3698 CRI・ミドルウェアの業績について考察してみた

3698 CRI・ミドルウェアの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q1 2021.12 658 25 3.8%
FY2022.Q2 2022.03 654 19 2.91%
FY2022.Q3 2022.06 653 -37 -5.67%
FY2022.Q4 2022.09 875 90 10.29%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q2 2017.03 337 57 16.91%
FY2017.Q3 2017.06 343 53 15.45%
FY2017.Q4 2017.09 304 23 7.57%
FY2018.Q1 2017.12 306 16 5.23%
FY2018.Q2 2018.03 397 108 27.2%
FY2018.Q3 2018.06 388 114 29.38%
FY2018.Q4 2018.09 550 163 29.64%
FY2019.Q1 2018.12 474 135 28.48%
FY2019.Q2 2019.03 454 77 16.96%
FY2019.Q3 2019.06 354 14 3.95%
FY2019.Q4 2019.09 502 142 28.29%
FY2020.Q1 2019.12 480 63 13.13%
FY2020.Q2 2020.03 528 86 16.29%
FY2020.Q3 2020.06 458 39 8.52%
FY2020.Q4 2020.09 883 269 30.46%
FY2021.Q1 2020.12 686 67 9.77%
FY2021.Q2 2021.03 776 112 14.43%
FY2021.Q3 2021.06 656 50 7.62%
FY2021.Q4 2021.09 774 55 7.11%
FY2022.Q1 2021.12 658 25 3.8%
FY2022.Q2 2022.03 654 19 2.91%
FY2022.Q3 2022.06 653 -37 -5.67%
FY2022.Q4 2022.09 875 90 10.29%

沿革

2001年8月に東京都大田区において、株式会社CSK(現9719SCSK)の子会社である株式会社CSK総合研究所の100%子会社として創業。創業以前は株式会社CSK総合研究所の一部組織であったが、当初セガの家庭用ゲーム機向けに提供していたミドルウェア事業を異なるプラットフォームへ展開することを目的として設立された。2004年5月には役員及び従業員によるEBOにより親会社から資本独立し、2005年1月に現社名に商号変更を実施。2009年10月には現在の本社所在地である東京都渋谷区に移転、2014年11月には東証マザーズに株式を上場。2022年4月東証の市場区分見直しによりグロース市場へ移行。「CRIWARE」や「OPTPiX」というブランドで、ゲーム業界などへ音声・映像関連のソフトウェア製品の許諾販売を行う

株主構成

有価証券報告書によると、2022年9月末時点の筆頭株主は、かつての親会社である株式会社セガで11.73%を保有する。CRI・ミドルウェア従業員持株会が8.31%、現代表取締役社長の押見正雄氏が7.53%で続き、以降は保有割合5%未満でウィズ・アジア・エボリューション・ファンド投資事業有限責任組合やかつての取締役会長を担った古川憲司氏をはじめ、経営を担った個人が上位株主として名を連ねる。外国人株式保有比率は10%未満

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)、うち社外取締役3名は監査等委員、監査等委員会設置会社である。9719SCSK出身者やCSK総合研究所時代からの役員が多い。また、社外取締役の飯野智氏はCSKベンチャーキャピタルなどに属し、数々のテクノロジー・ベンチャー企業の育成に携わった経験を有する。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の鈴木正彦氏は1954年5月生まれ。1981年4月9719SCSK入社、副社長執行役員など歴任後、2020年4月顧問として同社入社。2020年12月より取締役会長、2022年11月より現職を務める
代表取締役社長である押見正雄氏は1963年2月生まれ。早稲田大学理工学部を卒業後、株式会社CSK総合研究所に入社し、人口知能技術、マルチメディア技術の研究開発に従事したのち、セガサターンなどのゲーム開発に携わった。2002年8月に当社に出向して以降、長く経営に関与している。2008年6月には代表取締役専務、2013年4月には現職である代表取締役社長に就任した

報告セグメント

「ゲーム事業」と「エンタープライズ事業」の2報告セグメントに大別される。
2021年9月期および2022年9月期のセグメント別構成は下図の通りで、ゲーム事業での売上が全体の75%程度を占める。

