事業における、外部顧客へのデータアクセス権販売が安定した収益源である点も強み。一方、粗利率が40%を下回り、コスト高が課題であったが、IFRS開示のある2015年12月期の51%と同水準まで戻してきている 。2019年12月期の米国データアクセス権販売事業ののれん減損などもあるが粗利に応じた販管費の適正化が必要

2021年12月期決算短信補足資料 p.9
2021年12月期決算短信補足資料 p.11

KPI

契約件数、契約単価などが主要KPIと見られる。SNSマーケティング支援事業では契約件数が順調に増加。

2021年12月期決算短信補足資料 p.24

2016年12月期~2021年12月期の5年間で売上高を3倍以上へ拡大するなど急成長。利益面では2019年12月期から2期連続の赤字であったが、2021年12月期は黒字転換し上場来最高益を記録。同期は売上高6,571百万円(前期比+49.8%)、営業利益355百万円(前期比+380百万円)、税引前利益1,059百万円(前期比+1,143百万円)であった。なお2022年12月期第3四半期は、売上高5,548百万円(前年同期比+28.5%)、営業利益198百万円(同+16.6%)、税引前利益68百万円(同▲90.6%)と、事業は好調であったものの為替差益と有価証券の評価損で税引前利益は大幅減。営業CFは概ねプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2022年12月期第3四半期の親会社所有者帰属持分比率は53.3%。

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