5122 オカモトの業績について考察してみた

5122 オカモトの業績について考察してみた

PERAGARU管理人

オカモト事業概要

オカモト株式会社は日本の化成品メーカーであり産業用製品事業と生活用品事業の二本柱からなる。主な製品群として、生活用品としてコンドーム、使い捨てカイロ、プラスチック手袋、食品包装用ラップのほか、トクヤマ(旧:徳山曹達)の子会社であったトクヤマホームプロダクツから事業を譲受した水とりぞうさんブランドの除湿剤、ナガオカから事業を譲受したインピレスブランドの殺虫剤などを生産している。
・沿革
設立は1934年であり、当初の商号は日本ゴム工業株式会社であった。戦後間もない1949年には東京証券取引所に上場し、その後オカモトゴムと合併し1985年に商号を現在のオカモトに変更している。海外展開も積極的であり、タイや中国にも現地法人を有し、米国にも子会社を設立している。
・業績
業績は非常に安定しており、2017年3月期に売上高866億、2020年3月期に905億円となっている。経常利益は2017年3月期に107億円、2020年3月期に86億円とコロナの影響を受け若干減少しているものの、経常利益率は10%前後で安定的に推移している。2021年3月期の売上高予想もコロナ禍にもかかわらず835億円と限定的な減少になり、営業利益は60億、経常利益は70億円と営業黒字および経常黒字を維持している。
・株主構成
筆頭株主は明治安田生命(7.5%)であり、他の主要株主も取引関係のある丸紅や損保ジャパンなどの芙蓉系の企業群と保険会社等の金融機関が殆どであり、外国株主は上位10株主の中に見受けられない点が特徴である。
・取締役会
16名(うち、監査等委員3名)で構成され、役員の大半が社内昇進の人材である。代表取締役会長の岡本氏、代表取締役社長の田村氏の両名とも1970年代半ばから勤め上げた人材である。
・報告セグメントと事業の構成、ビジネスモデル
オカモトの企業セグメントでは、①産業用製品セグメントにおいて、プラスチックフイルム及び建装・産業資材の製造・仕入及び販売を行っている。②生活用品セグメントではコンドームを始めとする、生理用品・医療・日用品、シューズ、衣料・スポーツ用品の製造・仕入及び販売を行っている。オカモトはゴム製造において業界随一のポジションにあるものの、原材料が石油由来のものが多いことから、原材料高騰のリスク、海外展開に伴う為替や地政学的要因によるリスクがある。各セグメントの売上高構成比率は産業用製品が64%、生活用品が36%となっている。

産業用製品事業

2021年3月期の第2四半期報告書では、一般用フイルムは、新型コロナウイルス感染症対策としての飛沫飛散防止用途における販売が堅調で売上増となり、工業用フイルムは、輸出向けの一部に回復傾向が見られるものの市場全体の需要が戻らず売上減となっている。
建材用フイルムは、鋼板用を中心に市況低迷により売上減、多層フイルムは、工業用の受注が低調で売上減、壁紙は、住宅着工件数の大幅な落ち込みが続き売上減となった。農業用フイルムは、前年の消費税増税前の駆込み需要の反動等で売上減となり、自動車内装材は、中国での自動車生産は回復の兆しがあるものの、北米及びアジア太平洋地区の回復が鈍く売上減である。その他の産業用製品であるフレキシブルコンテナ、粘着テープ、工業用テープは売上減となっている。
上記の結果、当セグメントの売上高は24,752百万円(前年同期比18.3%減)、セグメント利益は1,029百万円(前年同期比25.1%減)となっている。

生活用品事業

コンドームは訪日外国人によるインバウンド需要減少で売上高減少となった。除湿剤は、販売ルートの拡張に加え、全国的な梅雨期間の長期化による好況により売上増、手袋は販売ルートの拡張に加え新商品が堅調で、産業用は作業用途の需要が増加したことにより売上増となっている。メディカル製品は医療用手袋は感染症対策として堅調で売上増となり、その他の生活用品であるシューズ、ブーツ及び雨衣は、個人消費の低迷による市況の悪化及び取扱商品の減少により売上減となっている。その結果、当セグメントの売上高は14,415百万円(前年同期比12.3%減)、セグメント利益は2,988百万円(前年同期比16.2%減)となっている。