5195 バンドー化学の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1906年4月、阪東式木綿調帯の製造を目的として、阪東式調帯合資会社を神戸市兵庫区に設立した。ゴムベルト、コンベヤベルト、Vベルトなどを製造し、1937年1月阪東調帯株式会社に改組、1961年8月阪東調帯ゴム株式会社に商号変更、1962年1月大証2部に上場、1968年2月大証1部に上場、1970年6月バンドー化学株式会社に商号変更、1970年10月東証1部に上場、2010年4月本店所在地登記を神戸市中央区に変更した。その後、子会社の再編や海外への展開を推進している。110年以上の歴史を誇る伝動 ベルトの大手メーカーである。

第2四半期決算説明会資料

株主構成

有価証券報告書によると、2020年9月30日現在の筆頭株主はバンドー共栄会(自己株式除く発行済株式総数に対する所有割合8.98%)である。以下、政策保有と見られるメガバンク3行や生損保などが中心に並ぶ。なお外国人保有割合は2020年3月31日現在で15.41%だった。

取締役会

取締役9名(社内6名、社外3名)、うち社内1名と社外3名の計4名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。社内取締役は人員がプロパー出身者。監査等委員である社外取締役の重松崇氏はトヨタ自動車(7203)常務役員、富士通テン株式会社(現株式会社デンソーテン)代表取締役社長および会長を歴任、清水春生氏はエクセディ(7278)代表取締役社長および会長を歴任、米田小百合氏は監査法人出身である。なお重松崇氏は村田製作所(6981)社外取締役および芦森工業(3526)社外取締役との兼任、清水春生氏は住江織物(3501)社外取締役および芦森工業社外取締役との兼任、米田小百合氏は米田公認会計士事務所所長との兼任である。

代表取締役の経歴

取締役社長(代表取締役)の吉井満隆氏は1958年8月生まれ。1981年4月入社、執行役員、取締役を経て、2013年4月取締役社長(代表取締役)兼社長執行役員に就任(現任)した。

報告セグメント

「自動車部品事業」、「産業資材事業」、「高機能エラストマー製品事業」の3セグメントである。2021年3月期第3四半期累計の売上収益構成比(その他を含む、調整前)は、自動車部品事業41.5%、産業資材事業37.5%、高機能エラストマー製品事業14.3%、その他6.6%。コア営業利益の構成比は自動車部品事業44.6%、産業資材事業56.2%、高機能エラストマー製品事業▲10.7%、その他9.8%だった。なおコア営業利益(売上収益から売上原価、販売費および一般管理費を控除した数値)は同社が経営管理上の指標としている数値である。自動車部品事業と産業資材事業が2本柱である。

第2四半期決算説明会資料

事業モデル

伝動ベルトはVベルトとも呼ばれ、自動車エンジン、産業機械、工作機械、農業機械、OA機器などにおいて、動力や回転を伝達する部品として使用される。同社は自動車用・二輪車用、射出成型機・工作機械用などで高シェアを誇る
自動車部品事業は、自動車用伝動ベルト製品(補機駆動用伝動ベルト、補機駆動用伝動システム製品)、二輪車用伝動ベルト製品(スクーター用変速ベルト)などの製造販売を展開している。
産業資材事業は、一般産業用伝動ベルト製品(産業機械用Vベルト、歯付ベルト、プーリーなど)、運搬ベルト(コンベヤベルト、同期搬送用ベルトなど)、運搬システム製品などの製造販売を展開している。
高機能エラストマー製品事業は、クリーニングブレード、高機能ローラ、精密ベルト、ポリウレタン機能部品、精密研磨材、建築資材用フイルム、医療用フイルムなどの製造販売を展開している。主力の自動車用部品事業は自動車の電動化(EV)で、エンジン用伝動ベルトの需要減少が予想されている。エラストマーで新事業領域を育成し、事業ポートフォリオの転換を図る会社方針である。
その他は、医療機器事業やロボット関連デバイス事業などを展開している。
生産拠点は、国内外の複数展開しており、国内の南海工場、加古川工場、足利工場、和歌山工場、海外(製造子会社)の米国、韓国、中国、ベトナム、タイ、インドに有す。
地域別の売上高構成は、日本が6割弱、4割強は海外売上。下図の通り、中国を除くアジア、中国、欧米の順に比率が高い。

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競合他社

伝動ベルトでは、同社同様に自動車用と産業機械用で大手の5192三ツ星ベルト(2020年3月期売上高710億円)、自動車用に展開する他、ホース・チューブなども扱う5186ニッタ(同838億円、内ベルト・ゴム事業の売上高は269億円)、などがある。

連結の範囲

2020年3月期末時点でグループは同社、子会社24社、および持分法適用会社10社で構成されている。主要な連結子会社は、自動車部品事業・産業資材事業のバンドー・I・C・S株式会社(日本)、Bando USA,INC.(米国)、Bando Belt(Tianjin)Co.,Ltd(中国)などである。

強み・弱み

1906年の創業以来、時代のニーズにマッチした新技術・新製品の開発、高機能・高品質な製品の安定供給によって高い評価を得ている。110年以上の歴史の中で培った技術力・品質力が強みだ。リスク要因としては、景気変動や自然災害・感染症の影響などがあり、特に主力の自動車部品事業は自動車生産台数、産業資材事業は機械受注の影響を受けやすい。また製品不具合によるリコールなどもリスク要因となる。なお自動車の電動化(EV)で、エンジン用伝動ベルトの需要減少が予想される中、「同社は競合のニッタ(5186)に比べて自動車用の比率が高いため影響が大きい

KPI

売上収益から売上原価、販売費および一般管理費を控除した数値をコア営業利益として経営上の重要指標としている。売上収益とコア営業利益の四半期別推移(2019年3月期第1四半期~2021年3月期第2四半期)を見ると、いずれも漸減傾向となっている。なお2020年3月期第4四半期、2021年3月期第1四半期は新型コロナウイルス感染症拡大に伴う経済収縮の影響を受けた。

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業績

2018年3月期からIFRSへ移行のため非連続ではあるが、2016年3月期から2020年3月期までの5期間の連結業績推移をみると、2019年3月期までは売上高は概ね横ばいだが、利益率が改善していた。売上高は93,272百万円から94,318百万円、当期利益は4,386百万円から5,457百万円であった。なお2020年3月期は新型コロナウイルス感染症拡大も影響して売上収益90,247百万円、当期利益682百万円に落ち込んだ。親会社所有者帰属持分比率(2017年3月期以前は自己資本比率)は概ね60%前後で推移している。営業キャッシュ・フローは継続してプラスを維持している。財務の健全性に大きな懸念はないだろう。今後は自動車の電動化(EV)への対応、新規分野の収益化が課題となる。