4446 Link-Uの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2013年8月株式会社Link-Uとして、東京都にてインターネット関連事業を主目的に設立。2014年12月株式会社小学館との協業により、スマートフォンアプリ「マンガワン」をリリースし、その後も複数の出版社と提携し電子書籍配信サービスを展開している。2019年7月東証マザーズへ上場、2020年7月東証一部へ変更となった。

2020年7月期 決算説明資料

株主構成

有価証券報告書によると2020年7月末時点の大株主は、保有割合が多い順に同社代表取締役社長の松原裕樹氏31.78%、取締役CTOの山田剛史氏31.78%、社外取締役の西尾直紀氏が代表取締役社長を務める取引先株式会社メディアシーク8.29%と続き、以降は保有割合5%未満。信託口の他、2021年2月4日付で9428クロップスの代表取締役社長に就任した前田有幾氏が2.58%で6番目に名を連ねる。

取締役会

取締役は5名(社内3名、社外2名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。代表取締役以外の役員は、経歴や年齢、入社時期も様々である。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の松原裕樹氏は1989年3月生まれ。2011年4月に楽天株式会社へ入社。株式会社サイバーエージェント、株式会社電通への転職を経た後、2013年8月に同社設立。2014年12月に代表取締役社長に就任した。

報告セグメント

「インターネットサービス事業」の単一セグメント。セグメントは「リカーリングサービス」、「初期開発・保守開発サービス」、先述2サービスに該当しない「その他サービス」の3つのサービスから構成されている。2020年7月期売上高1,338百万円の構成比はリカーリングサービス87.7%、初期開発・保守サービス12.3%でその他サービスは極僅か。

事業モデル

電子書籍配信サービスが主たる事業で、主に出版社向けに事業展開している。リカーリングサービスは、①サーバー運用、②スマホアプリの開発・アップデート、③アプリのサービス運用の3つを提携先により組み合わせて、もしくは単体でサービス提供を行う。例えば株式会社小学館が提供する「マンガワン」や株式会社集英社が提供する「ゼブラック」は、上記①~③までをまとめて提供している。一方で株式会社スクウェア・エニックスが提供する「マンガUP!」は、①のみの提供となっている。同事業による収益は、読者による課金および広告収入をレベニューシェア(提携企業間で予め決められた配分率をもとに収益を分け合う)契約に基づいて提携先より分配を受けるものと、サーバープラットフォームの継続利用料によるサブスクリプションに大別される。初期開発・保守開発サービスはリカーリングサービス案件獲得のための受託開発を提供するサービスを行っている。

2021年7月期 第1四半期決算資料

競合他社

同社主力の電子書籍アプリ運営を行う企業として、「Renta」の3641パピレス(直近決算期売上高233億円)、「LINEマンガ」の3678メディアドゥ(同658億円)、LINE株式会社、「ピッコマ」の株式会社カカオジャパンなどが挙げられる。

連結の範囲

2020年9月に子会社化したリベラルマーケティング株式会社の1社が連結子会社に該当する。本子会社化に伴い、2021年7月期決算より連結財務諸表作成会社となった。

強み・弱み

月額サブスクリプションとレベニューシェアの組み合わせによる安定収益基盤をもつことや、大手出版社の小学館、集英社等を取引先に持つことが強み。一方で小学館、7035 and factory株式会社、株式会社ICEの3社に占める売上高の比率が高いことを課題と認識し、依存度を下げるべく、2018年7月期の93.2%から2019年7月期83.9%、2020年7月期76.9%と他の顧客との取引拡大により徐々に低下させている。2021年7月期上半期に株式会社NHK出版の教育サービスアプリをリリースするなど、新規事業展開をしている。

KPI

主要サービスの月間利用者数(MAU)(平均成長率13%)
同社アプリダウンロード数(同社が小学館と共同運営する「マンガワン」2019年12月時点で2,000万ダウンロード)
電子書籍市場規模の推移 (2019年度推計3,473億円、2024年5,669億円程度になると推測されている※インプレス総合研究所調べ。)

業績

2020年7月期売上高は2016年7月期比で3.4倍、経常利益は2.2倍。2018年7月期に海賊版サイトの影響などを受け減収減益となった以外は堅調な推移で成長している。フリーCFはプラスを続けていたが、直近2020年7月期は投資有価証券約200百万円の取得、関連会社株式60百万円の取得等によりマイナスとなった。2019年の上場により、以降の自己資本比率は80%台。2020年7月期中に借入金の返済終了し、現状無借金である。