8381 山陰合同銀行の業績について考察してみた

8381 山陰合同銀行の業績について考察してみた

PERAGARUアナリスト

沿革

1889年8月設立の松江銀行と1894年1月設立の米子銀行が1941年7月に合併し、株式会社山隂合同銀行を設立。1985年10月東証二部上場、1987年9月東証一部に変更。1991年4月同地域の第二地銀、株式会社ふそう銀行と合併。1997年10月株式会社山陰合同銀行に商号変更。島根県、鳥取県を地盤とする地方銀行である。

株主構成

有価証券報告書によると2021年3月末時点の筆頭株主は、日本マスタートラスト信託銀行の信託口で保有割合5.32%。以降は保有割合5%未満で国内生保、国内銀行信託口、山陰合同銀行従業員持株会、海外金融機関、9504中国電力などが並ぶ。外国人株式保有比率は20%以上30%未満

取締役会

取締役は12名(社内6名、社外6名)、うち監査等委員は5名(社内2名、社外3名)、監査等委員会設置会社である。社内取締役は全員プロパー入社とみられる。

代表取締役の経歴

代表取締役は2名。取締役会長の石丸文男氏は1954年10月生まれ。神戸大学卒業後、1977年4月同行に入行。行内要職を歴任後、2015年6月取締役頭取就任。
2020年6月より現職を務める
取締役頭取の山崎徹氏は1958年8月生まれ。慶應義塾大学卒業後、1982年4月同行に入行。行内要職を歴任後、2020年6月現職に就任

報告セグメント

「銀行業」および「リース業」の2報告セグメントに大別されるほか、報告セグメントに含まれない信用保証業等のその他がある。2021年3月期の調整前連結経常収益89,191百万円の構成は、銀行業80.9%、リース業17.3%、残りがその他だった。経常利益は95%超を銀行業が占める。

事業モデル

第一地方銀行として、島根県、鳥取県にて銀行業を営む。預金残高、貸出残高の規模は全国の地銀、第二地銀102行中30位台中盤程度に位置する。両県内のほか、兵庫県、大阪府、岡山県、東京都に拠点を持ち、エリア外の法人取引を増やしている。貸出金の地域別の割合は兵庫・大阪が3割強、広島・岡山で2割弱となっている。
同時点の貸出先別残高シェアは、個人が大勢を占めるその他が28.09%、不動産業、物品賃貸業13.75%、製造業12.76%などとなっている。

2021年3月期 決算説明会資料

また店舗網の合理化や外部機関とのATM提携などにより、経費低減を図る。また2024年3月期までに退職などにより250名程度の人員減を見込む。コアOHRは70.81%
2021年3月期 決算説明会資料

銀行業界は預金量の増加が続く中、金融政策による低金利環境が続き貸出利息が減少、収支バランスが悪化している。そうした中、地銀間の経営統合や広域連携など、業界再編の動きがみられている。またATM手数料の見直し、グループ会社を通じた金融商品の販売など、収益構造に変化が起きている。

競合他社

島根県、鳥取県を地盤とする地方銀行として、7150島根銀行 (2021年3月期経常収益8,184百万円)8383鳥取銀行(同13,409百万円)、営業エリアが近接する8382中国銀行(同116,976百万円)、8418山口フィナンシャルグループ(同183,255百万円)などが挙げられる。

連結の範囲

連結子会社は9社。リース業を行う山陰総合リース株式会社、クレジットカード業務等を行う株式会社ごうぎんクレジットなどが存在する。かつては証券業務を担うごうぎん証券株式会社が存在していたが、2020年10月野村證券への営業譲渡に伴い営業終了している。

強み・弱み

島根県、鳥取県で圧倒的なシェアを持つことが強み。一方で両県は人口減少、高齢化進行が顕著で資金需要が弱く、結果として預証率が高くなり相応の金利リスクを負っているものと考えられる(2020年3月期39.1%:全国銀行平均24.5%)。山陽地域や兵庫県、大阪府へ展開、貸出金残高を伸ばしているが、不良債権額の増加がみられる(不良債権比率は低下傾向)。

KPI

銀行に共通するKPIと考えられる以下と、同行は22/3~24/3中計の経営指標として当期純利益、OHRなどとともに非金利収益比率(2021年3月期14.15%、目標値15.8%以上)などを掲げている。
①預金残高(2021年3月期末 4兆4,523億円)
②貸出残高(同3兆5,839億円)
③総資金利鞘(全店:同0.38%、2021年3月末第一地銀平均0.21%)
④不良債権比率(同1.66%、2021年3月末第一地銀国内基準行平均1.77%)
⑤単体自己資本比率(同11.97%、2021年3月末第一地銀平均9.61%)
※第一地銀平均は全国地方銀行協会調べ

業績

貸出金の増加などを背景に経常収益は2019年3月期まで5期連続増収。しかし以降は有価証券配当金利息の減少などから2期連続減収。連結経常利益は減益続き200億円台だったものが与信費用の増加などから2021年3月期は144億円となった不良債権比率は2017年3月期の2.02%から1.66%に低下2021年3月期末は11.97%。国内基準行に求められる4%を大きく上回っている。