3194 キリン堂ホールディングスの業績について考察してみた

3194 キリン堂ホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

代表取締役会長の寺西忠幸氏が、1955年5月キリン堂薬局を開業。1958年3月薬局店舗営業と薬品製造業を目的として株式会社キリン堂を設立。直営を中心に店舗展開する傍ら、フランチャイズ展開や健康食品専門販売店を展開。1991年7月に調剤薬局チェーン大手の株式会社メディネットを買収してその後九州するなど、2000年代にもドラッグストアの買収を相次いで行う。2000年9月大証二部、2003年2月東証二部に上場。2004年3月東証一部に指定。2010年代に中国でのドラッグストア展開を試みるも撤退済。2014年8月株式会社キリン堂が単独株式移転の方法により同社を設立し、同社普通株式を東証一部に上場(株式会社キリン堂は2014年8月に上場廃止)。主にドラッグストアや保険調剤薬局を関西、関東、四国・北陸で展開する。
尚、国際的な投資会社「べインキャピタル」の傘下企業である株式会社BCJ-48によりマネジメントバイアウト(MBO)が行われており(2020年9月開示)、同社は2021年1月をもって上場廃止している。

株主構成

有価証券報告書によると2020年8月末時点の大株主は、キリン堂協栄会持株会が9.33%、NORTHERN TRUST CO.(AVFC) RE FIDELITY FUNDS(常任代理人 香港上海銀行東京支店)が8.37%、代表取締役社長の寺西豊彦氏が6.30%、執行役員の寺西俊幸氏が6.09%、キリン堂ホールディングス社員持株会が5.89%、個人投資家の志野文哉氏が5.64%を保有。以下5%未満の保有で、代表取締役会長の寺西忠幸氏、寺西豊彦氏及びその親族の資産管理会社である康有株式会社、信託銀行の信託口などが並ぶ。この時点で、大株主にて開示された寺西一族の保有分は、約21.9%であった。外国人株式保有比率は10%以上20%未満。

取締役会

MBO実施を受けて2020年5月に開催された株主総会以後、取締役の構成が変化しているとみられる。同社HPによると取締役は7名、監査役は1名。以前は監査役会設置会社であった。取締役常務執行役員財務経理部長の熊本信寿氏は、森田ポンプ株式会社(現株式会社モリタ)の出身者。取締役常務執行役員グループ医療事業担当の西村弘美男氏は、現在2020年5月の取締役会で就任が決議されたが、現在HPには載っていない。三井物産株式会社や株式会社リジョイス、グローウェルホールディング株式会社(現ウエルシアホールディングス株式会社)などの出身者である。

代表取締役の経歴

代表取締役会長の寺西忠幸氏は1929年3月生まれ。1955年5月キリン堂薬局を開業。1958年3月に株式会社キリン堂を設立し、代表取締役社長へ就任。その後、株式会社ニッショードラッグの代表取締役や麒麟堂美健国際貿易(上海)有限公司の董事長などを務め、2014年8月に現職へ就任。
代表取締役社長執行役員の寺西豊彦氏は忠彦氏の長男で、1957年11月生まれ。京都薬科大学を卒業後、株式会社津村順天堂(現株式会社ツムラ)へ入社。1982年3月に株式会社キリン堂へ入社し、1985年5月に取締役へ就任。2012年5月には代表取締役社長へ就任した。2015年5月に現職へ就任。

報告セグメント

「小売事業」の単一セグメント。2021年2月期第2四半期時点での売上高は70,414百万円、営業利益は2,957百万円であった。

事業モデル

小売事業は、傘下の主要子会社である株式会社キリン堂がドラッグストア及び保険調剤薬局等において、医薬品、健康食品、化粧品、育児用品及び雑貨等を販売している。また、子会社であるメディスンショップ・ジャパン株式会社が直営店舗の運営、保険調剤薬局のフランチャイズ展開と本部運営、薬局の事業承継・人材紹介・派遣事業を行っている。
その他事業として卸売事業や医療コンサルティング事業、海外事業なども行う。
2021年2月期第2四半期時点では、ドラッグストアが323店舗、調剤薬局が47店舗、FC店が1店舗の計371店舗を運営している。

2021年2月期第2四半期 補足資料1

ドラッグストア業界においては、感染症予防関連商品や、巣ごもりによる食料品の需要増加があるものの、インバウンド需要の消失、医療機関への受診者数に伴う処方箋枚数減少など、先行き不透明な状況が続いている。店舗において対面での接客が制限される中、顧客との接点を増やすため、スマホアプリの登録および利用の促進に注力するなど、「新常態」を見据えてさまざまな課題に取り組んでいる。

競合他社

3141ウエルシアホールディングス(直近決算期売上高9,496億円)、3391ツルハホールディングス(直近決算期売上高9,193億円)など、ドラッグストアを運営する企業は多数存在する。

連結の範囲

同社グループは、同社、連結子会社5社、持分法適用関連会社1社、非連結子会社1社及び持分法非適用関連会社2社の計10社で構成され、ドラッグストア及び保険調剤薬局等における、医薬品、健康食品、化粧品、育児用品及び雑貨等の販売を行う。

強み・弱み

「関西ドミナント戦略」の強化により、関西における一定の売り上げシェアを持つ点を強みとしている。医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律など、さまざまな法的規制を受けた場合に、業績へ影響を及ぼすことが懸念される。
また、利益率や売上高成長率の観点で、同社は競合他社と比較して低い水準にあることが課題であったことから、MBOを経て今後どう変化するかが注目される。

KPI

KPIとみられる開示は下記。
①開店・閉店店舗
②店舗数(直営店)
③処方せん取扱店舗数
④FC店舗数
⑤直営店舗数

業績

2016年2月期から2020年2月期までの5期をみると、売上高は112,902百万円から133,279百万円へ右肩上がりで、経常利益は凸凹はあるものの、2,320百万円から3,711百万円と増収増益。比較的利益率の高いプライベートブランド商品の売上構成比が増えたことや、新型コロナウイルス感染症対策のために販売促進を控えたことで、売上総利益率が改善されている模様。営業CFは恒常的にプラス、投資CFは恒常的にマイナス。2021年2月期第2四半期の自己資本比率は31.6%。