3547 串カツ田中ホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1998年11月個人事業としてKGバーを開店。2002年3月ケージーグラッシーズ有限会社を設立。2006年12月株式会社ノートに商号変更。2008年12月串カツ田中1号店となる世田谷店を開店。2012年1月より串カツ田中の本格的なFC展開をスタート。2015年8月株式会社串カツ田中に商号変更。2016年9月東証マザーズに上場、2019年6月に東証一部へ変更。2018年6月持株会社体制への移行に伴い、株式会社串カツ田中ホールディングスへ商号変更。「串カツ田中」を中心に「鳥玉」と併せて直営130店舗とFC149店舗の合計279店舗を運営する。

株主構成

有価証券報告書によると2020年11月末時点の筆頭株主は、創業者である貫啓二氏の資産管理会社である株式会社ノートで34.16%を保有、同氏個人でも9.22%と併せて43.38%を保有する。次いで副社長である田中洋江氏が3.62%。他は信託銀行等の信託口が並ぶ。外国人株式保有比率は10%未満。

取締役会

取締役は6名(社内4名、社外2名)、監査役は3名(社内1名、社外2名)、監査役会設置会社である。取締役副社長の田中洋江氏は同社が個人事業として店舗営業をしていた時代からの社員である。その他の役員は監査法人出身者や、プロパー出身者で構成される。

代表取締役の経歴

代表取締役社長の貫啓二氏は1971年1月生まれ。1989年4月にトヨタ輸送株式会社に入社。1998年11月個人事業にて飲食業をスタートさせたところから現在に至る。

報告セグメント

「飲食事業」の単一セグメントである。2020年11月期の売上高8,706百万円に占める直営店売上は71.5%、FC商品売上は21.6%、FCロイヤリティ収入は4.3%、その他2.6%であった。

事業モデル

一般大衆向け串カツ居酒屋を関東中心に全国展開する。早くからFC展開もしている。安くて美味しいコスパ重視の居酒屋として人気があり、全国1,000店舗体制を目指す。30以上の串カツメニューのうち、100円や120円の串カツメニューが半数を占め、サイドメニューやドリンクも提供する。老若男女・子供も歓迎する店づくりで、子連れ家族の来店も多い客単価は2,300円を目指した価格設定である。出店当初は競合が少なく店舗家賃の安価な生活道路に近い住宅街を中心に出店し、現在はターミナル駅やビジネス街、繁華街などへの出店を進めることでFC展開のための認知力向上を図る他、地方ロードサイドにファミレス型店舗なども展開する。
また、昨年からは鳥と卵の専門店「鳥玉」を新業態としてスタートし、その他にもローソン店舗で販売するハムカツサンドや、かつ盛り合わせ弁当などのコラボ商品も積極展開している。

2021年11月期 第1四半期決算補足説明資料

競合他社

7625グローバルダイニング、3193鳥貴族などが競合他社として挙げられる。しかし、どの企業も「串カツ」に絞った店舗運営はされておらず、串カツに特化した店舗は同社のみである。

連結の範囲

株式会社串カツ田中の1社が連結子会社に該当するが、持株会社体制への移行でHD体制を取っているため、実質的には子会社は無いと言える。

強み・弱み

多店舗展開をしながらも味や品質、接客マニュアルなどが確立している点が強みである。串カツ田中のレシピは門外不出で厳重に管理されており、安くて美味しい、を体現するのには必須のレシピである。徹底して業務を効率化し、マニュアル化することで料理人に頼らないオペレーションを展開することができる。同社が多店舗展開を加速できた点はそこにある。また、近年ではローソンとのコラボ商品にも力を入れており、ローソン店内で提供するハムカツサンドやカツ盛り合わせ弁当などは同社がコラボして開発した商品である。価格帯が安いため参入障壁が比較的低い点が弱みである。また、コロナ禍に象徴されるように外出自粛や人々の行動が制限された時にも多店舗展開する飲食小売業態は痛手を受けやすい。

KPI

2021年11月期第1四半期の実績は下記。店舗数は新業態の鳥玉を含む数値と見られる。
店舗数の推移 279店舗 (前期末比+3店舗)
②内、FC店舗数 130店舗 (前期末比+4店舗)
鳥玉の出店数 8店舗 (21年4月16日時点HPより)

2021年11月期 第1四半期決算補足説明資料

業績

2018年11月期から連結のため非連続だが、2016年11月期から2019年11月期までの4期間で売上高は2.5倍、経常利益は1.9倍と増収増益であった。2020年11月期はコロナウイルス感染症拡大の影響から、減収減益であった。なお、営業外収益に仕入れ先からの協賛金収入を計上している。2020年11月期の営業損益は40百万円の赤字であった。営業外収益で協賛金収入とコロナ禍の営業時間短縮要請に応じた雇用調整助成金を計上し、経常利益は296百万円を確保した。2021年11月期第1四半期は売上高1,108百万円(前年同期比▲62.0%)、経常利益は▲576百万円と減収減益で、通期の会社計画では前年同期比+28.6%の増収を見込むが、コロナ禍の影響を大きく受ける見込み。営業CFはかろうじてプラスを維持している。自己資本比率は20%台だが、現金同等物で40,00百万円以上を維持しており、当面の資金は確保されている。