8544 京葉銀行の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1943年3月、千葉県内の無尽会社3社が合併し、千葉合同無尽会社を設立。1951年10月に相互銀行の営業免許を取得し、株式会社千葉相互銀行に商号変更。1973年4月に東証二部上場、1974年2月に東証一部に変更となった。1989年2月に普通銀行へ転換し、株式会社京葉銀行に商号変更。千葉県内を地盤とする資金量約5兆円の第二地銀である。

株主構成

有価証券報告書によると2020年9月末時点の筆頭株主は、株式会社日本カストディ銀行の信託口で保有割合4.94%と、5%を超える大株主は存在しない。以降は千葉銀行、生保4社、SMBC日興証券、京葉銀行職員持株会などが名を連ねる。但し、2021年2月19日受付の大量保有報告書によると、三井住友信託銀行と共同保有者の保有割合が5.07%と報告されている。また、2020年6月25日更新のコーポレート・ガバナンス報告書によると、外国人株式保有比率は10%以上20%未満である

取締役会

取締役は10名(社内6名、社外4名)、監査役は5名(社内3名、社外2名)、監査役会設置会社である。代表取締役は2名、社内取締役は全員がプロパーである

代表取締役の経歴

取締役頭取(代表取締役)の熊谷俊行氏は1957年11月生まれ。東京理科大学卒業後、1981年5月同行に入行。常務取締役、専務取締役等を歴任後、2016年6月に取締役頭取に就任
取締役副頭取(代表取締役)の橋本清氏は1957年11月生まれ。早稲田大学卒業後、1981年5月同行に入行。常務取締役、専務取締役等を歴任後、2018年6月に取締役副頭取に就任

報告セグメント

「銀行業」のみの単一セグメント。2021年3月期第2四半期の連結経常収益31,985百万円は、貸出業務が6割弱、有価証券関連業務が3割弱という構成だった。

事業モデル

第二地方銀行として、千葉県にて銀行業を営む。預金残高、貸出残高の規模はともに全国の地銀、第二地銀102行中20~30番目程度に位置し、第二地銀としては、8524北洋銀行に次ぐ2番目の規模を誇る。2019年3月末の千葉県内預金シェアは10.0%、2021年3月期第2四半期の県内の法人含む貸出金シェアは21.2%、同行国内貸出に占める県内貸出割合は86.43%だった。同四半期の貸出先別残高シェアは、個人が大勢を占めるその他が43.77%、不動産業・物品賃貸業18.59%、卸売業、小売業6.46%、製造業6.22%などとなっている。県外では東京に事業性融資専門店舗等3支店を展開。貸出金の約8割を占める住宅ローン、中小企業向け貸出金の積み増しにより、年間増加率2.9%で着実に増加。また物件費の見直し等により、経費低減を図っている。

2019年度決算報告

銀行業界は預金量の増加が続く中、金融政策による低金利環境が続き貸出利息が減少、収支バランスが悪化している。そうした中、地銀間の経営統合や広域連携など、業界再編の動きがみられている。またATM手数料の見直し、グループ会社を通じた金融商品の販売など、収益構造に変化が起きている。

競合他社

営業エリアが近接する地方銀行として、8331千葉銀行(2020年3月期経常収益242,982百万円)8337千葉興業銀行(同50,391百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

投資事業有限責任組合の運営業務等を行う株式会社京葉銀キャピタル&コンサルティング、クレジットカード業務等を行う株式会社京葉銀カード、住宅ローンを中心とする個人ローンの保証業務等を行う株式会社京葉銀保証サービスの3社が連結子会社に該当する。

強み・弱み

人口動態、産業等が比較的恵まれた千葉県にて営業展開していることが強み。また2020年3月期の不良債権比率は地銀、第二地銀102行中17位、自己資本比率は同19位と財務の健全性を保っている。一方で営業エリアがほぼ千葉県に限られていることがリスクとして挙げられ、近年は台風の被害やコロナ禍により観光業が打撃を受けており、今後の自然災害の発生等により与信費用が増大する可能性がある。

KPI

①預金残高(2021年3月期第2四半期49,325億円)
②貸出残高(同37,543億円)
③総資金利鞘(同0.22%)
④不良債権比率(同1.24%、2019年度末第二地銀平均1.89%)
⑤連結自己資本比率(同11.17%、2019年度末第二地銀平均9.34%)
※第二地銀平均は一般社団法人第二地方銀行協会統計資料参照

2019年度決算報告

業績

2015年3月期から2020年3月期をみると、連結経常収益は600億円台後半~700億円程度を維持するも、連結経常利益は240億円から81億円に減益となっている。資金利益は減益が続く。2020年3月期は金融商品販売手数料減少により役務取引利益も減益となる中、国債等売却益により業務粗利益を前年度比1億円の減少に留めた。実質業務純益は業務粗利益の低下を経費の圧縮によりカバーしているが、2015年3月期の240億円から2020年3月期は177億円に減少している。不良債権残高は400億円台で横ばいだが、比率は低下傾向にある。与信費用はコロナ禍の影響により足許増加している。連結自己資本比率は10%台で、国内基準行に求められる4%を大きく上回っている。