8361 大垣共立銀行の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1896年3月、岐阜県にて株式会社大垣共立銀行として設立。旧第百二十九国立銀行の業務を継承し、銀行業務を営んでいる。株式は1971年10月名証二部上場、1972年8月名証一部に変更、1973年10月には東証一部に上場した。2015年4月より岐阜県の指定金融機関。2017年12月には預金残高5兆円を達成。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、株式会社日本カストディ銀行の信託口で保有割合5.64%。以降は保有割合5%以下で国内銀行信託口、みずほ銀行、SMBC日興証券、大垣共立銀行従業員持株会などが続く。尚、2021年2月4日受付の大量保有報告書によると、三井住友トラスト・アセットマネジメントと共同保有者の保有割合が5.08%と報告されている。また、2020年6月30日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10%以上20%未満である

取締役会

取締役は7名(社内4名、社外3名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表取締役以外の社内取締役はオリックス、みずほフィナンシャルグループを経ての入社が1名(同行頭取、代表取締役会長を務め、2020年11月に逝去した土屋嶢氏の長男)、残りはプロパーである。

代表取締役の経歴

取締役頭取(代表取締役)の境敏幸氏は1956年12月生まれ。滋賀大学卒業後、1979年4月同行に入行。常務取締役、専務取締役等を歴任後、2019年6月に取締役頭取に就任。頭取交代は26年ぶりのことだった。

報告セグメント

「銀行業」、「リース業」、「信用保証業」の3報告セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない「その他」を合わせた2021年3月期第3四半期の経常収益85,291百万円の構成比は、銀行業約6割、リース業は3割強、信用保証業は僅かだった。国内が88.3%、海外が11.7%だった。営業利益について国内はクレジット事業、住宅ローン保証が、堅調で増益も、海外はコロナ禍による低迷が続き、赤字となっている。経常利益は、銀行業がおよそ8割、信用保証業が1割強を占める構成となっている。

事業モデル

岐阜基盤の地方銀行として、銀行業を営む。預金残高、貸出残高の規模はともに全国の地銀、第二地銀102行中20位程度に位置する。2021年3月期第2四半期の岐阜県内の個人預金シェアは37.7%、法人含む貸出金シェアは27.7%だった。同四半期の貸出先別残高シェアは、個人40.9%、製造業13.8%、不動産業・物品賃貸業10.2%などとなっている。尚、県外展開にも積極的で、岐阜の他に愛知、三重、滋賀、東京、大阪に店舗を有する。特に愛知県では個人預金シェア5.9%、貸出金シェア9.3%と一定の知名度を有する。中小企業向けの事業性資金や個人向けの住宅ローン残高の積み上げにより、貸出金残高は堅調に増加。金利スワップの受入利息や貸出債権売却益等などの一過性の要因もあるが、業務粗利益も直近3期程度は下げ止まりつつある。従業員数の減少や拠点数の適正化に取り組み、人件費や物件費が減少し経費抑制もなされている。子会社を通じて、リース業および銀行融資業務をサポートする信用保証業なども展開している。

2021年3月期中間決算概要

銀行業界は預金量の増加が続く中、金融政策による低金利環境が続き貸出利息が減少、収支バランスが悪化している。そうした中、地銀間の経営統合や広域連携など、業界再編の動きがみられている。またATM手数料の見直し、グループ会社を通じた金融商品の販売など、収益構造に変化が起きている。

競合他社

営業エリアが近接する地方銀行として、8356十六銀行(2020年3月期経常収益106,860百万円)8368百五銀行(同91,365百万円)8522名古屋銀行(同67,043百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

同行と連結子会社10社で構成される。リース業を営む共友リース株式会社、信用保証業を営む株式会社OKB信用保証などが挙げられる。

強み・弱み

既存の銀行業務に捉われず、年中無休店舗や異業種テナント併設店舗の開設、早朝・休日のATM稼働などに早くから取り組むなど顧客満足度の高い様々なサービスを展開していることが強み。Forbes世界の銀行ランキングで日本国内3位・地域金融機関1位を受賞した。一方で地方銀行である為、岐阜県、愛知県を中心とした東海圏に貸出先が偏重しており、当該圏の経済動向は同行の業績に影響を与える。続く利ザヤ縮小への対応が課題。また、26年間頭取を務め同行の独自色を作ってきた土屋会長が2020年11月に逝去されたため、今後の経営方針に変化が生じる可能性がある。

KPI

①預金残高(2021年3月期第2四半期54,149億円)
②貸出残高(同43,118億円)
③総資金利鞘(同0.11%)
④不良債権比率(同1.26%)
⑤連結自己資本比率(同8.36%)

2021年3月期中間決算概要

業績

2015年3月期から2020年3月期をみると、連結経常収益は1,219億円から1,153億円台に減少、連結経常利益についても227億円から103億円に減益となった。業務純益の推移をみると、2017年3月期は194億円を計上するも、その後は80~90億円の推移。資金利益や国債等関連損益が減少する中、役務取引の増加や経費の減少により業務純益を維持している。不良債権残高は5期連続で減少し、不良債権比率も低下が続く。与信関係費用も低位で推移し、債権の質は改善が続く。連結自己資本比率は8%台で、国内基準行に求められる4%を大きく上回っている。

同行ディスクロージャー2020年通期