8714 池田泉州ホールディングスの業績について考察してみた

8714 池田泉州ホールディングスの業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

2009年10月に株式会社池田泉州ホールディングスを設立し、2010年5月ホールディングス傘下で池田銀行と泉州銀行が合併し池田泉州銀行が誕生。大阪府、兵庫県を営業エリアとし、第一地銀としての銀行業のほか、証券業、リース業などの金融サービスを提供している。両行合算で資金量5.4兆円。東証の市場区分見直しにより現在はプライム市場に移行。
なお、泉州銀行は1951年1月に、池田銀行は同年9月に大阪府にて設立された。池田銀行は1963年8月に、泉州銀行は1972年4月に大証へ上場し、合併直前の泉州銀行は東証一部にも上場していた。なお、池田銀行が独立性の強い地場銀行であったのに対し、泉州銀行は三菱UFJ銀行の連結対象であった。合併時に独立色を出すために、MUFGの持株比率削減を求め、2014年中に15%未満へ下げる旨合意し、現在は同HDへのMUFGの持株比率は5%未満、特定の銀行グループ色を出していない

株主構成

有価証券報告書によると2022年3月末時点の筆頭株主は、日本カストディ銀行で保有割合11.66%。日本マスタートラスト信託銀行が11.42%で続き、以降は5%以下で、池田泉州銀行従業員持株会、6367ダイキン、三菱UFJ銀行などが名を連ねる。外国人株式保有比率は10%以上20%未満

取締役会

取締役は9名(社内5名、社外4名)、監査役は4名(社内2名、社外2名)、監査役会設置会社である。社内取締役の7名は旧池田銀行と旧泉州銀行出身者が各2名、日本銀行出身者が1名という構成。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。取締役会長(代表取締役)の太田享之氏は1958年1月生まれ。関西大学卒業後、1981年4月泉州銀行に入行。合併後の池田泉州銀行にて常務執行役員等を歴任後、2016年6月に同社取締役就任。2018年6月より池田泉州銀行代表取締役会長および現職を務めている。
取締役社長兼CEO(代表取締役)の鵜川淳氏は1956年7月生まれ。同志社大学卒業後、1980年4月池田銀行に入行。池田泉州銀行にて取締役専務執行役員等を歴任後、2018年6月より同行代表取締役頭取兼CEOおよび現職を務めている。

報告セグメント

「銀行業」、「リース業」の2報告セグメントに大別される。報告セグメントに含まれない証券、クレジットカード業務等で構成される「その他」を合わせた2023年3月期第1四半期の経常収益22,831百万円の構成比は、銀行業8割強、リース業は1割強、その他は1割未満だった。また経常利益は大部分が銀行業にて計上されている。

事業モデル

第一地方銀行として、大阪府、兵庫県にて銀行業を営む。店舗数は139店、2022年3月期の預金残高、貸出残高の規模は地方銀行99行中5位、3位という規模。近畿地銀8行中ではそれぞれ5位、3位にあたる。2022年3月末の貸出先別残高シェアは、個人が大勢を占めるその他が49.4%、不動産業・物品賃貸業15.2%、卸売業・小売業7.4%、製造業7.0%などとなっている。直近4年間で貸出金残高は約6,000億円増加し、45,000億円を超えている。住宅ローンや不動産業・物品賃貸業、卸売業・小売業向けの融資残高増加が目立つ。

2021年度 決算説明会資料

コスト改革に取り組んでおり、物件費を中心に4年前比で約33億円減少、役職員数は338名減(約▲12%)、拠点数は2か所減らしている

2021年度 決算説明会資料

銀行業界は預金量の増加が続く中、金融政策による低金利環境が続き貸出利息が減少、収支バランスが悪化している。そうした中、地銀間の経営統合や広域連携など、業界再編の動きがみられている。またATM手数料の見直し、グループ会社を通じた金融商品の販売など、収益構造に変化が起きている。

競合他社

大阪府を地盤とする地方銀行として、8308りそなホールディングス傘下の関西みらい銀行(2022年3月期経常収益190,172百万円、関西みらいフィナンシャルグループとして)、兵庫県を地盤とする但馬銀行(同14,081百万円)、みなと銀行(同48,828百万円、りそなホールディングス傘下)などが挙げられる。

連結の範囲

持株会社である同社と傘下の連結子会社20社、持分法適用関連会社2社で構成される。主要な子会社は銀行業を営む池田泉州銀行、銀行傘下でリース業を展開する池田泉州リース株式会社などが挙げられる。

強み・弱み

大阪、兵庫の恵まれた営業地盤や良質な貸出資産が強み。また2021年3月期の不良債権比率は地方銀行協会加盟行62行中低いほうから同率1位の0.96%、連結自己資本比率は9.96%と財務の健全性を保っている。一方で営業エリアが限られているため、当該地の経済動向に業績が左右される。コロナ禍における、貸出債権の質の悪化が懸念される。下図の通り、低位ではあるものの不良債権比率は上昇傾向にある。

2021年度 決算説明会資料

KPI

①預金残高(2022年3月期55,681億円)
②貸出残高(同45,268億円)
③総資金利鞘(同0.32%)
④不良債権比率(同0.96%、2021年度第一地銀平均1.78%)
⑤連結自己資本比率(同9.96%、2021年度第一地銀(国内基準行)平均9.97%)

業績

2017年3月期から2022年3月期をみると、連結経常収益は1,100億円台から800億円台へ低下、連結経常利益は約142億円から2020年3月期は約50億円と連続減益だったが、2021年3月期は有価証券売却損の減少を主因に、2022年3月期はコロナ禍において予防的に計上していた貸倒引当金していたが、当初想定ほど倒産等が発生しなかったため前年比大幅減少したことなどを受け2期連続増益、再び140億円台となった。資金運用利回りの低下が続くが、資金調達原価の低下が上回り、総資金利鞘は0.14%から0.32%へ改善している。

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