2022年9月期 決算補足説明資料

事業モデル

「ゲーム事業」は、主にゲーム業界向けに音声・映像関連のミドルウェアの提供などを行う事業であり、「エンタープライズ事業」は、主にゲーム業界以外(カラオケ機器や車載機器、家電などの組込み分野など)を対象に音声・映像関連のミドルウェアの提供を行う事業である。ミドルウェアは、ハードウェアやOSと、アプリケーションソフトウェアの中間に位置するもの。

事業計画及び成長可能性に関する事項

収益構造はミドルウェアの提供などを行う許諾ビジネスによるものと、関連する受託開発や音響制作、ゲーム開発・運営等を行う受託ビジネスによるものに大別される。比率は概ね3:2。受託ビジネスは売上の増加に比例して原価も増加するが、許諾ビジネスの原価は一定。原価は主に労務費および外注費で構成される。
世界のゲーム市場規模は同社資料によると67.3兆円に達する(2030年予測)。足元の国内市場は2兆円の大台維持も飽和状態。オンラインゲームが増えていくとともに、中国ゲーム企業のグローバル化が更に加速すると予測している。
同社の基本的な経営方針としては、祖業であるゲーム分野でのミドルウェア開発における技術・ノウハウなどをもとに、異分野への横展開を図ることで、グループ全体での飛躍的な成長に努めている。特に近年では、同社は「テレウェア構想」を掲げており、盛り上がりを見せるデジタルトランスフォーメーション(データとデジタル技術でビジネスモデルや製品などの変革を図る動き)を支えるミドルウェアを総合的に提供できる企業を目指している。

競合他社

ミドルウェア開発はニッチな市場であるほか、ソフトウェア開発会社の多くが自社開発で賄うケースも多いと見られ、直接的に競合と言える企業は少ない。そのなかでは、3907シリコンスタジオ(2021年11月期売上高3,986百万円)は提供するラインナップの一つにミドルウェア製品があるが、ゲームのクリエイター向けに注力している点で直接に競合するわけではない。海外にも競合先は多くはなく、同社は音声と映像を総合的に提供する点でも競争優位な立場にあるといえる。

連結の範囲

同社には5社の連結子会社が存在し、同社のゲーム事業を補完する関係にある。子会社のうち、株式会社ツーファイブはゲーム音声技術、株式会社アールフォース・エンターテインメントはゲーム開発の企画・運営、など機能別に特化している。なお、ゲーム業界以外向けのミドルウェアの提供を行うエンタープライズ事業については、同社本体で手掛ける。

強み・弱み

1990年代からセガと協力して各種のハードウェア開発に携わってきた経験値を有している点が強みとしてあげられる。セガ以外からの受託を図るためにマルチプラットフォーム化を推進する中で、ソニーや任天堂向けのゲーム機開発に加わるなど、家庭用ゲーム市場のミドルウェア開発では中心的な立ち位置を確保している点は強みだろう。
一方で、弱みとしては、国内市場に収益基盤が依拠するなかで、今後の一層の事業拡大を推進するにあたり、海外市場への展開が挙げられる。現在も中国向けなどで受注案件は出てきているものの、海外勢のゲーム開発に食い込んでいけるかがカギである。

KPI

同社の中核事業であるゲーム事業において、以下の指標を開示しており、ゲーム事業の趨勢を判断する重要なKPIとみなすことが出来る。
①「CRIWARE採用率(国内):スマートフォンゲーム」 27% (2022年9月時点)
②「CRIWARE採用率(国内):家庭用ゲーム」 19% (2021年年間)
③「CRIWARE採用数」 7,034ライセンス (2022年9月時点)

2022年9月期 決算補足説明資料
2022年9月期 決算補足説明資料

業績

売上高は概ね増収基調で推移、2020年9月期は子会社の連結化の寄与や、主力のゲーム事業が国内・海外とも好調で2,349百万円(前期比+31.7%)と大幅増収であった。営業利益率は2018年9月期の24.4%以降低下基調で、2022年9月期は3.4%。また、同期は特別損失の計上もあり最終赤字となった。フリーCFはプラスの期が多いが、2022年9月期は最終赤字の影響や無形固定資産の取得等によりマイナスとなった。2022年9月末の自己資本比率は69.7%

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