2722 アイケイの業績について考察してみた

2722 アイケイの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

四半期業績推移随時更新中

(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2022.Q4 2022.05 4,145 -71 -1.71%
FY2023.Q1 2022.08 3,314 -93 -2.81%
FY2023.Q2 2022.11 3,925 -8 -0.2%
FY2023.Q3 2023.02 3,514 -34 -0.97%
(単位:百万円) 決算期 売上 営業利益 営業利益率
FY2017.Q3 2017.02 4,094 210 5.13%
FY2017.Q4 2017.05 4,108 136 3.31%
FY2018.Q1 2017.08 4,239 208 4.91%
FY2018.Q2 2017.11 5,033 310 6.16%
FY2018.Q3 2018.02 4,178 90 2.15%
FY2018.Q4 2018.05 4,887 290 5.93%
FY2019.Q1 2018.08 4,790 61 1.27%
FY2019.Q2 2018.11 4,566 157 3.44%
FY2019.Q3 2019.02 4,067 56 1.38%
FY2019.Q4 2019.05 4,191 157 3.75%
FY2020.Q1 2019.08 3,846 -49 -1.27%
FY2020.Q2 2019.11 4,964 231 4.65%
FY2020.Q3 2020.02 5,054 211 4.17%
FY2020.Q4 2020.05 4,619 197 4.26%
FY2021.Q1 2020.08 4,837 154 3.18%
FY2021.Q2 2020.11 6,254 380 6.08%
FY2021.Q3 2021.02 5,324 288 5.41%
FY2021.Q4 2021.05 4,339 -117 -2.7%
FY2022.Q1 2021.08 3,464 -164 -4.73%
FY2022.Q2 2021.11 4,698 -151 -3.21%
FY2022.Q3 2022.02 4,028 26 0.65%
FY2022.Q4 2022.05 4,145 -71 -1.71%
FY2023.Q1 2022.08 3,314 -93 -2.81%
FY2023.Q2 2022.11 3,925 -8 -0.2%
FY2023.Q3 2023.02 3,514 -34 -0.97%

沿革

1982年5月アイケイ商事有限会社として住宅設備機器販売と贈答品・記念品用雑貨の販売を目的に名古屋市で設立。1983年4月に愛知県生活協同組合連合会と口座を開設し、職域生協との取引を開始する。1990年4月に株式会社へ組織変更し、株式会社アイケイへ商号変更。2001年12月日本証券業協会に店頭登録、2004年12月JASDAQへ上場、2019年2月東証二部へ変更し、名証二部にも上場する。2020年12月東証及び名証の一部指定。テレビ通販などのBtoC事業、生協ルートや店舗ルートなどでの雑貨類・食品類・化粧品類の卸売りを行うBtoBtoC事業が中心

株主構成

有価証券報告書によると2020年5月末時点の筆頭株主は、アイケイ代表取締役会長兼CEOの飯田裕の資産管理会社である株式会社AMで15.6%保有。以下は5%未満の保有で次いで日本カストディ銀行の信託口が4.4%、MSIP CLIENT SECURITIESの3.2%と続く。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名) 、社外3名は監査等委員。監査等委員会設置会社である。常務取締役管理統括の高橋伸宣氏はエステーホールディングス株式会社や朝日インテックの経歴を持ち、取締役海外統括の熊澤敬二氏はイトーヨーカーイトーヨーカ堂で6年間の勤務経験を有す。

代表取締役の経歴

代表取締役会長兼CEOの飯田裕氏は1955年3月生まれ。同志社大学を卒業後、1977年4月に大東京火災海上保険株式会社(現あいおいニッセイ同和損害保険株式会社)に入社。その後1982年にアイケイ商事有限会社(現株式会社アイケイ)を設立。1990年4月に代表取締役社長に就任。2015年8月から現職となる。
代表取締役社長兼COOの長野庄吾氏は1969年12月生まれ。1995年に同社へ入社。取締役、専務取締役などを経て、2015年8月から現職となる。

報告セグメント

「BtoC事業」「BtoBtoC事業」「その他」の3報告セグメントに大別され、2021年5月期第3四半期の売上高16,415百万円の構成比は、BtoC事業43.3%、BtoBtoC事業54.9%、その他1.8%である。だが同期の営業利益822百万円のうちBtoC事業が531百万円で64.5%を占め、BtoBtoC事業は229百万円、その他は38百万円であった。

事業モデル

独自のプロモーション戦略で、商品の企画、製造、物流を一貫して行う「マーケティングメーカー」を標榜。プライベートブランド品およびODM受託品を開発。自社開発ブランドには化粧品の「LB」「たまご化粧水」などや、ローカロリー食品の「ローカロ生活」、ポーランド生まれのボディケア用品の「インティマ」、高齢者向けの靴や肌着の「ロコックス」などがある。ODMでは生協や大手通販会社、大手フィットネスジム、健康食品メーカーなどが顧客で、商品の開発から販売までを支援する。
BtoC事業は主にTVショッピング、WEBショッピング、SKINFOO化粧品の実店舗等による小売り事業。BtoBtoC事業は生協、一般企業向けの通販、バラエティストアやドラッグストアなどの店舗、海外ルートへの卸売り事業。BtoBtoC事業は営業利益率の低さが課題で、PB商品比率も低いことから、PB商品開発によりPB比率を10pt改善し50%以上にすることを目標とする。
なお、販路の一つとして、TVショッピングの「プライムダイレクト」を子会社で運営する。

2021年5月期第3四半期決算 補足説明資料

競合他社

BtoBtoC事業では同じ生協ルートでのカタログ通販を行っている8005スクロールが挙げられる。BtoC事業の競合としては7689コパ・コーポレーションが近年業績を伸ばしている。

連結の範囲

同社グループは、同社及び連結子会社7社で構成されている。コスメブランドを展開し同社のインバウンド事業を譲り受けた株式会社フードコスメ、テレビショッピングなどの通販を行う株式会社プライムダイレクト、コールセンタービジネスなどを行うアルファコム株式会社などがある。

強み・弱み

TVショッピングの販売チャネルで認知力を高めた商品をECや生協カタログなどで販売するというマーケティング経路を有することは強み。また、中国に流通子会社を有し日本製化粧品等の人気商品を中国へ輸出する経路を持つことも強み。年間10を超える商品を投入し、常時5~6アイテムのヒット商品を抱える構造だが、ヒット商品の有無で業績が左右される点は弱み。過去の商品で消費者庁より広告表示の不当表示防止法措置命令に係る課徴金を見込み、引当金を計上している。また、同社商品におけるリチウムイオン電池の発火事故の発生による顧客補償等対応費用の計上もあり、今後同様の事業リスクが顕在化しないよう管理できるのかはガバナンス上の懸念点である。

KPI

主要と思われる指標の2021年5月期第3四半期の実績は下記。
販路別売上内訳(セグメント欄の図表参照)
主要販管費率 47.1%(前年同期比1.7pt増加)
TVショッピングにおけるMR(メディアレーション) 2.8倍(前年同期比0.5pt改善)

業績

2016年5月期から2020年5月期までの決算を見ていくと、2018年5月期までは伸び続けていたが、2019年5月期の決算では失速。2020年5月期の売上高は過去最高となったが、営業利益や最終利益は2018年5月期に及ばなかった。2021年5月期の会社予想は増収増益を見込むが、利益の水準は2018年5月期を下回るもよう。営業CFは減収減益となった2019年5月期にマイナスであったが、基本的にはプラスで安定している。投資CFは恒常的にマイナス。20201年5月期第3四半期の自己資本比率は45.9%。

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