8386 百十四銀行の業績について考察してみた

8386 百十四銀行の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1878年第百十四国立銀行として創業。1898年私立銀行に転換し、株式会社高松百十四銀行に改組。1924年3月高松百十四銀行と高松銀行との新設合併により株式会社百十四銀行設立。1948年6月株式会社百十四銀行に商号変更。1972年10月東証・大証二部上場。1973年8月東証・大証一部に変更香川県を地盤とする地方銀行である。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、日本カストディ銀行の信託口で保有割合5.05%。以降は保有割合5%未満で国内銀行信託口、国内生保、2282日本ハム、百十四銀行従業員持株会、5233太平洋セメント、国内証券、地元企業の6395タダノなどが並ぶ。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は15名(社内10名、社外5名)、うち監査等委員は7名(社内2名、社外5名)、監査等委員設置会社である。社内取締役は全員プロパー入社とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役は3名。取締役頭取の綾田裕次郎氏は1959年5月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1982年4月同行に入行。行内要職を歴任後、2017年4月現職に就任。詳細は不明だが、“綾田“の姓を持つ同行の頭取は3人目。
取締役副頭取兼CCOの香川亮平氏は1958年11月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1982年4月同行に入行。行内要職を歴任後、2021年4月現職に就任
取締役専務執行役員の大山揮一郎氏は1959年6月生まれ。松山商科大学(現松山大学)卒業後、1983年4月同行に入行。行内要職を歴任後、2021年4月現職に就任

報告セグメント

「銀行業」および「リース業」の2報告セグメントに大別されるほか、報告セグメントに含まれないクレジットカード業および信用保証業等のその他がある。2021年3月期連結経常収益76,728百万円の構成は、銀行業87.2%、リース業10.1%、残りがその他だった。経常利益は90%程度を銀行業が占める。

事業モデル

第一地方銀行として、香川県にて銀行業を営む。預金残高、貸出残高の規模は全国の地銀、第二地銀102行中30位台前半~中盤程度に位置する。香川県内ではトップシェアを誇り、2021年3月末時点では預金シェア48.1%、貸出金シェア37.9%だった。貸出金の地域別構成は、香川県内が41.4%、広域瀬戸内圏(香川県除く四国3県、岡山県、兵庫県、広島県、福岡県)33.6%、残りが大都市圏となっている。
同時点の貸出先別残高シェアは、個人が大勢を占めるその他が25.39%、製造業16.26%、不動産業、物品賃貸業12.13%、卸売業、小売業11.20%などとなっている。

2020年度 決算説明資料

また店舗網の再編や、非対面チャネルの拡充により経費低減を図る。2021年3月期は11店舗の統廃合を実施。従来型店舗を削減する一方、コンサルティング機能強化した店舗や店頭事務取引に特化したローコスト店舗に形態の見直しを行う。コアOHRは76.8%

2020年度 決算説明資料

銀行業界は預金量の増加が続く中、金融政策による低金利環境が続き貸出利息が減少、収支バランスが悪化している。そうした中、地銀間の経営統合や広域連携など、業界再編の動きがみられている。またATM手数料の見直し、グループ会社を通じた金融商品の販売など、収益構造に変化が起きている。またコロナ禍が長期化する中、顧客の経営状況に悪影響を及ぼすリスクが高まっており、今後の資金繰り支援が課題となっている。

競合他社

香川県を地盤とする地方銀行として、8600トモニホールディングス傘下の香川銀行 (2021年3月期経常収益29,651百万円)、愛媛から瀬戸内へ展開する8385伊予銀行(同124,817百万円)、高知、徳島を中心に四国全県に展開する8387四国銀行(同41,502百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は9社。リース業を行う百十四リース株式会社、クレジットカード業務等を行う株式会社百十四ジェーシービーカード、株式会社百十四ディーシーカードなどが存在する。

強み・弱み

香川県内で圧倒的なシェアを持つことや顧客の海外進出を支援する国際業務医療・介護分野や船舶関連融資にかかるノウハウが強み。一方で高コスト体質、人口減少による地域経済の縮小、資金収益への依存を同行は構造的な問題としており、人件費、物件費の削減と、コンサルティング業務拡充による収益の獲得を目指す。2018年から女性行員同席の不適切な接待、元行員の情報漏洩による逮捕など、不祥事も目立ち、ガバナンス体制への懸念が残る。

2020年度 決算説明資料

KPI

銀行に共通するKPIと考えられる以下と、同行は20/4~23/3中計の経営指標として当期純利益60億円以上、連結自己資本比率9.0%以上、OHR75%以下を掲げている。
①預金残高(2021年3月期末 4兆4,476億円)
②貸出残高(同3兆429億円)
③総資金利鞘(全店:同0.15%、2021年3月末第一地銀平均0.21%)
④不良債権比率(同1.93%、2021年3月末第一地銀国内基準行平均1.77%)
⑤単体自己資本比率(同8.88%、2021年3月末第一地銀平均9.61%)
※第一地銀平均は全国地方銀行協会調べ

業績

2017年3月期以降の5期連続して減収、利益も減益傾向。同5期で連結経常収益は▲23.9%、連結経常利益は特に2021年3月期に株式等償却として70億円計上したことが大きく▲72.6%となった。不良債権比率は2017年3月期の1.80%から1.93%に上昇。単体自己資本比率は2021年3月期末は8.88%。国内基準行に求められる4%を上回っている。