3333 あさひの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1947年4月に創業した旭玩具製作所(子供用玩具の製造・卸・小売業)が同社の前身。代表取締役社長下田佳史氏の祖父である下田順次氏が創業者。1975年5月株式会社旭玩具を大阪府に設立し、自転車専門店をオープン。1992年株式会社あさひに商号変更。1994年10月にフランチャイズ店を大阪にオープンし、全国的に店舗網を拡大。1997年10月インターネット通販を開始。2004年8月日本証券業協会へ株式を店頭登録、同年12月ジャスダック上場、2005年12月東証二部、2007年10月東証一部へ変更。国内外のメーカー品、共同開発品、PB品を取り扱う国内最大の自転車販売店舗網を有す自転車チェーンで、2020年2月時点の出店数は全国477店舗

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末時点の大株主は、代表取締役社長の下田佳史氏が13.7%保有し、下田英樹氏、下田美智子氏などの保有分と併せて下田一族6名が34.5%を保有。次いで株式会社シー・ビー・エイ(大阪府吹田市、下田一族の資産関連会社の可能性が高い)が3.7%保有。国内の信託口が合わせて15.91%保有。

取締役会

取締役は9名(社内6名、社外3名)、監査役は3名(全員社外)、監査役会設置会社である。社内取締役は全員が中途入社で、入社時期や経歴は様々。社外取締役1名と社外監査役2名は松下電機産業株式会社(現パナソニック)の出身者。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の下田佳史氏は1971年3月生まれ。近畿大学卒業後、1994年4月に同社へ入社。商品部長、取締役商品部長、専務取締役商品本部長を経て、2012年5月に現職へ就任。また、2010年3月から中国現地法人の執行董事兼総経理を務める(現任)。

報告セグメント

店舗における自転車及び関連部品の販売と各種整備・修理サービス事業の単一セグメント。2021年2月期第3四半期の部門別売上高の構成比は、店舗・ネットで96.7%、その他 (ロイヤリティ・FC店の売上等)で3.3%。品目別売上高の構成比は、一般車17.0%、スポーツ車15.9%、子供車13.1%、電気自転車22.0%、その他自転車3.6%、パーツ/その他28.4%となっている。

事業モデル

店舗において自転車及び関連部品の販売、自転車の整備・修理サービスを提供。2020年2月時点で全国458店舗の直営店を運営する他、19店舗のフランチャイズ(FC)店を展開。インターネット通信販売や自転車の買取・販売を行うリユース店も経営。国内外自転車メーカー等のブランド品に加えて、メーカーとの共同開発によるオリジナル品プライベートブランド(PB)商品も取り扱う。PB品は当社で企画・開発を行い、中国や台湾の海外自転車メーカーに生産を委託。生産委託品の仕入れ高は2020年2月期の総仕入高の43.5%を占める。2017年7月「ルイガノ」「ガノー」の日本総販売代理権を取得、2018年10月には海外スポーツサイクルパーツブランド8社の日本総販売代理権を取得しており、これらの日本総販売代理権を所有し国内で販売する卸売事業も行う。なお、中国を中心とした海外メーカーから商品を輸入しており2020年2月時点輸入仕入高比率は40.7%。また、オリジナル品・PB商品を中心としたホームセンター等への商品供給事業も行う。
2010年3月中国に現地法人を設立し、同年5月北京に初出店。2020年2月時点で、中国では卸供給、オンラインショップを中心とした販売活動を行う。

第45期有価証券報告書
一般財団法人 自転車産業振興会より 2019年自転車生産・輸出入状況

国内の一般用自転車(下記図では軽快車)の販売は減少傾向にあり、同社の国内出荷台数は毎年5~10%前後減少している。一方でスポーツ車・電動車の需要は増加。また社会の高齢化に伴う健康・長寿への関心の高まりは、自転車活用の追い風になると予想される

競合他社

国内の自転車小売業界では、圧倒的な最大手。首都圏や大阪、名古屋、福岡などの都心部では32店舗を有し、海外ブランドのスポーツバイクを中心に『Y’sRoad』の店舗名で販売する非上場の株式会社ワイ・インターナショナルなど存在するが、比較的郊外や幹線道路沿いの路面店が多い同社に対して、『Y’sRoad』は駅前好立地が多く、完全には競合しない

連結の範囲

非連結子会社の愛三希(北京)自転車商貿有限公司(中国現地法人)があるものの、連結の対象となる親会社・子会社は持たない。

強み・弱み

自転車小売業界では圧倒的な最大手として高い知名度が強み。また、自社のプライベートブランド・海外スポーツサイクルブランドの日本総販売代理権を保有するという商品力も強み。一方、国内の自転車販売台数が縮小していることは懸念点である。同社は一般用自転車の需要減少を鑑み、積極的に海外スポーツブランドの販売代理権を取得する等、需要増加が見込まれるスポーツ車の強化施策に取り組んでいる。同社が全国500店舗を目指し、店舗拡大をする上で人材の確保は課題となっている。

KPI

下記2つが同社のKPIとなり得る。
年間出店数・・・国内500店舗体制を目指し、毎期10~15店舗の新規出店ペースの維持を目標としている。(2020年2月期 新規出店10店舗、退店6店舗)
対売上高経常利益率・・・本業の収益性が明確に表れる対売上高経常利益率を重視しており、8%を目標値として掲げる。(2019年2月期7.0%、2020年2月期7.1%)

業績

売上高・利益ともに安定的な成長を継続しており、2016年2月期から2020年2月期までの5年間で売上高倍・経常利益ともに1.2倍となった。自己資本比率は7割を超えて安定推移。営業CFは安定してプラス、投資キャッシュフローは営業CFの半分程度の金額で毎期マイナス、財務CFは恒常的にマイナスである。